訪れた知らない人~2~(side美香)
学校帰りで普通に歩いてたら、周りから煙が立って…ここにいたんだ。どうして私はここにいるの…というか、ここどこ。見たこともない。あと、この四人は誰。ほんとに何も知らない。
「とりあえず…君は誰?どこの魔国の人?」
ま、魔国?なにそれ…
「私は美香っていうの。魔国って、国のこと?私の国は日本だけど…」
「なあ、咲良…俺らの授業でさ、日本って習わなかった?確か、人間界の…」
「あ、習った。人間界のかなり有名な国だよね。てことは…あなた人間?」
何言ってるの、この人達。皆人間でしょ?
「そうだよ。私は人間だけど…貴方達は人間じゃないの?」
「まさか、本当に人間が存在しているとは…僕らは魔法使いと魔女だよ。」
魔法使いと魔女…?
「ふふっ…ははははっ。なに、私に魔女と魔法使いを信じろとでもいうんですか?同じぐらいの年代なのに…馬鹿にしないでください。」
「馬鹿になんかしてない!本当にわたし達は魔法が使えるんだって。見ててね。」
「ちょっと待て、玲奈。お前、ちゃんと魔法使えないだろ。見ててください…
水の精霊よ、俺に力を。」
え、あ、ちょっと待って…手の上で丸い水がある。ほんとに、魔法が使えてる?ほんとに、ここは魔法を使えるところなの?整理できない。ほんとにここは魔法界?っていうとこなの?
あぁ。気がおかしくなりそう…
「美香さん、大体理解できました?ここは現夢界と言って、魔法が使えるところです。美香さんは、わたし達の手違いによって、ここに来てしまいました。本当にすいません。」
とにかく、このことを受け入れるしかない。ということね。
「なんとなくわかった…というか、まずは自己紹介からしていきませんか?このままでは、名前も呼べません。それに敬語もやめましょう。言いにくいです。パッと見た感じ、皆同じぐらいの年齢ですし。」
「そうだね。敬語はやめよう!」
「じゃあ、私から…さっきも言ったけど、美香です。中学生です。あ、ここに中学生ってあるのかな…」
「中学生?あ、ここには学校はあるよ。私は玲奈。得意な魔法は火の魔法で、この四人の中では一番魔法が下手なんだけど、頑張ってます!」
「私は咲良っていいます。得意な魔法は植物の魔法です。人間さんがいるとは思っていなかったけど、会えて嬉しい!」
「植物の魔法なんてあるの?」
「ええ。
植物の精霊よ、私に力を貸して
これは私からのプレゼントということで。」
「マリーゴールド!私の好きな花だよ!」
「俺、言ってもいい?俺は流星です。得意な魔法は水で、玲奈とは小さい頃から知ってます。よろしく。」
「最後は僕だね。僕は冬希です。ここは僕の家なんだけど…君がここに来たのは僕のせいで…ごめんなさい。お兄ちゃんに相談して、絶対帰る方法を見つけるから、許してください」
「全然!気にしないで。というか、むしろありがとう。皆に会えたのは冬希君のおかげだよ。冬希君はお兄さんのこと、好きなの?」
「うん。好きだよ。僕より魔法が上手で、とっても優しいんだ。」
「いい、お兄さんだね。」
「ちょっと、お兄ちゃんに言ってくるね。」
「ねぇ、これからどうする?」
「この、現夢界だっけ?案内してよ。それで、もっと魔法見せて!」
そのとき、冬希君と冬希君のお兄さんが来た。
「初めまして。冬希の兄の颯治です。君が人間の美香さんだね。……いいネックレスしてるね。」
今、一瞬驚いた顔をしたような…
「ありがとうございます。これはおばあちゃんにもらった大事なものなんです。帰れる方法、頑張って探してくださいね。」
「あぁ。任しておいてくれ。」
「よし、じゃあ、案内しに行きますか!」
楽しい日々がおくれたらいいな。