運命
「お、おい。お前誰だよ!」と少し焦って言った。
彼女は首を傾げて「誰って神界の案内人だよ〜」と顔を膨らませて怒っていた。
「いや、そうじゃなくて…名前を聞いてるんだよ!」
すると彼女は笑いを堪えた様にして「うん。知ってるよ。だって私心読めるんだよ!ところで私の名前だけどクリスティーヌ•ソシャザ•クリセって言うんだ。クリセって呼んでね。」と可愛らしくアイドル並みのポーズをしながら言った。
「ぁ、ちょっと!後ろ後ろ!きてるってー!」と目の前にいる僕に対して慌てた様子で叫んでいた。
え?何が?
ガリ。 いってぇ。完全に白狼のこと忘れてた。
だからって会話中に喰らうのは無しだろ。クソがよ!FPSで鍛えたこの力見せてやるよ!と自信満々にマシンガンを手に取り白狼に銃口を向けた。
ドドドドドド
「これはすげーや。ゲームとは比べ物にならない位楽しいぜ」
だが、銃の反動によるものなのか、照準が定まっていなかった。しかし幸い筋力補助的な何かがされているのか銃の反動によって自分自身までもが吹き飛ばされることはなかった。
「ちょっと!聞いてるの?そんなに撃ったら…」
ドサッ。僕の意識が遠のいていく。そして最後に見えた光景は白狼が口を大きく開けているところだった。
結局現世でも神界でも。そうか。これが僕の運命なんだな…