7月雑記⑪立ち止まるとき
私はだんだん情熱を失い始めた。飽きとも言えるし、はっきりと壁の存在を感じたとも言える。
長く創作を続けられるかどうかの分水嶺。テンプレがどう、文章力がどうのこうの以前にまず「この状況に耐えられるか?」と言うのでふるいにかけられるのだろう。
連載を続けて完結させられる。この時点で書き始めた人の7割ぐらいが脱落するんじゃないだろうか。その後に、文章力とか構成力などのダイレクトに知性が関わるハードルがあって、最後に感性、すなわちセンスの壁がやってくる。
まあ、まだ普通に根気ないし情熱でなんとかなるフェーズなのは前々からわかっている。努力が足りない、経験が足りない、根気が足りない。やればいい。やればいいのだが……。
基本雑魚なのである。受験も、大学生活も、就職活動も、就職してからも、私は基本ずっとふざけていた。夏休みの宿題を未提出、大学の講義をサポる、レポートをコピペする、出勤は3分前。そのような人間が一年弱小説を書き続けたのだ。そりゃなんかもう、結構頑張ったんじゃね? ぐらいの気持ちになる。
色んな事があったが……私はまあ……まだ書いてはいた。実際、7月末の段階で「あと5話ぐらいで終わるから……頑張ろ」と思っていた。
※実際に書いてみたらあと20話ぐらいあった
今これを書くと「バカじゃねwwwwwww」と思われるかもしれないが、
「1ヶ月以内に完結させればワンチャン完結ブーストでもっといい月間順位いけるかもわからん……!!」
と思っていた。この時は16500ぐらいのポイントで、月間17位ぐらい。ちょっと前なら可能性がなくもなかったのだが……。
その時の月間ボーダー28000ぐらい。無理。
私がインフレしてる、それすなわち皆インフレしてんのよね。終了。
その他にも私生活のあれこれが重なり、私は週末休もうと決めた。
それが致命傷だった。私は冷静になった…いや、冷却された。急速に冷えていった。
そしてやる気は死んだ。他サイト(名前を出していいのかわからんのでぼかすが)に後追いで投稿して、それはランキングの上位に行った。向こうは初心者に優しいシステムっぽい。
一瞬「なんだ無名でもいけると言うことは、私も捨てたもんじゃないかもしれないな」と思った……が、とにかく疲れてきた。
書かなければいけないのはわかっている。
初期の頃、Twitterで必ず完結させますね、と書いたらいいねが来た。本人に尋ねた事はないが、きっと100ポイントにも満たない時にブクマしてくれた人なのだろう。少なくともその約束は守らないといけないなあと思う。
私を見ていてくれ……!とは思うものの、かといって再び筆を取るほどの気力はなく……。
最初の方にも書いたけれど「これは伸びそうだな」と言うのが数字でも、感覚でもわかるようになってくるし、いくつかサンプルを集めて、それは確信に変わりつつあった。
純文学で今年間一位の作品がある。結構な話題作だったので、読んだ人もいると思う。私はそれを投稿初日に見た。フォロワーのおすすめと言うのを抜きにしても(そもそも私は基本人の意見を聞かないタイプなので)その作品は「良かった」。
Webで読んでも目が滑らず、ピタッと吸い付くのが良い文章だと思う。
自分ができていないのにこんな事を言うのは何だが、合うか合わないかは五行ぐらい読めばわかる。何なら作品読まなくてもTwitterを見るだけでいい。
作者としては「最後まで読んで判断してよ」と言いたいのはやまやまだし私も言うが、読者視点の私はシビアだ。
これが評価されないわけがない。私は件の作品がてっぺんを取る事を確信した。そして現実は想像を超えて、その作品は一月ほどで年間の首位に躍り出た。
私は私の見る目を信頼してよいし、私が良いと思うものは大体の人がいいと感じる。
良いものを書いていれば、しかるべきタイミングで評価される。
じゃあ、私の作品は? わからない。
あまり良いとは思えない。満足できない。かと言って、そこまで悪いとも思えないし、あんまりそれを言うと応援してくれる人に失礼だろう。
書き終わったら、後から「こうすればよかった」とすっと冷静になれるのはわかっているし、きっと大抵の人は書くのに大変な思いをしている。
わかっている。大体のことは、もう初めっからわかっているのだ。理屈じゃない。自分だけが停滞しているように感じる。頭が重く、全く筆が進まない……。
まとめ
Q:つまり何?
A:甘え
来週も平日更新。次回から8月編




