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龍の掟  作者: 氣赦烙
十二代目
17/62

竜の祭り

ソティは食べ終わると空歩に言った

「そちの龍火一閃、妾が真価へと開花させてやろうか」

空歩は言った

「この刀は俺が育てる」

ソティは苦い顔をしてこう言った

「そうではない、私との稽古で開花させてやろうかと言うたのだ」

そしてこうも言った

「その次の刀、烏間一閃もこのうちに出しておくと良い」

烏間一閃を持っていることも当てた

空歩は烏間一閃を取り出した

「お主は二刀一対の戦いが主流だろ?」

空歩が稽古でしか扱っていない二刀流を主流と見抜いて見せた。これも目の力なのだろうか

「しかし、ソティは刀を持っていないぞ」

空歩はソティに言った。

フラフラなる体を正しながらソティは自身の長い髪を一本取り、こう言った

「これがある」


どう見ても白い髪の毛だった

空歩は構えた

ソティは突撃してきた。

一本の長い髪を振り下ろす。

それを避ける空歩。

すると地面が割れた。

衝撃波と斬撃で地面が割れたのだ。

空歩は構え直す。

「ではゆくぞ」

 

凄まじい攻防は続いた

空歩は刀二本、ソティは髪一本で相対している。


そして一時間くらい経った時

ソティは電池切れにでもなったかのように倒れ込んだ

「お腹すいた」

「…うーん……」

空歩は腕を組んで座った


しばらく食事の時間が続き二人は話し込んでいる。

中でもソティが食いついたのは高校の話だ

「今の文化にはそのようなものがあるのか」

少しテンション高めになった

ソティはその話に釘いった

そして

「私も一緒の学校に行きたい!」

と言い出した

手続きやらなんやら面倒だぞ、と言うも聞く耳を持たず行きたいと連呼した

「仕方ない、何とかしてみるよ」

「ありがとうおの子よ、そういえばそち、名前はなんというのだ」

「竜頭空歩」

「竜頭空歩、ならば空歩よ!早速案内じゃ!」

「その前に沢山食べてくれ」

空歩は切実に言った


翌日、空歩は修学旅行に行く玄関の手前にいた

「わしも行くのじゃ!」

ソティが足にまとわりついてきた。


ソティは洞窟を出てから空歩の家で暮らすことになった。今日は修学旅行に連れてけと手を焼いている。

「一緒に行くのじゃ!」

仕方ないと空歩は思い

「わかった、ただし条件がある」

空歩はソティに条件を言った。

それをソティは承諾してみんながいる駅に向かった

 

 空歩が出した条件はこうだった

 一、大人しくする

 二、傍を離れない

 この二つ


空歩とソティはみんなが待つ駅のホームへと着いた。

着いた早々ソティは姿を消していた

「傍を離れるなって言ったのに」

周りを見渡すと駅の弁当に釘漬けになっているソティがいた

「空歩、これ買って」

はぁと言いながら買ってあげた

「次はあれだ」

弁当を指さした

「あれも買ってくれ」

埒が明かないので空歩は手を取って駅へと向かった


「誰ー!?その子!?」

一番に食いついたのは鈴音だった

ソティは空歩の服にしがみつくと顔をうずめた

 キャー!

鈴音は仰け反った

「空歩くん、その子は?」

「この子はうちの親戚みたいなもんでうちで預かってるんだ、着いてきたいらしくて」

希と空歩は喋った

「だからって連れてきちゃ」

ソティは希の鼻をチョンと触った

 アビャー!

