空と龍人化とソティと文化祭
学校の帰り道…
麗羅と空歩とソティの三人で電車に乗っている
「ソティちゃん皆に人気ね」
「…」
ソティはみんなから貰った棒付き飴を舐めながら聞き流した
まだまだ警戒しているらしくあんまり口を聞かない
自宅に帰り、空歩はお風呂で頭を洗っていた
すると風呂場のドアが開いた
そこには裸のソティが立っていた
「…ん」
「……」
空歩は洗う手を止めてそちらの方を見た
ソティは空歩の膝にちょこんと座り、頭を洗われている。
(何だこの状況)
シャワーでソティの髪を流す空歩
湯船に二人で浸かる
(…)
「…」
「湯加減はどうだ?」
「……ん」
いいらしい
するとソティは空歩に抱きついた
「!?」
空歩が困惑していると
「ん…」
ギューッと強くなった
「今日は牛丼だぞ」
「…ん」
空歩はソティの頭を撫でてあげた
お風呂から出ると空歩はキンキンに冷えたコーヒー牛乳を腰に手を当てて、一気に飲んだ。
それを見たソティは真似をするように牛乳を腰に手を当てて飲んだ。
お母さんが料理を並べている。
今日は牛丼のようだ。
夕食を食べ終わると二人は一緒に寝た。
空歩は大の字でその隙間にソティが入っている形で一緒に寝ている。
次の日
空歩とソティは学校で勉強をしていた。
ソティはすごく勉強が出来た。
昼は一緒に昼食を食べている
ソティはいつも空歩の胡座の上にちょこんと座って、お弁当とみんなから頂いたお菓子をほうばっている。
昼食が終わると剣道場で軽く運動をしている。
軽くと言っても常人では目にも止まらない速さでの打ち合いだ。
いつも空歩と竹刀で打ち合っている。
帰り、今日空歩はバイトがある。
「ソティ、先帰っていてくれ」
ソティはコクリと頷いた
…バイトが終わり
「お疲れ様でした。」
空歩は店を出た
すると開けたすぐ横に体育座りしたソティにガンとあたった。
空歩はビックリした。
空歩を見つけるとソティはすくっと立ち上がった
「……ん」
ソティは空歩の袖を引っ張ると早く帰りたそうにしている。
「いつからいたんだ?」
空歩は少し笑いながらソティの頭を撫でた
「帰るぞ空」
ソティの中で空歩の事は空となっている。
そういうとガシッと腕を掴み足に力を貯めた
「ま、待て!ソティ!」
有無も言わさずソティは空歩を掴み飛んでった。
「電車で帰るからー!」
空歩は飛んでいきながら叫んでいた
帰ると二人は修行をしている
二人の修行は龍人拳と龍鱗の二つの技を使った組手が主だった
修行の末空歩はある境地へと辿り着いた。
これが、これなら!
空歩はそう思った
空歩はスっと目を閉じた
ソティは体育座りで座っている
空歩は力を貯めた、そして力が溢れていくのを感じながら力を込める。
すると白銀の光が空歩を包み空歩は見えなくなった。
そして次の瞬間その光は飛び散り空歩の体は変化していた。
ソティとは色が違く白銀色の光で覆われており体は一回り大きくなっていた
「空、それが龍人化」
ソティはそう言った
人の形を保ちながら龍の力をその身に纏わす
龍人化、成功だ。
「ではここからが本題」
ソティは龍人化した
そして始祖龍刀化一閃を取り出した
「この状態でその刀、使いこなしてみよ」
空歩は龍火一閃と烏間一閃を取り出して修行に励む。
…三時間が経った。
ソティは龍人化が解けぶっ倒れた
「ご、ご飯」
…何度も見た光景だった
空歩はソティを担いで異次元ボックスから出た
日曜日、今日は文化祭だ。
空歩とソティは出店でたこ焼きを売っている。
「空、あ」
ソティはちょくちょく作ったたこ焼きを空歩におねだりしていた。
焼きあがったたこ焼きをソティの口に放り込む。
「ん、おいし。」
その度に自分の財布からお金を金庫へ入れる空歩。
「空歩!店回る?」
麗羅の元気な声が聞こえた
「そうしようかな」
空歩はエプロンを脱ぐ。
ソティは私もと言わんばかりにアピールした
「ソティもな」
ソティは嬉しそうだった
空歩とソティは麗羅達と一緒に文化祭を回った。
劇。
ソティはじーっと見ていた。
お化け屋敷。
「キャー!」
女性陣が叫ぶ中、ソティは無反応に歩き続けた。
出店。
たこ焼きからチョコバナナ、お好み焼き、焼きそばまでたくさんのものを食べてソティは満足した。
ソティと空歩はベンチで一休み
「どう?楽しかった?」
ソティはコクリと頷いて
「今日は楽しかった。ありがと」
か細い声でそう言った。
翌日…
学校が終わると空歩と麗羅と鈴音と希とソティの五人で、駅のデパートに来ていた。
今日はソティと服を買いに来た。
麗羅と鈴音がソティの服を吟味している。
あれこれ選んでどれもこれも似合ってしまうソティにうっとりする二人。
「ソティちゃん!今度はこれ着て!」
二人の波状攻撃は続いた
すぐに空歩の後ろに隠れるソティ
「ソティちあゃーん」
一段落つき、暫し休憩。
「ソティちゃん!ソフトクリーム美味しいね!」
麗羅はソティに言った
ソティはソフトクリームを麗羅から遠ざける。
「可愛いねーソティちゃん」
鈴音がぐへへと言った
空歩の後ろに隠れるソティ
そんなことの繰り返しだった
「あはは…」
空歩は苦笑いした
「ソティちゃん、私のクレープ食べる?」
希がソティにクレープを向けた
ソティは大きく口を開けてパクッと食べた
帰り、
空歩はソティの買った服を持って駅にいた
「またね!ソティちゃん」
鈴音と希がソティに向けて言った
駅で別れると麗羅とソティとの三人になった
「ソティちゃん、今日は楽しかった?」
麗羅はソティに聞いた
「楽しかった」
か細い声で言った
それを聞きながら空歩は笑みを浮かべた。