やっぱ完結ブーストって神だわ……と思っているうちに宇宙に旅立った話
中途半端な長さだったので一つにまとめました。状況について行けなさすぎて精神が衰弱し始める話です
今となっては覚えていないけれど、確か完結した瞬間は224か226ポイントだったと思う。
正直ここから先の事はほとんど覚えておらず、記録もあまりとっていなかったので時系列がわかりません……。
◇◇◇
帰宅し、そわそわしながらアクセスを確認する。
1時間で、1日分のPVがつく。完結ブーストの威力はやはりすごい。トップに掲載されている時間が全然違うのだ。
18時。ブクマ114件、696ポイント。ブクマ100を超えた。500ポイントを超えた。
【祝・底辺脱出!】
これで胸を張ってエッセイに報告できる。やっぱり、人気タグに魂を売って正解だった。
それに、入る。日間ランキングに、入る。エッセイ以外で、やっと!
テンプレの力を借りてだけれど、当面の目標をクリアできて私はとても嬉しかった。そのうちランキングの更新の時間が来た。その時は758ポイント。
正直言って、この時点ですでに、現実感を感じられなくなっていた。
『21位』
こんなに上の順位なの、と驚いた。自分の妄想では、70位くらいだと思っていたのだ。
しばらく、小説情報のページを更新する時間が続いた。1時間で150ポイントぐらい増えていく。ポイントのインフレが凄すぎて、だんだん訳が分からなくなってくる。
「なんで?」
だって、つい数時間前まで100ポイントを貰う事にすら苦戦していたのだ。10倍界王拳どころの騒ぎじゃない。上位陣はこの光景が日常茶飯事かもしれないが、私は数時間前まで底辺作家だったのだ。
私は何も変わっていないのに、タグが違うだけでこんなにも違うのか、とぼんやり思う。
この日は、まあ、普通に眠る事ができた。ランキングのエグさをまだ知らなかったので。
翌日月曜日。3位になっている。3位て。銅メダルもらえるじゃん。
正直、この順位が限界だろう、と思った。
確かこの日は3500ポイントぐらいになっていたと思う。5000までいったらキリがいいので、そこまでは行くといいなあ……と思っていた。
仕事中もどんどん評価が増えていった。
付箋に書いたメモが残っている。4654、5292、5684……あっさりと、非現実的な数字だと思っていた5000を超えた。
帰宅して、次の連載を投稿する。以前も書いたが、間がいいのか悪いのか、自分に「4月は毎日1回更新する」と言う目標を課していたからだ。さすがに宣言した手前いきなりサボり出すのはまずい。
次は比較的真面目な話だ。異世界転移もので、婚約破棄もざまぁも追放も悪役令嬢も入っていない。
だから、『島流し』ほど注目されないであろう事はわかりきっている。それは、最初からわかっている。
覚えていないけれど、確か新作のブクマは4件か6件だったと思う。それも、『島流し』効果があってのこと。
最初の1日でブクマが数件つくなんて、以前の自分からは考えられないこと。手帳を開き、記録を辿る。『12月22日。7話まで更新。ブクマ0』『23日。15話。ブクマ3』
『25日。ブクマ7になりました。めでたい』
便乗商法と言ってしまえばそれだけだが、確実に認知度は上がっている。
今まで箸にも棒にもかからなかった、他の作品たちも読まれ始めた。全ての作品のPVが10倍以上になる。『ランキング連鎖ブースト』と言うやつだ。自分がこれを実感する日が来るとは思わなかった。
そうとう人を選ぶ作品であろう『タピれない〜』の方は二つともポイントが上昇し始めた。
男性向け優位な現実恋愛のジャンルで、女主人公で電波なストーリーであるにもかかわらず評価が増えたのは意外だった。
ブクマが増える。「氷娘」を連載していた時、滅多に貰う事ができないものだと思っていた評価10点が、ポンポンと入り出した。
ありとあらゆる事が、百倍ぐらいのスピードで進行している。
受け入れられた。報われた。成果が出た。祝福された。褒められた。
悪いことなんて、何も起きてない。
でも、この時、私はちっとも幸せな気持ちではなかった。