希は仰け反った…


ソティは女子から人気になった

「こらこら、何だこの騒ぎは」

先生が来た

空歩は事情を話した

「うーむ、仕方ないな、ちゃんと見ておくんだぞ」

許可が降りた

ふぅと息をつくとソティがいない

辺りを見るとまた弁当に釘付けになっていた

「空歩、これ買って」

空歩はソティをケースから引き剥がしながらそのお弁当を買った


 新幹線…

ソティは空歩の膝の上にちょこんと座りお弁当を食べていた

「可愛いー!」

前の座席の鈴音が前かがみになりながら言った

 その隣の麗羅はというと

「シャー!!」

めっちゃ警戒されていた

警戒し終わると続きを食べ始めた

「はぁ…」

ため息を着く空歩。

「大変だな、お前も」

朝前が後ろから声をかけてきた

空歩はため息を着きながら今回のもう一つの依頼を思い返していた


ポケットに入っていた紙を取り出した

目的地に着いたら紙と封筒に入ったお金を渡して

その品物を持って帰るようにという風なことが書いてある。


 そして、修学旅行で着いたのは…


 古都京都

ソティは少しテンションが上がった

何呪の窟と酷似していて、それでいて全く別物なのであちこち見たくてうずうずしている。

空歩達は京都巡りをした。

茶道、座禅、名所での写真撮影、

など京都を満喫した。


空歩達は美術館に入った。

そこでソティはあるものに目がいった。

「…」

ソティは黙って見つめた。


夕暮れ、ソティは空歩に向けて言った

「妾は帰るぞ」

いきなり帰ると言い出した

「どうやって帰るんだ」

空歩は当然聞いた。

するとソティは

「飛んで帰れば問題なかろう」

そういうとググッと足に力を貯めた。

 そして

飛んだ

「お土産を楽しみにしておるぞ」

めちゃくちゃだ

麗羅が駆け寄ってきた

「どうしたの?」

空歩は頭をかきながら言った

「帰っていったよ」

 

次の日…

空歩は自由時間になると目的の店に赴き、紙に書いてある通りに行動した。

異次元ボックスを持っているということを遺憾無く発揮した今回の依頼、たくさんの和菓子が異次元ボックスに収納されていった。

ソティへの土産も買って新幹線に乗り、その修学旅行は終わった。


帰ると竜宮院へ行き、品物を全て渡した。

空歩は斎龍寺に聞いた

「これは何に使う?」

斎龍寺は言った

「今年行われる龍の祭り、総竜降誕祭で食される和菓子です」

総竜降誕祭、別名総竜祭、とは毎年行われる竜宮院の祭りで龍人族のトップが一同に会す会議の事で街では出し物が出るお祭りである。


それを聞いた空歩は報酬を貰い、家に帰った。

帰るとソティが待っていた

「待っていた、空歩」

ソティは部屋に入ると空歩にあるものを見せた

それは刀剣だった。

ただの刀剣ではない、一閃だ。

それも脅威の練度で練られた他に類を見ないほど最高傑作だ。

「妾が作った」


その見た目は刃が枝分かれしており刀身は真白く光沢を放ち柄は青白く光っていた。

ソティが言うには廻木の木を一本丸ごと持ってきて爪で細部まで作ったのだとか

「名前は始祖龍刀化一閃、妾が作った一閃だ」

 ちょっと自慢げに言っている

見た目は恐らく京都で行った美術館の刀剣を見て思いついたか何かしたのだろう。

「これで稽古が捗るな」

ソティむふーと息を吐きながら言った

玄関を出て空歩を引っ張ると竜宮院の修練場まで飛んだ。

着地すると刀剣を構えたソティ。

空歩もスタッと着地し、龍火一閃と烏間一閃を構えた。

 夜の稽古の始まりだ

 

その三日後…

総竜祭の日、空歩は何呪の窟に居た。

そこの一番高い和風じみた塔に胡座をかいて座っている。

一方その頃総竜祭では、竜宮院家が慌ただしく動いている。

そして竜宮院総竜祭が始まった。


お祭りの中、麗羅は空歩を探している。

麗羅が落胆しているとスマホからメッセージが届いた。

「今日、急用で行けないんだ。俺の分も楽しんでくれ」

空歩からだった。

それを見て麗羅は鈴音達に

「今日は楽しむわよ!」

と言った


一方、竜宮院では龍の一族の面々がずらりと並んだ。

そして空歩は…


「空歩、そろそろ始めるぞ」

ソティが修行の催促に上がってきた

「何をしておる」

「なんでもない」

そういうと空歩は持ってきたコップに水を注いだ。

それを一気に飲み、コップを勢いよく置いた。

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