訪れた知らない人~5~(side玲奈)
あれ?美香…どこ…
美香と一緒に寝てたはずなのに美香がいない。家中探したけどいない。どうしよう。ま、まずは流星に相談しないと。
「りゅーーせーーーいっ!!」
「うっせーな…どうしたんだよ」
「美香が、美香がいない!」
「そんなわけ無いだろ。」
「ほんとなんだって。たまには、私を信じて」
「とにかく、お前の家行くから待っといて。」
「うん。玄関開けに行く!」
「お前らが寝てた部屋どこ。」
「こっち!」
「この手紙なに?」
「え?手紙?なんだろう」
「封筒が黒い…ということは悪魔からか…」
「あ、悪魔?中は?」
「『美香は預かった。別に手を出す訳ではない。何もしなければ、だがな。返して欲しければ、悪魔界のロック城に来い。』ロック城…てことはアルか…めんどいことになったな。」
「ロック城?アル?わからないことが多すぎるよ。」
「お前、授業聞いてんのかよ…」
「ごめんなさい…」
「ロック城というのは、悪魔界にある小さい城なんだけど、そこに住む悪魔がアル。アルは中級悪魔でそれなりに強い。以上。」
「そんな…どうしよう…」
「まずは、咲良と冬希を呼びに行くか…」
「そうだね。」
「美香ちゃんがさらわれた?嘘でしょ…」
「誰か嘘つくかよ。」
「場所はロック城…早急に向かう準備をしよう。」
「いや、準備なんていい。俺らは何ができると言っても魔法だけだ。もういい。行くぞ。冬希、魔法頼む。」
「はいっ
移動する力よ、僕に力を!」
こうして、私達四人はロック城に移動した。
悪魔界は暗い。
「ちょっと待っててね。
玲奈が命じる。光の精霊よ、私に力を!」
光が灯る…はずだった。
「無理すんな。」
「ごめん…」
「玲奈ちゃんは代々魔法まだ使えないんだから…」
「しょうがないな…
火の精霊よ、僕に力を貸してください」
冬希が木に火を灯す。
「よし、進もう。」
私、力になれるかな…
足手まといにならないかな…
自然と足が止まる。
「おい、どうしたんだよ。行くぞ」
「ううん。私、ここで待っとく…」
「どうしたの玲奈ちゃん」
「私が行っても足手まといになるだけだよ。」
「僕だって水の魔法が使えません。でも、足りないところは補えばいいんですよ」
「私なんて何もできないんだよ。私だけが使える代々魔法だって…」
「玲奈ちゃんは火の魔法得意じゃない!」
「火の魔法なんて、誰だって使えるよ」
「お前らしくねぇな。お前の火の威力は異常だ。その異常がいいこと起こすよ。それに…お前が来ないと…困る…」
「そうだよ。玲奈ちゃんも大事な友達の一人なんだから、一緒に来てもらわないと。」
「本当に…行ってもいいの?」
「もちろん。というか、僕は君の火の魔法が必要な気がするんだ。」
「うん…じゃあついてく。何かあればほっといていいからね」
「誰がほっとくの。ありえないでしょ。」
「とにかく行くぞ。何が起こるかわからない。早めの方がいいだろう。」
「うん。ごめん。急ごう」
どうなるかわからないけど自分の実力を出すだけだよね