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龍の掟  作者: 氣赦烙
十二代目
18/62

ソティと修行

九月


学校は新学期になり空歩達は学校に通っていた。

そしてソティは高校に進学していた。

「ソティ・レアス」

皆拍手で迎える

「それじゃあ竜頭の隣が空いてるから、そこ座りなさい」

ソティは空歩の隣に座った


ソティが来てからというもの、黒崇の様子がおかしかった。

いつも勝負を挑みに来ていた休み時間はキッパリなくなり、お昼休みもソティと一緒に食べることになってからやけに大人しい。

空歩はその事を黒崇に聞いた

すると

「アイツからは異様なものを感じる!」

そう言っていた


ソティは勉学、運動共にあの華奢な体からは想像できないものを発揮した。


そして家に帰るとソティは空歩の袖を引っ張り

「あれを出せ」

と言って異次元ボックスを指した。


それは異次元ボックスの異次元空間で作った修行場のことを言っている。

この空間はどこまでも続く異次元空間で、修行には持ってこいの場所だ。

そこに二人で入るとソティは始祖龍刀化一閃を取り出し、修行を始めた。


日曜日…

今日はソティにある技を伝授してもらうことになっている。


「龍牙追」


か細い声でそう言った

ソティは空歩にやって見せた


始祖龍刀化一閃を突き出すように構え、下に切り下ろしその反動で上に切り上げた。

すると斬撃は二段階軌道を変え斬撃が飛んでった。飛んだ斬撃は空歩の頬を横切った


その技は刀の斬撃を放ち、その軌道を変えて、陽動、奇襲、反撃へと転じる技なのだという。

他にもただ振り下ろした斬撃を放つこともでき、それも龍牙追なのだとか。

「やってみろ」

またまたか細い声で言われた

 空歩は龍火一閃を構えた

見ていたように構えて意識を集中させる。

そして下に切り下げ、その反動で上に切り上げた。

すると様にはなっているものの斬撃は少し飛ぶだけでソティのような勢いは無かった。

「もう一回!」

ソティはそれを見守っていた

 

一時間、修行を重ねると空歩はみるみる上達していった。軌道は二段階変化し、斬撃は凄まじいほどの切れ味と破壊力が備わった。

 次は実践演習になる。

ソティとの掛け合い稽古をした。

状態、姿勢、高さ、間合い、タイミング、時間差、沢山の場合を想定して実践した。

いついかなる時にでも技が出せるようにする訓練だ。

一通り修行を終えるとフッとソティは倒れそうになる。空歩はサッと抱きかかえ、修行を中断した。

 そして異次元ボックスに入っていたパンを差し出す。ソティはそれをほうばった。


それにしてもいつもすごい量を食べる、細く小さい体のどこに入っているのか気になるところだ。

食べ終わるとソティはけぷっ、と軽く息をした。

そして二人は修行を再開した。


次の日

龍牙追の修行も一段落し、

次は最も龍人族としての才に問う技、

それを会得していく修行に入る

「空歩、龍鱗はできるか」

空歩はソティに龍鱗状態を見せた

「…」

ソティは次に

「龍人拳が扱えるか確かめる」

 と言って体術の組手を始めた

ソティは有り得ない程の拳速と力量を見せた。

それに食らいつく空歩。

「…」

そしてソティは言った

「今のままでは会得は難しい」

ソティは空歩に龍人拳と龍鱗の二つの稽古を命じて、高められるように一緒に修行した。

そして修行が終わり可能な時間はその二つの技の特訓に励んだ。

 

それから二日が経った。

空歩は凄まじい上達っぷりを見せた。

 食らいつくので精一杯だった龍人拳はソティの頬に拳が横切るくらい上達していた。

拳をうち交わす程の腕を見せた。

 龍鱗は鱗が白銀色になり、ありえないほどの硬度、練度に跳ね上がっていた。


ソティは次に

「龍鱗と龍人拳両方を使う」

 と言った

ソティと空歩の激しい組手が始まった

龍鱗と龍人拳を同時に使うと気力と体力の消耗が激しいものだった。

 途中、何度か倒れ込みそうになるソティを空歩は食べ物で繋いで行った。

空歩は修行を重ねていくうちに体の変化に気付く。

体には超人的力が宿り反応速度も跳ね上がり腕力も普通の岩なら軽々砕ける体になっていた。


修行から一週間、今日はバイトの日だ。

久々に修行とは一線離れた空間に落ち着く。

それでもバイト中イメージトレーニングはしている。

いつ何時でも技を出せるように特訓している。


バイトから帰り、ソティとの稽古が始まる

「お主のしている修行を何に実らせようとしているのか見せよう」

ソティはそう言った


ソティはスっと目を閉じた

辺りは静まり返り静寂が一体を覆う。

静寂の中、ソティは白く光り輝き始めた。

ソティを包んでいた光は大きくなり周囲全体を覆う大きな光に変わった。


 ドゴーーン!


爆発音とともにソティの周辺の光は飛び散った。

 するとソティの体は変化していた

体は一回り大きくなり白い光を纏いながら光を放っている。

「名を、技の名を、龍人化という」

 

空歩とソティは暫し休憩していた


龍人化、龍の力を存分に発揮した上で人の形を保ち龍人拳、龍鱗などの技を何段階も上げる技。

ソティ曰く、龍鱗を使用した状態で龍人拳を使用し、体の強度と俊敏性を高めることでその極地へと入り、更にその技一つ一つの同調と極地へ入る事を繰り返し高めることで使えるとの事。

「今日は終わり」

ソティはそう言って修行場を後にしようとする

「…出して」

…空歩は異次元ボックスからソティを抱えて一緒に出た


高校ではそろそろ文化祭の時期に入る。

出し物、出店、展示など、様々な催しが開かれる。


空歩のクラスは出店をやるようだ。

たこ焼きをひっくり返す麗羅。

それをじーっと見つめるソティ

「た、食べる?」

ソティはたこ焼きの船を貰い、もぐもぐと食べた

「甘やかさなくていいんだぞ麗羅」

空歩は麗羅に言った

「だってー」

そう言って麗羅は指さした

そこにはいっぱいお菓子や食べ物を貰うソティがいた

「あんなに可愛いんだから甘やかしたくなっちゃう」

「そういうもんかねぇ」

空歩はソティを見ながら言った


次は出店の横断幕を作ることになった

ソティは頑張っている!

一生懸命書き始める。

「そ、ソティちゃん!頑張って!」

 みんな応援している

「皆過保護過ぎないか?」

空歩は笑いながらも小声で言った


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