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10月雑記④悲劇(喜劇)は突然やってくる

「あ……後何話なんだ? さっぱりわからん」


 週末。私は頭を抱えていた。突然の引き延ばしムーブメントから一点、またもや急展開に逆戻り。ちょっとエピソードの配分ペースがおかしいんじゃないでしょうかねえ……。


 1500字になったり、4000字になったり…セリフが連続したり、突然ポエってみたり。とにもかくにも安定しないのである。


「とりあえず最終回から書こう」


 私はそう考えた。今更調べることもないが、多分最後から書く創作スタイルは世界のどっかにあるはずである。締めの言葉を悩むのだから、先に着地点を決めておけばあきらめもつくと言うものだ。


「おっ? なんか意外と書けるな」


 そう。小説で難しいのは人間が喋っているシーン。何か事件が起きている時は……説明すればいいのだ。多分。


「最終回はこんな感じでいいか」


 全く書ける気がしなかったシーンを、後から思いついて書けるとすっきりする。


「おっ、こんなのあったのか〜」と河原や海辺でお気に入りの石を拾った時のような気持ちになる。


「よし、この調子なら来週中にはなんとかなる」



 悲劇は突然やってくる。


「あー目がしょぼしょぼするなあ。コンタクト汚れてる、視界がぼやけるなー」


 しかし、それはよくある話である。ワンデーコンタクトを洗って再利用する私が不衛生なのである。


 ※多分やってる人そんなにいないと思うけど絶対にやらない方がいいですよ


「うわ、乾燥しすぎてコンタクトが目から浮いてる……外すか」


 深夜。私はコンタクトを外した。流石にその使い古したコンタクトは捨てた。


「あー、いたたたたた。目薬させば良かった」


 コンタクト使用者にはわかると思うが、乾いているときにコンタクトを外すとしみる時がある。しかし、それはすぐ治る。そう思っていた。


「あーいたたたたた……」


 目を閉じる。涙が出てくる。数分経っても治らない。


「……これやばいかもな……」


 昔々、大学でコンタクトデビューした私は一度コンタクトの不適切な使用で目が真っ赤に充血し「角膜に小さい傷がついている」と診断されたことがある。


 やばい、もしかしてまたそれか!?


 とりあえず寝よう…寝たらよくなってるかもだし……と速攻で就寝する事にした。



 午前6時に目が覚めた。起きた瞬間から目が痛い。


 治ってない。むしろ悪化している。充血はそこまでない。目やにもない。しかし、涙が止まらない。目がゴロゴロする。


 痛い!!!!太陽が目にしみる!!!!


 不幸中の幸い。その日は休みだった。しかし朝の6時。病院がやっているはずもない。


 目が開かない。ぶっちゃけ開けてても閉じてても対して変わらない。


 身内を叩き起こし、緊急外来受付何ちゃらみたいなところに電話をかけてもらう。24時間対応の近所の病院をお知らせしてくれるのだそうだ。


 しかしどこにかけても「いま先生がいなくて、9時から」なのである。大学病院は順番待ちなので近所に行った方がいいと言われる。


 24時間診療の意味ってなんだろう。いや、わかる。これは救急ではない。大至急かと言うと、医療的には「全くそうではない」ことぐらいわかる。


 去年の夏、職場で救急車を呼んだ時もそうだった。運が悪いと119に電話すら繋がらないのである。こっちが緊急でも、用事がある人はみんな緊急なので結局のところ順番待ちなのだ。


 そのことについて怒ったりするつもりはない。しかし目が痛い。涙が止まらない。


 地下鉄で二駅先のところに8時からやっている眼科があるらしい。目が開かないのでタクシーを呼んでもらう。人間一人では生きていけないし、病気の時はそれが顕著である。


 タクシーに乗っている間、ずっと「痛いよ〜」と言い続ける。これがゲームだったらステータス異常が3つぐらいついてる。


 痛みが激しくなると思わず目を閉じてしまうのだが、再びまぶたを開く時、「んぱっ」とするのだ。


 明らかに角膜に異常がある。


 身内は「小説のネタになるよ」と私を慰めようとした。なるわけないだろ。エッセイのネタにしかならんわ。


 よろよろしながら眼科に行く。ちなみに東京に来てから初めて「医者の家系」とか「周辺一帯を支配している創業者一族」みたいなものの存在を知った。つまりそんな感じの大きな眼科である。


 中はすでに10人ぐらいの人がいた。8時だぞ?


