やっぱりここは異世界のようだ。窓から見える景色は……
ここで待っていろと言われた部屋はベットと机が置いてある簡素な部屋だった。
城の廊下にはいろいろな装飾品や壺などが置かれていただけに、余計に寂しく思える。
部屋の中で一人になると急に寂しくなってくる。
このあとどうなるのだろうか。
とりあえず使えはしないだろうが折れた傘をまっすぐに伸ばしておく。
いったいこれからどうしたらいいのだろうか。
先ほどの話では自由になるなんて言っていたが、こんな右も左もわからない土地で自由になっても困る。
せめて生活の基盤くらいは安定させなければいけない。
幸いにも何でも屋をやっていたおかげで、生活が苦しくても立ち回ることはできそうだが、まずは色々と情報が足りない。
さっきも魔王とか不吉なワードがでてきていた。魔王と戦うなんて普通に考えて無理だから。
俺おっさんだから。馬鹿にされても若いお兄さんら二人に任せた方がいいに決まっている。
そう考えると、せっかくだから異世界を見てまわるのも悪くはない。
魔王討伐?
あとはお若いの2人に任せるとしよう。
今日はこの部屋で休ませてもらえるのだろうからゆっくりとベットに横になるか。
俺がベットに座るとほぼ同時に部屋の扉がノックもされずに開けられる。
そこには先ほどとは違う若い兵士の人がいた。外見で10歳くらいだろうか。
「役立たず部屋からでろ。行くぞ」
なにコイツ。外見は可愛い感じだがかなり生意気だ。
もう少し言いとか伝え方があってもいいと思うんだけど。
俺は心で思っても口にはださず兵士の言う通りにする。
だって、剣が思いっきり怖い。
若い兵士だが腰につってある剣は武骨でかなり重量がありそうな両刃の剣だった。
こんな剣で切られたら痛いではすまない。
よく兵士とかに歯向かっている奴とか本の中にでてきていたが、実際に刃物を目の前にしたらあんな風に言えるわけがない。
こんな感じで俺は異世界生活をやっていけるのか本当に不安になってくる。
城の窓から見える風景は中世のヨーロッパのような風景が広がっている。魔王とか異世界とかじゃなければきっとテンションがかなりあがっていただろう。
俺の心とは裏腹にそこにはキラキラした世界が広がっていた。