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生活魔法が傘から……。意外と傘が便利だった件

 ニコバアとギルドには少し遠くへでかけてくると伝えておいた。


 家の代金はすでに支払ってあるが数週間戻ってこない時に死んだと思われても困るからだ。


 前回とは違ってしっかり旅の準備をする。

 今回も馬車を使いたいところだが、馬車からだと、もし途中でタニア姫を見つけてもすれ違いになってしまう可能性があるので徒歩で移動する。


 簡易のテントなどもあるので野営にも困らない。

 一人での移動に怖さがないのかと聞かれれば、もちろん怖い。

 でも、初めて優しくしてくれた彼女をこのまま放置しておくことはできない。


 もちろん、この村へくるとは限らないしこの国からでていった可能性もあるが。

 行動しない後悔より行動して失敗する方が、のちのちの後悔は少ないものだ。

 

 王都までの道はほぼ1本道。

 途中に立ち寄れる村や街もあるので、もし食べ物が不足した時はそこで買えばいいだろう。

 

 村から出る前に短刀を確認する。

 刃こぼれなどまったくなく、一度も使われていないようだ。


 来る途中も強い魔物には出会ったりしなかったが、今回は1人だ。

 どこでどんな魔物に遭遇するかわからない緊張感を持っていこう。


 傘を持って行くかどうか悩んだが雨は体力をかなり奪ってしまう。

 邪魔にはなるが持っていくことにする。


 一度部屋の中を見渡す。特に盗まれるものはない。

 まだ戻ってこられるように頑張ろう。

 

 そして俺は王都へ向け走り出した。空には厚い雲がおおっていた。


 村をでてからしばらくすると、雨がぽつりぽつりと降りだしてきた。

 こっちの世界にきて初めて傘が傘として役に立つ。今までずっと雨も降らなかったので必要がなかった。


 本来なら傘としての役割だけではなく、もっと別の役割もして欲しかったがそれは仕方がない。


 傘をさしてしばらく歩いていると頭の中に声が響く。


『水のマナを感知しました。生活魔法:水 を覚えますか』


 水のマナ? 水の魔力ってことだろうか? 俺は迷わず心の中ではいと答える。


『生活魔法:水 を覚えました』


 もしかして俺って魔法使い的なポジションだったのだろうか。傘ではなく杖みたいな。


 でも生活魔法ってかなり弱いイメージがある。


 俺はまわりに誰もいないのを確認して左手で傘をさしたまま、右手を前につきだし、


「生活魔法水よでよ」


 と大声で勢いよく叫んだ。こういうのは勢いが大事なんだ。多分。


 右手からはまったくといっていいほど反応がない。

 若干雨によって右手が濡れたくらいだ。


「はっ恥ずかしい」


 いい年齢のおっさんが水よでよとか道の真ん中で叫んでいるとか。

 元の世界の友達に見られたら恥ずかしくて一生ネタにされるレベルだ。


 攻略本が欲しくなってきた。攻略本じゃなくてもいいから、初期の取り扱い説明みたいなもの。レベルあげのしかたとか。どうすれば強くなれるのかとか。

 

 俺の右手は何か封印でもされているのかとまじまじと見るがいつもと同じ右手だった。

 なんとかウォーターとか言い方が違うのか?


 これならどうせ使えないと思ってもニコバアに魔法のことを聞いておけばよかった。

 薬草系の知識しかつけていなかったからな。


 ふと、前方を見ると傘から落ちてくる水の量と、降ってきている雨の量に差があることに気が付く。


「あれ? これって」


 傘を下にむけてみると傘からドバドバと水が流れでていた。


「おぉ! これぞ異世界!」

 

 感動で大声で叫んでしまった。俺の傘は生活魔法:水を覚えたらしい。

 試しに水を止まれと思うと水はとまる。


 今度は言葉にださずに念じて見ると、念じるだけで水がでてくる。

 これは無詠唱ってやつだな。


 傘を開いた時と閉じた時では水のでる量が違ったりしていたが、生活魔法っていうだけあって、ドバドバでてるのがチョロチョロでている違いだった。

 

 いずれは水の刃! みたいなのに憧れるがまずは魔法を覚えられたというだけでも嬉しい。


 この傘は水のマナを感じることで生活魔法を覚えたということは……。

 俺は姫からもらったポーションをとりだし、傘にまんべんなくポーションをかける。

 ポーションにマナがあるかわからないが、もしあれば回復薬か回復魔法が覚えられるかも知れない。

 

 無駄になったら……ポーションをかけてもダメってことがわかっただけでも成長だろう。

 だが、俺のそんな考えも杞憂に終わる。


『生活魔法:最低ランクポーションを覚えました』


 先ほどと同じ音声が頭の中に流れる。ついに俺の時代がやってきた。


 俺はそのまま調子にのって、生活魔法:土、風、石を覚えた。

 火はさすがに燃やすことに抵抗があるので保留にしておいた。


 俺は持っていた空瓶にポーションを入れ実際に飲んでみる。 


 身体から疲労感が抜け元気になった。これ疲労がポンと抜けるやばい薬とかじゃないよな?

 依存症とかあったら怖い。


 俺は姫を探すためポーションを飲みながら街道を走りだす。

 少しでも早く王都へ行くために。

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小説家になろうで連載中の『テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件』が宝島社様より書籍化しました。2020/3/12 発売予定です。 こちらも応援よろしくお願い致します。 テイマー養成学校 最弱だった俺の従魔が最強の相棒だった件
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