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10月雑記⑤すっげーエッセイ(上)

 そろそろ語ることがなくなってきたので(なぜなら連載がまだ書きおわらないので)どうしてこのエッセイをずっと続けているのか? と言う話をしたいと思います。


 最初はただ単純に、構われたくて始めたわけですが。


 ※構われる、と言うのはコミュニケーションではなく一方的によしよしホメホメされたいと言う意味です


 今までもちょこちょこ明言はしていたのですが、大まかに「恥を晒すことに慣れる」「文章を書く練習」と最後に「共感してくれる誰かに向けて」と言うのがあります。



 匿名さんが宇宙のどこかに載せているこのエッセイの紹介文を載せます。え? 人の書いた文章で文字数を稼ぐな? まあそう言わずに読んでくださいよ、自慢したいので。


 ◇◆◇

 ● 出会い

 エッセイジャンルにハマるきっかけになった作品。

 レビューから来たのは覚えているがどうやってレビューにたどりついたのかは忘れた(レビュー投稿日時的に一覧から見たわけではない)。

 当時の私はなろう攻略に励んでいたため、レビューの一文に惹かれたのだと思う。

 >評価される小説を書くには? どうすればもっと皆に見てもらえる? 等々、悩める作家の頭の中を輪切りにしたような逸品となっている。


 というわけで読みはじめ……。

 あまりの面白さに、なろう攻略を忘れた。


 ● 第1話のインパクトがすごい

 いまでこそ「私の書いた小説がすっげーつまらない……と思いきや」というタイトルだが、当時はド直球タイトル「私の書いた小説がすっげーつまらない」。

 で、第1話のタイトルと冒頭がまた秀逸。

 以下に引用。


 第1話のタイトル

 >多分このエッセイもすっげーつまらない


 冒頭

 >タイトルの通りである。私は底辺なろう作家。名前は上に書いてある。


 うーんなろうのレイアウトがないと引用してもいまいち感動が伝わらないのでURLから飛んでご確認ください。

 『吾輩は猫である』のパロディなのかオリジナルなのか微妙なラインの出だし! 初心者だった私は「名前は上に……?」となったりした(なろうでは作品の1行目にタイトルと作者名が出る)。


「すっげー」とかくだけた単語をタイトルに使っておいて、1行目から文豪の風格。

 しかも名乗らない。

 ふてぶてしすぎません? どう考えても大物です。


 そして語られている、「読まれていないわけではないのに反応がない」という状況。

 サラッと書いてあるけどめっちゃ悲しい。

 当時の私も感想0だったので同じでした。


 この先達にいったい何が起きたのだろう。

 そう思って私は先を読み進めた。


 ● 第2~18話 なんでこれで底辺なの????

 私がこのエッセイを発見したとき、投稿されていたのは18話までだった。

 そこには辺野さんがどんな作品を書いてきたか、PVやポイントを得るためにどのような工夫をしたか、にもかかわらずなぜ底辺を脱出できなかったのか…の分析が書かれていた。


 それを読んだ私の感想:

「どうしてこんなに読みやすく面白い文章を書いていて、自己分析もできている人が、底辺なんだ????」

 この疑問にはエッセイの中で辺野さんご本人が答えを出されている。


 第5話「テンプレの偉大さ」

 >最初はひたすら村で生活する場面が続く。私は冒険者とか内政ものの序盤が好きなので、この部分が長い事に自分では違和感を感じなかった。(略)

 >しかし、読んでいる方からすると「どうすんのこれ?」感が強いのだと思う。(略)

 >作者はこの後の展開も、キャラの裏事情も全て知っている。だから退屈でも普通に読んでいられる。でも、そこに読者との埋まらないギャップがある。


 な、なるほどー。


 >46話のうち30話ぐらいを日常のほのぼので消費した結果だろう。


 30/46……!?!?

