時の魔法part1(side冬希)
「あのさ、昨日、部屋の片付けしてたら、小さい頃の写真でてきてさ、流星と私って小さい頃は可愛かったんだねー。」
何を言い出すと思えば…玲奈が笑いながら言った。
「玲奈ちゃんの小さい頃かぁ…見てみたいなぁ」
「僕も見てみたい!ついでに、流星の小さい頃もみたい!」
「俺の小さい頃はやめろよな。よく女の子に間違えられてた…」
「そうだったね。私と流星が買い物行ったら姉妹ですかなんて言われてたね。」
なにそれすごい見たい。
「見てみたい。」
「見たい!」
咲良と僕の意見がかぶった。
「んー…じゃあ、流星の代々魔法で昔に戻してもらおう」
こーゆーときだけは玲奈の頭がさえてるよな。
「えー…二人とも見たいの?」
「「うん!」」
「ほら、二人とも見たいって言ってるから、今回だけ!お願い!」
「…今回だけだからな」
なんだかんだで流星は優しい。
「流星が命じる。時の精霊よ、俺に力を恵め。俺と玲奈の時を戻せ」
玲奈と流星の周りに煙がたつ。しばらくすると煙がおさまった。そこにいたのは………小さい流星と玲奈。流星は少し機嫌が悪い。
「か、可愛い〜」
「えへへー。ありがと!お姉さん!」
「え?お姉さん…?流星君。記憶まで戻しちゃった?」
「俺にはそこまでの力はないはず…」
「成長したんじゃない?それにしても流星可愛いなぁ。」
頬をつつく。とても気持ちいい。ずっとしてると流星に怒られた。
「と、とりあえず、俺は戻る。
流星が命じる。時の精霊よ。俺に力を恵め。俺の体を元に戻せ」
…流星は元に戻った。可愛かったのに…もったいない。
「じゃあ、玲奈ちゃんも戻そ!もういっぱい可愛がったから十分です」
咲良の顔が幸せに満ち溢れている。
「だけど、流星、魔力残ってる?」
代々魔法はかなり魔力を使う。
「微妙。玲奈を戻すぐらいなら…」
「流星が命じる。時の精霊よ、俺に力を恵め。玲奈を元に戻せ。」
…たちまち煙が舞う。中にいたのは…もっと幼くなった玲奈だった。
「流星、お前相当疲れてるだろ。玲奈が幼くなってる。ちょっと休め。」
「か、か、か、可愛い!もう、玲奈ちゃん可愛すぎ!」
「うわぁぁぁぁぁん!」
咲良が抱っこした瞬間泣き出してしまった。強く抱きしめすぎだ。
「うわ。ごめんごめん。痛かったよね。ごめんね。泣き止んでー」
「ちょっと貸してみな。」
流星が抱く。あやしている。…手馴れてる…すると、すぐに泣きやんだ。というか、今にも寝そうな勢いだ。
「流星、お母さんみたい。」
「な…!妹がいるんだ。これぐらい…」…ふらっ
「流星…!」
魔力の使いすぎだ。体力もそれなりに消費しているだろう。
「ごめん。すぐ玲奈を戻すから…」
「流星くん。今やってもダメだよ。ちょっと休んでて。」
「でも…!…少しなら大丈夫か…1時間後、呼びに来て。」
「らじゃー。」
1時間…それまで二人で玲奈の面倒を見れるのだろうか…