10月の陽だまり
例年に似合わず暖かい日差しに、君を思い出した。
君はまるで陽だまりというより太陽で。 嫌が応なしに人の季節を夏にする。
あいつは出来過ぎだと、誰かが言っていた。同時に羨ましいと、その人が言っていたのを君は知っている?
雨に自由に打たれ、狐の嫁入りだと笑いながら今君はどれだけ涙を流しているのだろう。僕らは誰一人それを知らなくて、知ることはできなくて、でも君は僕らの涙を僕らより知っている。なんだか不公平だ。君の哀しみは誰が受け止めるのだろう。僕らは全員受け止める気だけれど、君が休まる場所はどこだろう。
もしかするとそれはいつか現れる君の大切な人で、きっと君は笑いながら泣くのだろう。幸せだと、笑いながら泣くのだろう。そういう涙なら、僕らの出番はないね。思う存分泣いたらいい。
零れた雫は空を舞い、君ら二人を、僕ら全員を、必ずキラキラ輝かせる。
たとえるならば、そう。
太陽の涙のような眩しさで。