1/3
ある夜
僕は月を眺めていた。
澄み渡った夕闇。
輝く月を、ただ、ただ、眺めていた。
「ちょっとティッシュとか買ってくるか。」
僕はそうつぶやくと、家を出ていつものドラックストアへ歩いていた。
歩いている途中、道には人だかりができていた。
何かあったのだろうかと覗いてみると、どうもちょっとした事故があったらしい。
周りの人の話では、怪我人とかはなかったようだ。
それを聞いてほっとしつつ、僕はまた目的の場所へと向かった。
「いらっしゃいませー。」
いつも行くドラックストア。
半年ほど前に入った女の子の元気な掛け声を聞きつつ、
僕は目当ての物を探し始めた。
大体の物はすぐに見つけられたのだが、どうも欲しいシャンプーが見つからない。
「この前まではあったのになぁ。」
長い間同じ物を使っていると、こんなことがよくある。
なかなか踏ん切りがつかずに悩みに悩んで別なものを手に取ると、
会計を済ませて自宅へと向かった。