酒場にて
無能なクソガキが、もう2、3人くらい仲間が欲しいと言うので。
とりあえず、酒場に行く事にした。
なんでも、そういう所にたむろってる連中もいるそうだ。
まあそうだな、いくら俺が天才戦士でも、役立たずのクソガキと二人では仕方ない。
だいいち、ロープレなんだから魔法使いがいないと格好がつかないな。
「いらっしゃいませ~、踊るミカン亭へようこそ~!」
「あの、パーティメンバーを募集してるんですけど。
この酒場に、そういった人たちはいますか?」
「そうね、あの奥の席にいる三人組も仲間を探してたわね。
彼らと話をしてみなさい」
「ありがとうございます」
うわっ…
いちいち店員に礼言うとか、ひくわー。
恥ずかしくないのかね?
どうせモブだぜアイツら。
キャラと人間の区別がつかないなんて、コミュ障かこいつ?
「あの、こんにちは。
ええと、パーティメンバーを募集してるんですけども」
「チャオ!君はジャポネーゼかい?
ボク、日本大好きだよ!
アニメ、ロボット、怪獣!
イチロー・ミズキとかサイコーだね!
あ、ボクはルイジ・サントリヨ。
こっちの二人は、トニー・スゥとマリオン・モリソン。
ちなみに、職業はみんなレンジャーさ!」
「ども~」「へろ~」
はあ?
ダメだこいつら、魔法使いいねえじゃねえか。
「みんな日本の特撮ヒーロー好きで気があってね!
そしたらさ、レンジャーの最上級職で面白いのがあってさ」
「『エレメンジャー』ですね、わかります!
あれ、ぜったい戦隊ヒーローを意識してますよね!」
「そ、そ!
五色の精霊戦士に変身して、色かぶり無しの3人以上で合体攻撃とか熱いよな!」
「最強技が『五霊合神セイレイオー(巨大ロボ召喚)』ってのも、絶対狙ってるよね!」
「で、レンジャーなら前衛もできるしって事で、三人ともレンジャーにしたんだ」
「ま、さすがに最初から三人とも同じでは行き詰まりそうだから。
まずボクは、技術系スキル伸ばしのスローナイフ(投擲)装備で後衛役。
トニーがレザーグラブ(拳)装備で、本命のグラップラー路線(レンジジャー→グラップラー→エレメンジャー)
マリオンは、スキルPは貯めといて、マチェット(手斧)とレザーシールドで前衛役さ」
なんか、キモオタ話とか始まったし。
こんなアホどもじゃなく、ちゃんとした魔法使い探せよ。
「それでも、一人くらいちゃんとした後衛職が欲しくてね」
「あ、僕、バードなんです」
「い~ね!い~ね!
やっぱ、知識職いるかいないかだと違うからね」
「そうすっとあれだね。
最初のクエストは、討伐系よりも探索系の方が良いよね」
「定番だけど、これなんかどうよ?」
【奴隷密輸商人のアジト探索】
成功経験 100点
成功報酬 500G
「あ~、奴隷商人とか、初期クエストの定番ですね~」
「いったい、どんだけの数いんだって話だよな」
「今回のこれは、獣人の子供がさらわれて密売されてるって話だね」
獣人の奴隷?
それってあれじゃん!
助けたら、ヒロインになるやつだろ!
ふふふ、ようやく俺の真の力を発揮できる展開になって来たようだ。
俺の大活躍で、華麗にヒロインを救い出してやるぜ!
キャラクター・シート
名前 ルイジ・サントリヨ Lv.1
職業 レンジャー Lv.1
習得スキル 所持スキルP 0
探索+1
開錠+1
食糧確保 Lv.1
武器
右 スローナイフ
左 ウッドシールド
防具
1 ソフトレザーアーマー
2 レザーグローブ
3 レザーブーツ
雑貨
鍵開けツール
サバイバルキット
ザイル(20メートル)
ポーション×3
保存食(3日分)