テンプレの偉大さ
1話が短いので、サクサク更新します。
悪かった事。それは単純にエッセイのタイトルにもある通り、つまらなかったのだと思う。その言い方は乱暴すぎるので、少し真剣に考えてみた。
・世界観が分かりにくい
前にも述べた様に、「氷娘とひきこもりの雪男」の舞台はロシアをモデルにした異世界だ。精霊を信仰する北国のとある村に、スケート靴を履いたままのヒロインが現れる。主人公は異文化に戸惑いながらも、自分の唯一の特技「フィギュアスケート」を披露する事で村人との交流を深めて行く。
この様な構成なので、最初はひたすら村で生活する場面が続く。私は冒険者とか内政ものの序盤が好きなので、この部分が長い事に自分では違和感を感じなかった。
生活基盤がしっかりしていないのに、恋愛なんかしている場合じゃねえ。まずは元の世界に戻る方法を探すのが普通だ、そんな持論があった。
しかし、読んでいる方からすると「どうすんのこれ?」感が強いのだと思う。その点婚約破棄ものは開始一行で婚約破棄をしている。すでに事件が起きているのだ。これはすごい。
「やり直し、逆行もの」と言われる作品も、最初に「死亡フラグを回避する」と明確な目標があった上で、その準備のための日常パートが描かれている。
私の書いた小説は、事件も起きず、目標もなく、ただ村の中をうろうろしているだけだ。
作者はこの後の展開も、キャラの裏事情も全て知っている。だから退屈でも普通に読んでいられる。でも、そこに読者との埋まらないギャップがある。
高ポイントの作品であれば、序盤がつまらなくても評価を信じて読み進める人もいるだろう。しかし低ポイントの作品を我慢して最後まで読んでくれる方は少ないと思う。いや実際に少ない。
解析を見ると、どこかの段階でガクッとアクセスが減っているのではなくじわりじわりと脱落して行っている。46話のうち30話ぐらいを日常のほのぼので消費した結果だろう。
テンプレならばこんなちんたらした事をしなくても、似た世界観を共有しているので、すぐ本題に入る事ができるし、説明不足だったとしても読者の方で「こんなもんかな」と勝手に解釈してくれる。
オリジナルの世界観だと、もはや読者は「設定について考えるのがめんどくさい」となる。読者の時の私がそうだ。買った本だったら頑張って読む。品質が保証されているし、金銭が発生しているから。でもここは「小説家になろう」だ。即ブラバ、永遠にさようなら。
『1話が説明臭いのはダメ』
『どんなに話数を重ねても、新しい読者は最初の3万字を読む』
『ブックマークが伸びなかったら、1話を手直しする』
よく言われている事だが、私はこのセオリーを全部無視した上でテンプレから外した。そりゃ人気出ませんわ。