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秘密の魔法  作者: ゆーら
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昔のお話。part2

俺が目を覚ましたのは病院のベッドだった。起きると、俺のお母さんと玲奈がベッドの脇にいた。玲奈は泣きながら俺に謝ってきた。そして、何故か答えたのはお母さんだった。お母さん、小さい頃から玲奈と仲いいからか、玲奈には甘い。そう、玲奈には…


玲奈が帰ったあと、俺はすっげぇ怒られた。まずは火の魔法を使うときは燃えにくいものを近くに置かないということ、そして、二つ目は玲奈を守れなかったこと。玲奈を守れなかったのはかなり自分でも落ち込んでいた。でも、それなりに守ったと思う。俺が目を覚ますのが遅かったのは、玲奈の上にかぶさるようにしていたら倒れた木が当たったからだ。今思っても小さい俺にとっては頑張ってたと思う。でも、お母さんには通用しない。こうして、沢山怒ったあと、仕事があるから帰った。


玲奈がまた戻ってきた。

「あのね、流星くん。今日のことは本当にごめん。これ、あげる。これで許して…」

今にも消えそうな声で玲奈が言う。もらったのは四葉のクローバーだ。

「これは?」

「四葉のクローバーだよ。持っていると幸せになれるんだって。」

「そんなのもらってもいいの?」

「私、もう一つ持ってるから。」

「そっか。ありがと!大事にするね。」

ちょうど、その時に玲奈の親が迎えに来た。そして玲奈は帰っていった。


俺ももう帰っていいよと言われて帰ろうとした時だった。

「ねえ!君!もう怪我は大丈夫なの?」

知らないお兄さんが声をかけてきた。

「えっと…誰?」

「え、あ、そっか。覚えてないよね。あの火を消した人だよ。」

「あ、お兄さんが消してくれたんですか!ありがとうございます。」

「いえいえ。君はまだそんなに魔法が使えないようだね。」

「そうです…。」

「小さい時は皆そうだよ。君はあの女の子が好きなの?」

女の子…玲奈のことか。

「うん。好きだよ。」

小さい時はこんなの普通に言えていた。

「そっか。じゃあ、あの子を守らないとだね。いいことを教えてあげよう。あの子はいずれ火の魔法が得意になるだろう。でも、力加減ができない…そこで、水の魔法でその火を消さなければならない。だから、君は水の魔法をたくさん練習しなさい」

「すごい!お兄さん。未来が見れるの?」

「んー…まあそんなとこかな。じゃあ、水の魔法をたくさん練習してね。」

僕は手の中にある、クローバーを見た。

「うん、僕、たっくさん水の魔法を練習する!」

「いい子だ。それじゃ、バイバイ!」

「バイバイ!お兄さん。」

俺はこの時に絶対玲奈を守れるぐらいに強くなる、とクローバーに誓ったんだ。


俺は水の魔法をたくさん練習した。1週間もすればかなり扱えるようになっていた。


そして、また玲奈と遊びに行くことになった。あの火で燃えてしまったところはお母さんが時の魔法で元に戻してくれた。

「あのね、玲奈ちゃん。僕ね、水の魔法が使えるようになったんだ。だから、もう火がついても大丈夫だよ。」

「そうなの!?流星君、すごいね。」

「ありがと。もういつ火の魔法使っても大丈夫だよ。」




あのお兄さんの言う通り、いつでも水の魔法を使えるようにほぼ毎日練習していたら、一番得意になってしまった。それは今でも変わらない。


玲奈を守る。この一心で俺は魔法の上達をしてきた。成績で上位をとってるのも元はといえばこの目標を達成するために頑張ってきたからだ。このクローバーは俺の人生を変えてくれたものだ。だから、このクローバーはかなり大切なものなのだ。


俺はこれを引き出しに戻して、片付けを再開した。




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