新たな地と老人
汽車に揺られて二時間、一同は目的地に着いた
「さて!着いた!ここは?」
「ふふん!ここは〜」
明神が前に出た
「明鳴よ!」
明鳴…
ここは明神の故郷で、小学校三年生の年まで住んでいた明神が忘れられない生まれ故郷だ。
明神は生まれもここ明鳴の出身で何度か帰省のように帰ることがあるのだとか。
「なはー!やっぱりいい!」
「な、なはーて…」
麗羅は少し引いている
と、
「おかえりなさいませ」
誰か来た
「誰だ?」
「ああ、紹介します。彼女は綺沙良、私の側近?と言っておきましょう」
「側近の!綺沙良です。」
めっちゃ強調してる
と、持っていた一つの宝玉が光った
紫色の玉だ
「ここにあるっぽいな」
「皆で探しましょう。」
「なんであんたが仕切ってんのよ!」
麗羅と明神が引っ張る回るの取っ組み合いになった
「な、なんて、、」
「れ、麗羅!」
「なんていい友達をお持ちに!」
綺沙良は少し嬉しさとちょっとした羨ましい目でその光景を見た。
それに連れて観衆がぞろぞろと集まってきた。
引き離す空歩と綺沙良
「コホン、じゃあ一旦この町を見て回ろう、明神、案内してくれるか?」
「任せてください!まずはコチラへ!」
一同、観光となった
「へー、趣深い町だな」
黒崇が感心した
「ふふん!そうでしょうそうでしょう!」
得意気な明神
それもそのはず、ここは明神の家の者が丹精込めて作り上げた町なのだから。
明神家は勿論、綺沙良の家の者、家臣、部下なんかも、まとめて一世一代掛けて作り上げた明鳴渾身の町、それを家のものが作ったとなれば得意気にならないはずもない。
「明神ちゃん!あれ何?」
鈴音は大きなお城を指さした
「大きなお城ー」
「あ、あれは」
そのお城からピーンと光が刺してきた
「楼良ちゃーーん!」
その光から老人が飛んできた!
「お!」
ドゴオオン!
飛んできた光をかわすとその光は鎮まり老人が目の当たりになっていった
「おじいちゃん!」
「おじいちゃん!?」
皆びっくりした
「ハーッハッハッハ!楼良ちゃん会いたかったぞ〜!」
「ねえ!ほんとにおじいちゃんなの!?」
「何を言うとるんじゃ!正真正銘じいちゃんじゃよ!」
「はい…おじいちゃんの…」
「重國じゃ!よろしくな!」
明神重國らしい
どこか雷夢のおじいちゃんに似た雰囲気の人物だ。
「たーはっはっは!」
「おじいちゃん!城から飛ばないでってあれ程言ってたのに!」
「あー!すまんすまん!たーっはっはっは!」
「元気なおじいちゃん」
鈴音がポロッと言った
「お!君は!」
「やぁ!おじいちゃん!ひさし…」
その言葉と同時くらいに頭をぐしゃっとわしゃわしゃされる風利奈
「たーっはっは!元気にしとったか!?風利奈!」
「ノー!わしゃわしゃやめてー!」
「たーっはっは!」
元気だなー
城中…
「なぬ?矢を集めている?なんかのとんちか?」
「違うのよ、おじいちゃん、実は…」
かくかくしかじか…
「なるほど?」
「それを探してるのよ、この島にもあるようなの」
「なるほど、もしかしてこれかい?」
「え!?」
空歩が持っていた宝玉が光を増した
「おじいさん!それだよ!」
「なるほどな、」
「おじいちゃん、それ渡してくれない?」
「うーむ」
顎に手を当てる重國
「ではこうしよう」
そう言うと空歩を指さした
「私と手合わせしなさい」
「なっ!」
「え!」
「……」
