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はじまりのはじまりのはじまりのはじまり

ロサは夫のハウゼンと同じベッドで寝ています。

「今日で私とあなたの結婚八周年ですね。長いようであっという間でした。これからもよろしくお願いします」


そう言ってからまだ寝ている彼のおでこにキスをし、いそいそとベッドから降りた。

私が起きるのは四時だから、彼が起きるのよりも二時間も早い。

私は縁に見事な彫刻がある鏡の前に立ち、寝間着から動きやすい服に着替えた。

フリフリのドレスではなく、ワンピースみたいなやつだ。


「今着替えたからといって、八時には侍女達に強制的にフリフリのドレスを着させられるのよねぇ……」


王宮の侍女達は私がいくら「動きやすい服がいい」と言っても聞く耳を持たない。


「王妃様はとてもおキレイですから着飾った方がいいです!」

「ロサ様の美しさを極限まで引き出すのが私達の役割なのです!」

「何よりハウゼン様にご機嫌でいて欲しいですからね……」


最後の発言はよくわからないが、私たち国のトップの主な仕事は執政だから、謁見時以外は自由な服でよいと思うのだ。


さて。

私がこんなに早く起きるのには訳がある。

一人で町におりて国民の様子を見ることだ。

実は私はこの国、ミュンヒ王国の王妃なのだが、政治をするにあたって民の声は非常に大事だと思っている。

だってよく言うでしょう、「人は城、人は石垣、人は堀」ってね。

前の人生でも国家の成立条件といえば「国民、領域、主権」だった。

つまり国民なしには国家は成立せず、言い換えると国家としての全ての土台に国民の存在が前提とされているのだ。

蔑ろにはできまい。


それに彼ら彼女らは私にいろんなものの見方を教えてくれる。

例えば、農作物の収穫時期の見極めであったり、貴族が毎日湯水のごとく使うお金は人々にとって自らの努力の証であり、滅多に贅沢しないこととか。

だからお金持ちになっても初心を忘れず、慎ましく暮らす人が多いらしい。


そうこうしてる間に四時十分だ。

そろそろ出掛けないと。

ロサは現在23才。王妃になって一年目です。


結婚八周年ということは、ハウゼンはロサが15の時に結婚したことになります。

手が早い………

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