[オリジナル][ローファンタジー][バカ話]語られない物語断章~勝ち取れ~
ちょっと読みにくいと思います。すみません。
副題:あたしらの流儀
白魔道士のお陰で魔界に町ができて、産業や交易も盛んに。
魔王領では価値の無かった鉱石が人間界ではとても人気だったりした。
景気がいいせいで殺し合いも少なくなり魔界は落ち着きを取り戻しているという。
人間界では気の合う商人と出会ったことによって利益の適正化。手続きの簡素化などが図られ、だんだん村規模ではなくなり、街、自由区を形成し始めた。
ここまでになると、他の国からの横槍が心配ではある。
だが、白魔道士に抜かりは無かった。
一定額の税を収めることを条件に自治権を購入したのである。
もともとは寒村であり、勝手に反映した村、かつ、白魔道士は自分の権利を行使して国に圧力を掛けたのである。
条件が飲めないなら、お前のところから徒弟を取らないよーと。
全ギルドから、毎日陳情を受けては国もたまったものではない。
しかも、もとは寒村。白魔道士がいるから、職人の街が出来たのであって、別に場所にこだわる理由があるとは思えない。
国は折れた。
税額が決まった次の日にはギルドを大拡張した。
戦士の部屋に備え付けられた椅子に勝手に座り、魔法使いが紅茶を一口飲んでいた。
おもむろに戦士を見つめると、彼女はこう言う。
あんた、人形に妻の座を取られるかもよ?
どういうこと?
あんまり構ってやらないと、白魔道士なら、ホムンクルスとか作っちゃうと思うよ?
あれなら浮気に当たらないだろうしね
その前に魔王と子供作っちゃったりして
まさかー
普通の村人Aならあり得ないんだけどね。
白魔道士ならありえない話じゃないでしょ?
じゃ、あんたんところはどうなのよ?
うち?超円満よ。旦那は物理、私は魔法でお互いを補いあってるしねー。
ある意味理想形よ。
だからこそ、あんたらに幸せになってほしいと思う。
やけに強く押すわね。
んー。私と勇者はアンタ達に当てられて付き合いだしたわけだし、あんたら見てんのがもどかしくてね。
もうくっついてるんだし、もう少し正面から、向き合ってあげれば?
お姉さんの立場から降りて寄り添ってみるのも必要よ?
くっ、年下に諭されるこの屈辱感。
そうね。でも人生の先輩にはなれそうよ?
なんのこと?
勇者の子供がね。出来たの。
ホント?おめでとう。
まだ実感ないけどね。お腹が大きくなるのも先だし。まだ勇者にすら話してないし。
でも話さなくても喜んでくれるだろうことは確信してる。
子供っていうかすがいが私と勇者をより強く結びつけてくれる、そう思うと、嬉しさが込み上げてくる。
そういった感慨を経て、人生の先輩としては思うわけですよ。
子供を作れ、と。
方法なんて問う必要はない。
既成事実を、確かな結晶をこの手につかめ、と。
「なんか、白魔道士を手込にしろといわれてる気がしてきた……」
「あいつがいいなら、それもありじゃない?既存の愛の形にこだわる必要なんてない」
あたし等、異邦人だからね。繋がりがないとフラフラしちゃう。
だから、大地に根を張るために家を創る。
私はここにいると、大声で叫んでやる。
おー。
んでまぁ、あんたたちの番だけど、早く子供を作ってくれないと私たちも困るのよ
なんで?
見せつけてるみたいじゃない。
あ、
たぶん、ギルドの人たちもマスターの嫁さんがいつまで断っても子供ができないと、旦那が種無しとか。
あんたが産まず女とかいわれちゃうよ?
アンタが地固めしないと周りが安心できないのよ。
いいこと言ってるけれど、本音は?
グズグズしてたら、気軽に白魔道士を借りれないじゃない!
開き直ったな。
魔物の脅威が去った以上、勇者パーティである必要はない。過剰戦力が必要とされる機会なんて訪れないほうがいい。
私と勇者でだした結論は。
白魔道士のところで雇って貰う……事にした!
見も蓋もないね。
そうだけどね。白魔道士ブランドからはもう離れられないのよねー
あ、これは勇者も同意見。
まー、それはさておき、
帰らないと決めて、結婚までして、今更否やは許さない。腹を括って受け止めてやんなよ。
でないと、ここまで頑張ってくれた白魔道士に失礼だよ。
だんだんオバサン入ってきたね。
離婚させて、白魔道士の仲人でもするかな。
言っとくけど、超がつく優良物件だからね。
しかも重婚可能。
一回離したら、あんたの手には戻ってこないと思うよ?
(まー、あの白魔道士が戦士の手を離すことなんて有り得ないけどねー。ここは脅しておかないと。)
望んだ幸せが目の前にあるのに躊躇するな。
勝ち取れ。
あたし等。戦闘職はそうやって生きてきたはずだろ?
夫婦間のことですから、お二人で解決してくださいね(´з`)y-~