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燃える桜3


 右腕がなくなったのに、悪いことが起きた気もなく、

狐につままれた心地でぽこぽこと家に帰る。玄関の扉を

開ける時に、右手でノブを回す。

 「あらら…。見えないだけで、右腕あったみたい」


 もう、春の日差しが入りこむ正午に、ご飯も食べずに

ぼけっとしていた。

 「木の幹。化け物の桜、燃やされない代わりに…呪い。」


 不可視になった右腕の謎を考察してみる必要があった。



*****************************************


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