訪れた知らない人~3~(side颯治)
本当に人間が存在するなんて…
本で読んだこともあったし、話でも聞いていた。だけど、いつもただのおとぎ話だと思っていた。だけど、違ったんだ。
それよりも…
「もう出てきてもいいぞ。」
「あの子達は居なくなったのか?」
「あぁ。人間にこの世界を案内しに行った。」
「本当に人間がいたのか。」
そう言いながら出てきたのは悪魔のアル。こいつは俺の夢を叶えるとか言って、全然手伝ってくれねぇんだよなぁ…俺の夢は、世界征服。というか、この世界の一番偉いやつになって、俺のために働かせる。俺はかなり魔法が使えるからできるはずだ…なのに、なぜできない。
「あぁ。いた。それでな、お前が言ってた、水晶ってやつを人間が持ってた。」
「なに?水晶だと?お前、それを奪いにいけ。」
「わかってる…でも、簡単に渡すとは思えない。まずは作戦を立てないと…どうやってやるのが一番いいかな。」
水晶が手に入れば俺の願いを叶えてくれる。アルが約束してくれたことだ。アルが裏切ることはない。というか、こいつは俺に一回半殺しにされてるから裏切ったら、命がないことぐらいわかってるだろう。
「仲良くなってから奪うのはどうだ?」
「だめだ。あの四人が止めに来る。」
「実験に使うとか?」
「おばあちゃんの遺品だそうだ。絶対嫌がるだろう。」
「じゃあ、どうするんだ?」
「決まっているだろ。女の子には手を出したくなかったんだが、力づくしかないな。」
「女の子には手を出したくない?よく言うぜ。全世界の人間を自分の召使にしようとしているやつが。」
「まあ、その通りだな。さあ、作戦を立てよう。お前の力を借りると思うが、わかってるよな?」
「それぐらい、朝飯前だ。」
さて、どうやってあの水晶を奪うかな。
あけましておめでとうございます。もう2015年ですね。
新年一発目の投稿がこんなにブラックでもいいのかって思いながらの…まあしょうがない!笑
颯治くんの素性があらわれてきましたね。この『訪れた知らない人』を最後の話にしようかなと思ってます。もうネタが(´×ω×`)
こんな小説をここまで読んでくれてありがとうございます。あと少しですが、どうぞお楽しみに。