 泣きながら受付に行って、泣きながら問診票を書く。初診なので。


「辺野さん、検査しますよー」

「目が痛いんですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよー」

(空気かけられたら嫌だな……でも眼科の人が言うんだから仕方ないか)


 ぷしゅっ(目の検査をする時に空気かけられるやつ)


「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 めちゃくちゃ痛かったので普通に叫んでしまった。正確には「ぎゃっ!」ぐらいで済んでいるが。


 ごめんなさい、そんなに痛いとは思わなくて……と言われ、検査をパスして診察される。泣きながら壁伝いに診察室まで行くと、にこやかなおばちゃん看護師がいた。


「目に麻酔さしますね♪」


 下瞼をちょいっと引っ張って、え?ぐらいの速さで目薬をさす。全く痛くない。すごい。


「あっすごい。全然痛くない !!麻酔すごい効く !!一瞬で効く !!すごい !!」


「ふふっ。色つけるやつ入れますね♪」


 麻酔すげー。ガン末期でモルヒネ打たれるとか、こんな感じなんだろうか? 薬中がクスリをキメた時もこのような開放感を得られるのだろうか?


 麻酔めっちゃ効く。医学……すご!!


 とにかく麻酔はすごいのである。痛みから解放され、ぶっちゃけ給料日より嬉しい。


「傷はついてないですね」

「え、じゃあなんですか」


「酸素不足です」


 黒目の表面がこうなっちゃうのよねー。女医はこともなげにそう告げた。


「……?」


 酸素不足? それだけ、ただそれだけでこんな酷い目に合うのか。眼科的には大した症状ではないだろうと言うのはわかり切っていたが、酸素不足って……怪我ですらないじゃん……。


「ドライアイですか?」

「うーん、それとは違うかな」


 これはドライアイではないらしいが、まあ原理は同じだろう。


 目薬を処方してもらう。


「麻酔は出してあげられないんだけどね。まあ、一日で治るから」

「麻酔はどのくらい効くんですかっ!?」


「20分」


 20分かあ……。しかし、病は気からとも言う。酸素不足がはっきりし、麻酔で一時的にでも痛みから解放されたことで、私は普通に持ち直すのではないか? てか、20分経った後も持続すると信じる。


 目薬をもらう。「ヒアルロン酸」と書いてある。


 ……これただのヒアルロン酸だ。てことは、ヒアルロン酸って本当に肌にいいんだな。



 家に帰っても別によくならない。ちなみに麻酔はマジで20分で切れた。麻酔一回一万円と言われたら、普通に払ってしまうだろう。


 温めるといいとネットで見たのでアイマスクを乗せる。いい感じになり、1時間ちょっと眠ることができた。ドライアイにはホットアイマスク。


 涙が止まった。朝が100としたら、65ぐらいまで回復している。しかしまだ違和感はある。モニターは眩しい。ネットする気にならない。


 モニターは眩しいんですよ、皆さん。これ本当に目に悪いよ。スマホの明るさが睡眠に悪影響〜とか「またまた〜w」って思ってたけどこれ絶対影響あるわ。


 目薬をさし、夕方ぐらいにはほぼほぼ復活。やばい、本当に一日で治った。医者すご。しかしやはりテンションは下がっているので執筆は捗らなかった。


 現代人の皆さん、目は大事にしてください。目がダメだと何もできません。



 まとめ


 ◆コンタクトは帰宅したらすぐ外せ

 ◆ホットアイマスクは疲れ目に効く

 ◆普段ドライアイじゃなくても目が痛くなる時はなる


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― 新着の感想 ―
[一言] あの、感想じゃなくて申し訳ないのですが、目について一情報を。 角膜の最内側に、ある細胞が存在するのですが(角膜内皮細胞)、コンタクトレンズを長期使用したり、汚れたものを装着することで、角膜が…
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