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BBC-黒い血の狩人  作者: 栗木下
第一章:学園にやってきた狩人

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第13話「適性検査-3」

属性解析(アナライズ)

「おお……」

 スキープ先生の言葉と同時に、俺の血を含む触媒が注ぎ込まれた金属製の盤が色取り取りの光で輝きだす。


「ふむ、出てきたな」

 そうして一分ほど経った頃、盤全体の輝きが収まり始める。

 だが、盤全ての輝きが収まったわけでは無く、一部の紋章は輝き続けている。

 そして輝いている紋章……赤い紋章からは炎が、黒い紋章からは黒い煙のようなものが出てきている。

 紫色の紋章は……輝いているが、何も出て来ていない。

 炎と黒い煙の周囲と同じようにその上の空気は揺らいでいるが、それ以外に何かが起きているようには見えない。

 どういう事だろうか?


「スキープ先生、結果は?」

「そうだな。とりあえずメダルを」

「あ、はい」

 やがて紋章の輝きが収まると共に、炎と煙も消え去って行く。

 恐らくは紋章魔法の効力が切れたのだろう。

 それに合わせて、スキープ先生は盤から俺のメダルを取り外す。


「名前が……それにこれは?」

 俺は受け取ったメダルの裏面を見る。

 そこには俺の名前と、三種類のマークが刻まれている。


「それは君の適性検査の結果だ。ティタン・ボースミス、君には火・闇・妖属性の紋章魔法を扱う適性がある」

「火に闇に……妖?」

 スキープ先生の言葉に俺は首を傾ける。

 火と闇は分かる。

 先程、赤い紋章から炎が、黒い紋章からは黒い煙のようなものが出て来ていたからだ。

 たぶん、あの黒い煙が闇属性の基礎の紋章魔法なのだろう。

 だが妖属性?

 ソウソーさんも使えると言っていたが……一体どういう属性なのだろうか?

 俺は聞いたこともない。


「ああ、そうか。そう言えば君は紋章魔法についてさほど詳しくないのだったな。まあ、詳しい事は……」

「この後図書館に行って、紋章魔法の基礎について書かれている本を借りる予定です。それと、どの属性でも基礎なら俺たちで教えられます」

「そうか、なら問題ないな」

 が、どうやら詳しい説明は後に回すらしい。

 うーん……気になる。

 気になるが……まあ、今は話を進めるべきだろう。


「では、図書館に行く前に注意事項を言っておこう」

「注意事項?」

 スキープ先生は一度頷いてから、口を開く。


「まず一つ目。この検査で分かるのは、適性があるか否かだけだ。その適性がどれほどの物であるかまでは分からない」

「……。赤い紋章から大きな炎が出ようと、小さな炎が出ようと、火属性に適性がある事しか分からない。大きな炎が出た人の方がより才能があるとは限らない。と言う事ですか」

「その通りだ」

 俺の言葉にスキープ先生は肯定の頷きを返してくる。

 なるほど、これは言われておかないと、勘違いしてしまいそうだ。


「二つ目。適性が無いと言うのは、習得がしづらいというだけの話であり、習得できないと言うわけでは無い」

「……。つまり俺でも水属性や地属性の紋章魔法を使える可能性は十分にあると言う事ですね」

「その通りだ。ただし、適性がある火・闇・妖属性よりも習得は難しい」

 適性が無くても紋章魔法を使える可能性はある……か。

 けれど少し考えてみれば当然の事かもしれない。

 もしも適性が無ければその属性の紋章魔法は使えないとなったら、今みたいに各属性の魔法を紋章魔法と言う一つの形にまとめる事は出来なかったかもしれない。

 ただそれでも、こうして言ってもらえると、希望を持てる気がする。


「三つ目。箒星の神が微笑むのは、努力を怠らぬ者、研鑽を絶やさぬ者、探求を諦めぬ者に対してのみだ。どれほど優れた適性があろうと、磨かなければ何にもならない。よく覚えておきたまえ」

「はい」

 修練を積み続けろ。

 これはある意味当然と言えば当然だろう。

 俺の弓だって一朝一夕で上手くなったものでないし、山についての知識や、爺ちゃんに習った技術だって長い時間をかけて磨いて来たものだ。

 俺は爺ちゃんほどの狩人ではないけれど、それでもいっぱしの狩人であると言う自覚と誇りぐらいはある。

 そして誇りがあるからこそ、俺は今でも修練を積み続けているし、出来る事の範囲を広げるために今ここに居るのだ。

 だからこれは言われるまでもない事である。


「まあ、頑張ったところで微笑んでくれるとは限らないのが箒星の神なんだがな」

「あー……」

「悪人にも平気で手を貸すような事もある神だしな」

「んー……まあ、そう言う神ですよね」

「まあ、神頼みはするなと言うことだ」

「奇跡は起こらないから奇跡とも言う」

「ですね」

 ただ、何処か呆れた様子で言われたスキープ先生とクリムさんの言葉には、俺も頬を掻きながら同意を示す他なかった。

 実際、俺よりよほど腕がいいのに獲物に恵まれない狩人の話も聞くし、努力が必ずしも報われないのがこの世界である。

 と言うか、努力が必ず報われるのなら、あの時生き残るのは俺ではなく爺ちゃんの筈なのだ。

 なので、箒星の神にはただ見守ってくれていればそれで十分ですと言う他ない。

 変に手出しをされて、変に微笑まれても酷い目にあいそうだ。


「さて、注意事項はこれで終わりだ」

 話はこれで終わりらしい。

 スキープ先生が立ち上がるのに合わせて、俺とクリムさんも立ち上がる。


「今日はありがとうございました」

「お世話になりました」

「研鑽を忘れない様にな」

「はい」

 そして一度頭を下げた後、俺とクリムさんは検査室を後にした。

各属性の詳しい説明については追々です

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― 新着の感想 ―
お母様の性格が周知されてるw
[一言] 変に手出しをされて、変に微笑まれても酷い目にあいそうだ。 ダイスの女神と似たような扱い方されてるな箒星の神
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