皆驚く中麗羅だけが腕を組んでおじいさんを睨んでいた
「空歩、多分この人…」
「ああ、只者じゃないな」
「ルールは拳と拳の一騎打ち、組手だ。どうかい?」
空歩は首をクキクキと鳴らしてから
「いいですよ」
と言った
城内、天守閣の広間にて
「ルールは先ほど言った通り、組手だ。足、手で相手を倒すか降参させたら勝ちだ」
「わかりました。」
「では…」
老人は構えた
「ふん!!」
夥しい量の雷を纏った
(烏間、雷武儀に似てる)
「ら、雷武儀!?」
雷夢が発した
「いえ、違うわ。あれはその上位にあたる技だろう、系統は似てるけど」
「神鳴武神じゃ」
「なるほど?なら…」
空歩も構えた
「ハッ!!」
空歩は龍人化した
「ほう?」
「多分、これがいい」
「では、合図頼むよ、楼良」
構えあった二人が睨み合う
「それでは…始め!」
火蓋が切って落とされた
「始めから全力でいく!」
老人が気を貯める
「はっ!」
瞬間の速さ、一瞬で間合いを詰めた
強烈な飛び上段蹴りを放つ
左腕で受ける空歩。
「…ハッ!」
空歩が顔面に拳を放つ。
パシッと受け止める老人。
右、左と拳の打ち合いが始まった
「ハッ!」
「ヤッ!」
空歩が上段左廻し蹴りを繰り出す
右腕で受ける老人
「雷掌!」
「おわ!」
両手で受け止める空歩
老人の連撃が始まる
脚、拳での連撃。
受け流すが、受け流すだけで電気が走りかなりの痛みが伝わる
(これは分が悪い!)
「ハッ!」
反撃に徹する
しかし、全て受け流される
「仕方ない…」
空歩は構えを変えた
(あれは…)
麗羅が勘づく
脇を締め、足は肩幅にし、感覚を狭めた
(龍人拳・組手の構え…)
「ハッ!」
空歩の右拳
受け止められる
しかし、透かさず左のフック
それも受け止められる
しかし、それが目的だ
拳を右、左と右往左往させ、ガードを緩めさせ相手に確実な一手を与える
徐々にガードが緩くなる
見逃さず拳の乱打
そこから空歩の反撃だ
加速させる拳
「雷武儀!」
龍人化からの重ねがけ雷武儀、効果は絶大だ
「あれは!雷武儀だ!」
雷夢が発した
「これで多分…」
「終わりだ!おじいさん!」
高速の拳と重さが相まってかなりのダメージ
「なはは!楽しいねぇ!」
老人はかなり消耗してるはずなのに笑顔で答えた
距離をとる空歩
「こんな楽しいのをこのままやめちゃうのは惜しいね」
老人はパシッと拳を手のひらに叩いた
「諸行無常…」
ゴゴゴゴゴと地響きを上げる地面
雷の化け物が現れた
「神鳴静帝」
「……」
「いやぁ、面白い!」
「確かに、です」
「心苦しいがこれでお開きとしよう」
「なら…」
空歩は龍人化を解く
「?」
「これで…!」
龍人化の力を拳一点に集めた
地鳴りがなる
そして天が唸る
「それが一番かい?」
「どうでしょう」
「ハハハハハッ!面白い!実に!!」
「そろそろ…」
「ああ、雷鳴!」
「龍進!」
空歩が突進した
「唐武!」
「龍人拳・」
技がぶつかる
「滅」
空歩の拳が勝った
ドゴオオン!
吹き飛ばされる重國
ソティが飛んだ
ピッと一本髪をとる
自分の指を切った
「龍人術・血成鎖」
血が鎖へと変貌した
その鎖が重國を捉えた。
「ふっ」
小さな体で引っ張って引き戻した
引き戻すと血はソティに戻って行った
「おじいちゃん大丈夫!?」
「かはっ!けほっ!たーっ!ははは!」
老人は続けた
「私の負けだ!!」
決着が着いた