 想像以上だったぜ。


 エッセイをある程度読んでから辺野さんの作品を読んでみた……。

 私はエッセイの分析が真実であったことを知った。


 しかしやっぱりエッセイは面白いのである。たぶんエッセイなので、「この一話で書く話」が決まっているからなのだろう。

 ときどき挟まれるダークだったりビターだったりな思い出(0ポイントの面白い小説を見つけたらその小説がランキングを駆けあがっていったとか、同人誌を作ったとか売り子をしたとか)も、とても気持ちがわかった。


 このエッセイの勢いで小説を書いたら、ウケると思うんだけどなぁ~。


 私はそう思いつつ、そんなことを本人に伝えても困るかな~と感想は書かなかった。


 その次の作品で、辺野さんはランキングを駆けあがり、異世界恋愛の月間入りした。

 1万字ちょいの中にエッセイの勢いとシュール、コメディをちりばめた、旬ジャンル「悪役令嬢もの」だった。


 ● 第19~36話 底辺作家じゃなくなった辺野さん

「辺野さんが私の大好きな悪役令嬢を書いた!! しかもすっげー面白い!!」

 私はめちゃくちゃ嬉しかった。なろうで初めての感想を書いた。「いきなり感想書いてびっくりされないかな…」とか夫氏に相談しているうちに他の人が感想を書きはじめたので、慌てて書いた。


 その作品が「島流しにされましてよ(https://t.co/k9XOyChqwB)」である。


 いろんな人が言ってるけどこれもタイトルが秀逸ですね。

 悪役令嬢でサクッと読めてほのぼのでシュールでかわいくて家族!愛!って感じで、好きなものが全部詰まっていた。

 この作品はランキングを駆けあがっていき、異世界恋愛の月間ランキングでトップ10入りした。

 あーやっぱりねー!!やっぱりねー!!と思った。


 しかしいいことばかりではなかった。

 エッセイ20話以降を読んでもらえばわかるのだが、この駆けあがりはそれまで「底辺作家」だった辺野さんには変化が激しすぎた。

 いまこのエッセイのために読み返してたら泣きそうになったもん。


 24話「やっぱ完結ブーストって神だわ……と思っているうちに宇宙に旅立った話」

 >ありとあらゆる事が、百倍ぐらいのスピードで進行している。

 >受け入れられた。報われた。成果が出た。祝福された。褒められた。

 >悪いことなんて、何も起きてない。

 >でも、この時、私はちっとも幸せな気持ちではなかった。


 当時このエッセイを読んで、私はつらくなって動揺した。

 なぜならそこに書かれていたのは、以前にランキングを駆けあがったときの私の姿だったからだ…。

 自己評価以上の評価をいただき、とんでもねぇプレッシャーに晒された結果、私はほとんどご飯を食べられない状態にまで落ち込んだので、辺野さんもそうなのかな!?と思ってめちゃくちゃ心配した。


 同時に、辺野さんのすごさをあらためて感じた。

 ランキング駆けあがってメンタルブレイクしそうになってる自分のことをエッセイに書けるってすごくない??

 私は「つらい…つらい…」って愚痴っているだけだった。

 私が「いつか自分の体験をエッセイに書いてみたいなー」と思ったのはこのときだった(で、実際に書いてみた結果やっぱりあんなに赤裸々に書けねぇよ?という結論に達して投稿をやめたのでやっぱり辺野さんはすごい)。


 しばらくしてエッセイのタイトルに「……と思いきや」が加わり、一応テンションは元に戻ったみたいだった。


 その後も創作の裏側を赤裸々に語りつづけていて、不真面目に見えそうな部分もあるのだけれど、キャラとして許され愛されている。

 といいつつ常にエッセイのネタを探しているところを見ると、なんだかんだサービス精神旺盛な方なのだと感じるのですが、どうでしょう。


 このエッセイは、底辺作家の嘆きと、ランキング作家の苦しみを両方味わえる、稀有な内容です。

 しかしそれ以上に、辺野さんのなんともいえない魅力に憑りつかれ、お気に入りユーザ登録してしまうこと間違いなしの引力を持っています。

 ぜひ読んでみてください(と、紹介文っぽい文章で〆るけどこれ紹介文じゃなかったなぁ)。


 ◇◆◇


 以上です。次回はこの文章を読んで、私が思った事などを書いていきたいと思います。

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