帰ろう。
【Twitter企画5作目】
「笑うしかないわ!」
電車の中で声が響いた。
くそ。だから言いたくなかったんだ。
「ん?どうした?くやしいか?あははは!」
はぁ。なんで俺はコイツに話しちゃったんだろう。
「まぁまぁ、そんな顔をするな!私をこうして笑わせてくれるお前の様な人材はなかなか少ない。私は感謝してるぞ!」
「はいはい。それはもうずっと前から聞いてるよ。俺だってアンタに助けられてるんだ。おあいこだろ?」
すると俺の隣に座っている彼女は俺に笑顔を向けた。
「あははは!そうだったな!そう。これでおあいこ、というやつだったなお前は。しかし私は感謝してる。お前のお陰で私は今でもこうして平和に暮らしていけている訳だしな。そんな事はないとお前は言うかもしれないが、しかし、私はそう思っているし、これからもそう思っていく。だからたとえお前が私を捨てて出ていっても私はずっとお前を見守ってずっと助けていく。それが私の役割だからな」
また始まった。なんでこんなにコイツは俺を守るとか言うんだろう。こんな俺にコイツの人生を無駄にしてしまっていいのか。コイツはそんな役割になってしまって公開していないのだろうか。
「だからわかったって。ていうか、アンタはその役割りはいつでも変更できるんだぜ?なのになんでずっと俺の隣にいるんだよ。てか、あれだってただの偶然にアンタが勝手に俺の手柄ってしてるだけで実際俺は何もしてねーよ」
「ふむ。まぁ、確かにそうだが、しかしそれでいいのだ。」
俺はコイツのこういうところがすこし苦手だ。ほんとはすべて分かっているのに見ないふりをする。見てないふりをして自分に都合のいいようにしてる。世界が自分ひとりだけに作られた物語の舞台と思ってる。まったく救いようがないよ。
「で?一体この電車はどこに向かってるんだ?まさか私を騙して人気の無いところに連れ込んで、、、的なことをするのか?」
はぁ?
「なんだよそれ。俺はそんな事しねーっての。これからも行く、っていうか帰るの。家に」
「あぁ、そうだったな!私としたことが、忘れていた!」
「はいはい」
「む?どうした?機嫌が悪いのか?ふむぅ、、、。下ネタでも言うか?」
「なんでだよ!」
「いや、言ったら元気になると思ってな」
「はぁ!?」
「いや、だから」
「言うな!よし。もういいよ。」
「お、確かにそうだな。もう元気になったようだ!」
無視した。もうめんどくさい。
あ、もう少しだな。
「もう着くぞ」
「そうか。わかったぞ!」
駅に着いた。俺たちは開いたドアから降りた。
駅から出るとすぐに俺たちに日差しが襲った。
これまで無かった影が伸びる。
そこにあった影はひとつだった。
『じゃあ、帰ろうか』
『そうだな!』
どうも!ミーケんです!
これまでの短編を振り返ってみると僕の書く短編はほとんどがバッドエンドな気がしますね。笑
これからは頑張ってハッピーエンドをつくれるようにしていきます。
たぶん無理ですけど。。。
では!また明日会いましょう!