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イブキと魔法の仮面

 お客さんたちは結構遅くまできていた。

 

 お風呂も娯楽の一つなのか帰る時にはみんな嬉しそうだ。


 お風呂の売り上げは1日で6万ペトもあった。そのうち1割をニコバアに渡したがかなりの金額が残った。俺が1日行って稼ぐ金額を考えるとこっちを本業にした方がいいんじゃないかと思ってしまう。


 ニコバアとイブキと3人でお土産に果物を渡すと、

「私も一緒にいいのか?」

 と遠慮がちにニコバアが聞いてくる。


 ご近所さんとはいえ色々お世話になっているのに断る理由がない。

「もちろんですよ。いっぱい買ってきましたから一緒に食べましょ」

 

 イブキはテンションが上がっているのか、オーバーリアクションで喜びをあらわしてくれていた。

  

 あんなに喜んでもらえると俺も買ってきたかいがある。

 次はどんなものを買ってきてあげようか、なんて考えると嬉しくなってくる。

 

 俺がイブキを見てニヤツイていると、ニコバアから、

「ニコニコして本当に仲がいいんだね。モグモグ。そうだテル、イブキの包帯だけど傷はもう治っているようだから包帯よりも仮面とかの方がいいと思うんだけどどうだい?」

 ニコバアはすごい勢いでイチゴをほおばっている。


「包帯よりも仮面ですか」


「包帯だとつけ外しが大変だし、首の傷は隠せないけど、うちの雑貨屋にちょうといい仮面があるんだよ。イブキも傷のある顔を人に見せるの抵抗あるようなんだ」

 確かに家の中では外していた包帯を家に帰ってきた時にはしていた。


「じゃあ今から見に行ってもいいですか?」

「あぁいいよ」

 ニコバアはイチゴを名残おしそうに口の中で転がしていた。

 どんだけイチゴ好きなんだろう。


 ニコバアの雑貨屋に行くと確かにあまり今まで気にしていなかったが仮面が大量に置いてあった。

「雑貨屋の方の留守番はしてなくてよかったんですか?」

「大丈夫だよ。必要なら風呂屋の方へくるから」

 よく見てみると用事がある場合にはお風呂屋へ手作りの看板があった。村だから盗まれるとかの危険もすくないのだろう。


「イブキはどれがいい?」

 イブキが使うものだからイブキが選んでもらったほうがいいだろう。

 イブキのことだから手を叩くだけで表面の模様とかわかるんじゃないだろうか。


 そう思っているとイブキはなぜか遠慮がちに俺の方へ視線を送って何かを訴えてくる。

「俺が選べってこと?」

 イブキの顔がパァっと明るくなり大きく頷いている。


 まぁイブキもそこまで万能ってわけでもないか。


 仮面はカラフルなもの、何かの動物をかたどったもの、人の顔、などいろいろなものがあった。

 こういうセンスというのはまるでないので不安になってくる。


 うーん。女の子だしやっぱり可愛いのがいいかも知れない。


 いや、待てよ。強そうな感じの仮面ならイブキに変な男が寄り付かなくていいかも。

 俺は未開の民族が使っていそうな派手な色彩の仮面をイブキに渡そうとする。

「テル、ふざけてると本気で怒るよ」

 ニコバアから静かなる殺気を感じる。


 いや、これでも真面目にやってるんだよ。


 でもこれがいいって思ったんだから仕方がない。


「いや、やだなニコバア女の子にこんな派手なやつ渡すわけないじゃん」

 俺は静かに仮面を戻し、可愛い路線でいくことに決めた。


 一応手に取る前にニコバアの顔色をうかがう。

 今度は特に大丈夫そうだ。


 俺はウサギのようなものがかたどられた仮面を手に取りイブキに渡す。

 イブキはなぜかすごく嬉しそうだ。


「これはいくら?」

「おっいいものに目をつけるじゃないか。これは南方のモランドボルがつけている仮面で認識を阻害する魔術がかかっている。イブキさんの怪我を隠すのにはちょうどいいが値段が少しはって1万ベトするがどうする?」


 1万ベトはなかなかの値段だが、今日1日イブキが稼いでくれたことを考えれば安いものだろう。


「いいよ。買うよ。イブキもこれでいいかい?」

 イブキは表面の模様を触り、そして大きく頷く。


 お面を渡すと大切そうに両手で抱え込んだ。


「せっかくだからつけてみるか?」


 イブキが頷いたので実際につけてもらうと、イブキのことは確認できるが、なぜか顔だけ印象がうすくなっている。


 つける前ではそんなことなかったのにさすが異世界の魔法のアイテムだ。

 イブキは仮面を外すと満面の笑みで俺にありがとうと伝えてくる。

 イブキのこういう素直なところは本当に素敵だなと思っている自分がいた。

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