表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の掟  作者: 氣赦烙
学校が始まる
3/50

仕事の報告

次の日…

 朝早く支度をして玄関を出ると麗羅が待っていた。

二人は駅まで行って電車に乗った。


25分ほどで目的地、ホテルサンアワードに着いた。ホテルに着くとルミウスハウスのバーに向かった。そこに着くと少し暗く明かりが差していた。

 バーを見ると1つスタンドマイクが置いてあった。麗羅と空歩はハッとそのマイクに目がいった。直感で感じた、これが一閃だと。


 一閃を持つものは感覚的にそれが一閃なのかがわかる。

すると

「こらこら、子供が入っていい場所じゃないよ」

バーの店主が駆け寄ってきた。空歩はすぐに事情を話した。

「なるほどね、あれが大層な代物なのだとはね」

店主は腕組みしながら語った。

「あれはうちの目玉なんだ、おいそれと渡す訳にはいかんねぇ」

 店主はうーんと言いながら考えた

「よし、こうしよう。私をこれは良い歌だと感動させることができたら渡してやろう」

 空歩はゲッ、と声を漏らした。


 最初に空歩がそのスタンドマイクに向かって歌った。

…この世のものとは思えない程だった。

「ぬおおお!もういいもういい!」

歌が終わると店主はガクッと肩を落とした。

 空歩はしょんぼりしている。

次に麗羅が歌った。

 真逆でこの世のものとは思えない程絶世の歌声を披露した。店主は涙を流し感動した。

 歌が終わると

「ブラボー!」

 店主は拍手した。

「君!歌手にならないか!?」

近づいてきた店主の手を麗羅は払った

「そんな事いいから渡してよね」

軽くあしらった

 店主はハッと我に返った

「うむ、よろしい!お渡ししましょう。」

二人はよし!と小さくガッツポーズをした。

 店主はマイクを見ながら言った。

「このマイクは先代の店主から譲り受けた物です。倉庫に眠っていたものを掘り起こしたのだとか、最近では噂も広まりこのマイクは人気になりました。このマイクのおかげで繁盛したものです」

 店主はスタンドマイクを持って空歩に渡した

すると

「ギャーー!!」

…とうねり声がマイクから発された。スタンドマイクの、主と認めないという意思表明なのだろう。代わりに麗羅がスタンドマイクを受け取った。するとスタンドマイクから光がこぼれ落ちた。

どうやら麗羅の方がいいらしい。

 

 空歩は麗羅からスタンドマイクを一旦預かり、異次元ボックスにしまった。

店主が気を利かせて二人に

「なにか飲んでいくかね?酒は出せないが飲めるものなら出してあげよう」

「オレンジジュース!」

 麗羅は手を挙げて言った。

「りんごジュース」

 空歩は麗羅の勢いに圧倒されながらも言った


二人は街へ戻ると竜宮院本家へと向かった。

竜宮院の受付で話をしていると斎龍寺が現れた。

「お待ちしておりました。」

 部屋に案内され空歩と斎龍寺の二人になった。空歩は回収したスタンドマイクを異次元ボックスから取り出し、テーブルに置いた。斎龍寺はそれを確認すると

「こちらが今回の報酬です」

お金の入った封筒を渡された。


そして空歩は今回の事を話した。


「…なるほど」

「今回のように誰かの助けが必要になるかもしれない、そういう時に麗羅なんかを連れて行っても良いか?」

「ええ、構いませんよ」

 あっさり承諾された。

 空歩は封筒をカバンに入れた、すると斎龍寺は立ち上がった

「それでは今回の依頼は終了です。依頼、お疲れ様でした。またの機会にお会い出来ることを楽しみにしています」

 

受付に戻ると麗羅がソファに座っていた。空歩を見つけるとスクッと立ち上がった。

「話は終わったの?」

「ああ、終わったよ」

 空歩は上を見ながら喋った

「今回は麗羅のおかげで上手くいったからなにか奢らせてくれ。」

空歩は一丁前にカッコつけているのだろう。

「やった!じゃあパフェがいい!パフェ!」

空歩の腕をガシッと掴んだ

 そして麗羅は方向をショッピングモールへと向け、

言った

「それじゃあレッツゴー!」

そういうと二人はショッピングモールへ向かった。


パクッ

「ん〜!」

 麗羅は頬に手を添え、パフェを堪能している。

 二人はフードコートに来ていた。

 空歩はオムライスを食べている。

「今日は私の誕生日!」

訳のわからない事を言いながら舌鼓をしている。

 空歩はオムライスを食べながら言った。

「今日はありがとう。麗羅がいなかったら話がまとまらなかったよ」

「いいよ、それにしてもあんな一閃もあるんだね」

「うん、あれは廻木の組木細工を使ってるんだよ。ああいう風に木を細かく組み合わせて作るとまた別の物が出来上がるんだ。」

 ふーんと頷きながら麗羅は聞いていた。

「でも誰があんなの作ったんだろう?」

「…さぁ」

 誰が何のために作ったのか、考えれば考えるほど謎は深まる。空歩はそれに触れるのをやめたようだ。

「ねぇねぇ!次はあそこ寄ろうよ!」

 そういうと麗羅は雑貨屋を指さした。

「いいよ、今日はできる範囲で奢らせてもらうよ」

 二人は食べ終わると向かいの雑貨屋に向かった。

 雑貨屋で商品を見ていると麗羅は革製のポシェットを取った。

「これ買ってよ」

「うーん。いいよ、買ってあげる」

「やった!」

 空歩はポシェットを買ってあげた。

 空歩と麗羅は色々な場所へ行って、遊びつくした。


「今日はありがとう!」

 麗羅はたくさんのぬいぐるみを抱えていた。ゲームセンターでたくさんとったのだろう。

「いや、こちらこそ。助かったよ、ありがとう」

ちょっとヘトヘトな空歩、軽く奢るというのはやめようと思ったのであった。


そして二人はそれぞれ家に帰った


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