7月雑記⑧連載から短編に人を誘導するわよ
別に作家になりたい訳ではない。単純に「これなら自分にも書けるのでは」と思った、それを証明したいだけ、口だけじゃなくてほんのちょっとデキる自分を見せたかっただけ……。
挑戦して得られるリターンと、自分の満足度が剥離していく。閉塞感がものすごい。きっと、もっと一気にポイントを取れていたら、承認の気持ちの方が強くなっていたかもしれない。
より良い創作をするための産みの苦しみというより、ギャーギャー騒いで悲劇のヒロインぶるムーブメントの方に目的がすり変わりつつある。こういう所がマジの凡人だなと思う所以である。
……と言うのはここまでにして、そろそろ役に立ちそうな情報を書いていこう。
最近気がついたことがある。
◆連載の序盤より後半の方が執筆カロリーが高い
これだ。え? そんなの知っている? それならあなたは「完結させた事がある人」に違いない。同じ文字数でも、完結させるためには序盤より大きなパワーを必要とする。書き散らすだけではあんまり成長しないのである。うむ。
後半になるにつれ効率は半分以下にまで落ちていく感覚だ。短編や数話完結の作品がどれだけメンタルによろしいかが身にしみる。
7月の4連休前。連載「巻き戻り悪役令嬢の空回りする愛情」の前半部分が終了しそうなので、ここで短編を投下することにした。
いや、確かこの時は前の名前で、私はどうにもこれが気に入っていなかった。
①四連休のアクセスを見込めそうな時期に前半を終了させる
②タイトルを変える(説明的なタイトルで回収できそうな読者はあらかた集め終えたと思うので)
③集客力があるうちにウケなさそうな短編を載せる
この三つの作戦を並行して行うことにした。
短編のタイトルは『天使は言った。悪役令嬢あれ』である。
これは今までとはちょっと趣を変えた、意欲作であった。ウケる……とはあまり思わないが「それでも私はこれが好きだよ」と言えるようになったのは、わりかし進歩である。
しかし、意欲があるとか意識を変えてみたとか、読者にはあまり関係がないのである!
投稿したときのアクセスが31ぐらい? 2時間めは63ぐらいまで落ち込んだので、その時点で私は敗北を確信した。
全く訴求効果がない。だめだこりゃ。私の連続ランキング入り記録もおしまいである、と思った。おっかしーなー、私は好きなんだけど。
連載の後書きに短編の事を書いてみると、3時間で650程度のアクセスがあった。この数字は、普通に短編を投稿しても獲得できない場合もある、ぐらいの結構な水準である。
新着短編からはすでに流れているだろうに、である。この時の連載のPVは更新時3000ぐらいだった。少なくとも1割ぐらいの人がわざわざマイページを経由してやってきてくれた計算になる。
つまりそれはお気に入りユーザーではなくて、連載を読んでいる人が「ちょっとみてみっか」と思ってくれたのである。親切すぎてびっくりした。
最初に固定ポイントが200ちょっと入って、次の更新でランキング入りが確定した。
そこからはほとんど伸びなかった。他の作品のことはあまり知らないが、短編が日間ランキングの39位まで上がって1000ポイント行かないってのは、なかなかレアなことではないのかな。
つまりは、基本的に「普通にしていたら絶対にランキングに食いこまない作品」なのだ。
正しい意味でのチートである。固定客、宣伝チート。
もはやこれはズルの領域ではないのか?とすら思う。以前のバブルの時もそうだが、やはり知名度と言うか、宣伝力は大事なのである。(まあ、もちろんノー知名度でも一発逆転の目があることは、今更説明をする必要もないことではあるが)
私は好きなんだけどね。連載とのダブルスタートにこれを選ばなくて心底良かったと思うばかりである。いや私は好きだけど。
※「ちょっとハイコンテクストすぎるのかもね」との言葉をいただき、「ハイコンテクストってなんだ……?」と思って調べたのはいい思い出である。今時って「ググれカス」って伝わらないらしいですね。
まとめ
◆連載からの誘導は効果がある
◆普通にやってランキングに入らないものを無理やり乗せても伸びない
◆短編はやはり初動である程度の結果が分かる
◆好き勝手なものを書いてもウケないってのはマジである。




