シンデレラを見てしまった話
今回は執筆期間中、いちばん暗黒面に堕ちた時の話です。
なんと!この爆死エッセイがかつてないほどの好評をいただき、日刊ランキング6位まで来ました!いいんですか、そんな事して?と思いつつ、ウキウキドキドキワクワクです。ちなみに、今回は過去の話なので暗いです。
短編が連続して爆死したため、私の気分は絶賛降下中であった。そうして、やけくそでこのエッセイを書いた。宣伝効果なんてないのはわかっている。ただ、ちらっと
『小説より、このレベルの底辺の話の方が需要があるんじゃないかな……』と思ったのだ。
何せ書いた文字数は20万字弱。マイナーでもない天下の異世界恋愛カテゴリ。完結作品がある。短編も、連載中の作品もある。その上で底辺なのだ。ちょろっと書いてすぐ挫折した人々を覗くと、これは大分下の方だ。
『100ポイントの壁、とはこんなに厚いものなのか……』
おそるおそる「お嬢様〜」のページを覗いてみると、感想をくれた上に評価をつけてくれた方がいて、またもや私は救われた。今は36ポイントである。どう見てもこのエッセイの効果だ。いつもありがとうございます。
『私、めちゃくちゃ才能ないんじゃないかな……』
当時、と言ってもまだ今週だが。
さすがの私もそう思った。まだ懲りていないので筆を折る気はまったくないのだが。
『初期ブーストでランキングに載るためには、もともとの知名度や固定の読者が必要』
よく言われている事だ。新人が、いきなりランキング入りするなんて滅多にない。初心者はとにかく書け。そして完結させろ。書き続けていればいつかは評価される。私はまだそれを信じている。しかし、こうも思う。
『ランキングには一作目から上位に食い込んでいる作者が多数いるじゃないか』
私には、それにまつわる悲しい体験がひとつある。
それは某日。私は自分のアクセス解析を眺めていた。
『しかし、こんな低ポイントの作品をわざわざ読むなんて奇特な人たちだなあ〜』
たまにひょいっとアクセスが30とか50になる時があり、いわゆる「スコッパー」が私の所に来ているのだろうと思われた。
『読者もすなるスコップといふものを、夏子もしてみむとてするなり』
私も『スコップ』をする事にした。よく『テンプレを外しているから低ポイントだけど、面白い』とオススメされているものがあるではないか。
そうして私は、新着ランキングで投稿されたばかりの小説を見つけた。
評価は0。ブクマも0。産まれたてホヤホヤの、真新しい小説である。タイトルで決めたのは言うまでもない。やはりタイトルは大事だ。
『どれどれ〜』
私はその小説を一気に読んだ。
『えっ、面白いじゃん』
私はその作品がすぐに気に入った。作者ページに飛び、他の作品を見た。話数も評価も少ないものばかりだったが、そのどれもが好ましかった。
これがスコップの醍醐味……! 私は5:5の評価を入れて、感想を書こうと思った。
まっさらな雪原に、足跡をつけてやるぜイエーイ!!
その時は、心からそう思った。しかし、ボタンを押す時、手が止まった。
『一番最初に評価をつけるのは、負けた様で悔しい』
そう思ってしまったのだ。こんなど底辺で負けるも何もなく、完膚なきまでに敗北しているのだが、その躊躇いが評価を止めさせた。
『あ……あとで、巡回し終わって、そうしたら改めてポイントを入れよう』
そうしてそのページを離れ、時間を開けてまたその作品にアクセスした。
……沢山のポイントが入っていた。その小説は、あっと言う間にランキングを駆け上がって行った。
知名度や実績がなくたって、本当にいいものは誰かに見つけてもらえるのだ。これで、またもや自分の小説がすっげーつまらないだけ、と言う事が実証されてしまった。
『なろうでは不正なポイント稼ぎが横行している』
『ランキング上位は書籍化作家ばかり』
『タイトルとあらすじで初期ブーストしても、すぐに落ちる』
ある意味では本当かもしれない。でも私は本物のシンデレラを見てしまった。
自分のあまりの器の小ささにさすがにショックだったが、気を取り直し、また執筆に取り掛かった。
ちなみに、このエッセイによって元気が出た私は放置していた「傾国のシンデレラ」のあらすじを変更し、連載を再開したが前回500だったPVは100前後まで減った。
『あらすじを変えろ、とはよく言われるが悪い方に転ずる時もある』と言う事だ。同じ人間が書いているから仕方がないのだが。
こんな惨めな過去がありますが、私はまだまだ元気です。次回は『ランキングに載ったらどうなるのか』を書きます。
次回からまた明るく行きたいと思います。




