昔のお話part1(side流星)
俺は今、自分の部屋にいる。
自分の事になると散らかしてしまう。それで、部屋がすっげぇ汚い。親にも昨日、片付けするまで家から出さないという、理不尽なことも押し付けられてしまった…片付けするしかないか…いや、しないと殺される。俺の親、なにげに魔力強いからなぁ…
まず、何から手を付けよう。小物を引き出しに入れていくか。引き出しを開けるが引き出しの中が汚い。これじゃ、何も入れられないじゃないか…引き出しから片付けるか…
こんなとき、片付けの魔法があればいいな。そうだ、今度冬希に片付けの魔法あるか、聞いてみよう。あればいいな。
とにかく、今はこれを片付けないと。いらないと思ったら捨てる。それだけでもだいぶ片付いた。そして、奥から出てきたもの…四葉のクローバーのしおり。これは俺がしおりにしたものだ。このクローバーは、俺にとって、かなり大事なものだ。俺の人生を変えてくれた…
そうだな。あれはいつだろう。とにかく昔の話だ。俺と玲奈がとても小さい頃。前に戻った時ぐらい。
その日俺らは二人で公園で遊んでいた。ここはかなり人通りが少なくて、隠れ家みたいでよく来ていた。玲奈が手を振りあげて言った。
「ねえ!流星くん!見ててね。私、火の魔法が使えるようになったの!
火の精霊よ、私に力を貸せっ!」
幼くて、ほんとに簡単な魔法しかできなかった俺は、玲奈にも負けていた。その時は玲奈の方が魔法を使えていたのだ。
「すごいね、玲奈ちゃん。僕にも教えてよ!」
「うん!あっちで練習しよ!」
広いスペースがあるところで二人で練習していた。玲奈は何回もお手本として、火を出していた。それが間違いだったんだ…
何時間も練習していたら、なんとか、玲奈の火の威力には負けるが、なんとか、俺も火を出せるようになっていった。
「玲奈ちゃん、ありがと!僕も火の魔法使えるようになったよ。」
「よかったよかった。さすが私だね。最後に大きいの出してあげる!
火の精霊よ、私に力を貸せ…っっ!」
そのときの俺らには多きすぎる火が舞った。
「すごいね。じゃ、帰ろっか。」
帰ろうとしたとき、風が吹いた。そのとき、周りの木々が炎に包まれた。さっきの火が草についてしまっていて、火によって大きくなってしまったのた。円状に火は大きくなった。逃げ場所なんてどこにもない。どうすればいいんだ…
「りゅ、流星くん…怖いっ…」
「どうしよう…
み、み、水の精霊よ、僕に力を貸して!」
魔力が弱い俺は水を出せなかった。
何度も何度も試したが水が出ることなんてなかった。そのうち、俺と玲奈は酸欠で意識が遠くなっていった。最後に見たのは大きな男の人が水の魔法を使って、火を消そうとしている時だった。