頑張る鈴音と誕生日
次の日
喫茶店の制服に着替えた鈴音の姿が
「おぉ、様になってるな」
空歩は制服を見ながら鈴音に言った
「でー、鈴音ー、どういう風の吹き回し?」
麗羅は怪しい物を見る目で聞いた
「そ、それはー、」
鈴音は空歩の方を見た
空歩は昨日の鈴音の話を思い返していた…
「いい?働いてる理由は絶対内緒だからねっ!」
空歩は麗羅に言った
「社会学習の一貫だってさ」
「そ、そーなのよ!お金を稼ぐ気持ちを知ろうと思ったのよ!」
「ふーん」
ジトーッと鈴音を見る麗羅。
「じゃまぁ、仕事してもらいますか」
マスターが鈴音に言った
鈴音はバイトを始めた
鈴音は思いのほかきっちりと働いてた。
カップのお渡し、配膳。
「いらっしゃいませー!」
二人はおお、と声を出した。
麗羅と空歩は感心しながら鈴音の働きっぷりを見ていた。
それから一週間とちょっと経った喫茶店Blatt…
「帰りに麗羅のところ寄ってもいい?」
空歩は麗羅に聞いた
「いいよー!」
麗羅は元気よく言った。
「わ、私もいいかしら!」
聞き耳を立てていた鈴音が入ってきた
「え、ええ、いいけど…」
しゃあ!と腕を上げる鈴音
麗羅は不思議そうに鈴音を見る
鈴音は空歩に耳打ちした
「後で一緒に買い物付き合って♡」
一瞬ゾワッとしたが頷く空歩
バイト帰り、
麗羅は一旦鈴音の家に居てもらい、鈴音と空歩の二人は駅のデパートへと向かった。
「これなんてどうだ?」
「そんなんじゃダメよ、もっと豪華にしないと」
二人は品定めをしていた。
「これは?」
「可愛くない」
「これは?」
「品がない」
空歩はちょっとだけピキピキしていた
「うーん、中々ないわねー」
「うーん」
二人は悩んでいた
悩んだ二人は雑貨屋に入った
「じゃあ俺はこれと、これにしようかな」
「ええ!もう決めたの?」
空歩は穴付きのICカード入れとカラスのストラップを手に取った
「えー!なにこれかわいい!」
鈴音は自分も欲しそうに言った。
「じゃあ私はこれを2つ」
二人は買うものを決めレジへと向かった。
「これラッピングしてください」
「私のは一つだけ包んでください」
二人は各々商品を買った
「なんか品物見てる時彼氏ができたみたいで楽しかったな♡」
上目遣いで鈴音は言った
「はいはい」
軽く受け流す空歩
プクーっと膨れる鈴音
「よし、じゃあ行くか」
「あ、待って待って!下のケーキとか飲み物買わないと!」
二人はフロアを下りケーキと飲みものとその他お菓子なんかをたくさん買って麗羅の待つ鈴音の家へと向かうのであった
鈴音の家に着くと二人は麗羅を呼んで夜烏家へと向かった
「その大きい荷物は?」
麗羅は空歩が持ってる大きな荷物を見て言った
「ん?これはー、うーん」
「怪しい」
空歩を睨む麗羅
「さ、さぁ着いたわよ麗羅ちゃん」
話をそらすように鈴音が割って入った
電車は目的地へと着いた
駅に着くと麗羅は自宅へと道案内した。
「ふぇー、こんな所が二人の故郷なんてね」
「さ!こっちよ!」
そんなに時間はかからずに麗羅の家に着いた
「ささ!上がって上がって!」
二人は麗羅の家に上がった
「キャー!ここが麗羅ちゃんの部屋なのー!?」
部屋に上がると鈴音は発狂した
あちこち見渡す鈴音
呆れている麗羅
「お茶持ってくるね!」
麗羅はキッチンへ向かった。
その隙に二人はとんでもない速さで部屋を飾り付けしてとんがり帽子を被りクラッカーを持っている
何も知らない麗羅が入ってきた
「お待たせー…」
「ハッピーバースデー!」
パーンパーン!
驚く麗羅
「え?」
「8月16日、今日誕生日だろ?」
「うはー!マジで!?ありがとう!」
二人は麗羅にトンガリ帽子と変なメガネをかけた
なはーと息を流す麗羅
「今日は麗羅ちゃんにプレゼントがあるのよ!」
「えー!マジで!?」
「まずは俺から、はい」
空歩は麗羅に黒色の皮にピンクの線が入ったカード入れとカラスのストラップを渡した
「うはー!ありがとう!」
嬉しそうに受け取った。
「じゃあ次私♡はい!麗羅ちゃん!」
鈴音は麗羅にウサギのキーホルダーを渡した
「実はこれ私も持ってるのよー」
鈴音は同じキーホルダーを見せた
「これでお揃いね♡」
「ありがとう!」
「じゃあ次はこれだ!」
そういうと空歩は大きな袋に入ったケーキを取り出した
二人は麗羅の誕生日を盛大に祝った
次の日
空歩と麗羅はバイトだ。
鈴音はバイトをやめていた
麗羅へのプレゼントが買えたから良いのだとか。
カランコロン
店の扉が開いた
「ども〜」
鈴音が入ってきた
「いらっしゃい」
麗羅はいつものコーヒーを入れる
「そういえば初めて麗羅ちゃんの家にお邪魔したんだし、今度は空歩の家に遊びに行きたいな♡」
空歩の方を見ながら言った
「ああ、別にいいぞ?」
あっさりOKした
「じゃあじゃあ!今日行きましょうよ!」
「いいけど、何もないぞ?」
「じゃあ私も」
「そうだ!希も呼びましょうよ!」
…バイト終わり
四人は空歩の家に遊びに行った
「お邪魔しま〜す」
「お、お邪魔します」
「お邪魔します!」
「みんな入ってー」
部屋に通すと空歩はお茶を用意した
「へぇー、ここが空歩の部屋ねぇ〜」
鈴音は隅々まで物色している。
「ちよ、ちょっと鈴音ちゃん、」
「いいじゃないのー」
「まあゆっくりしてってくれ」
空歩は三人に言った
「それにしても空歩は麗羅ちゃんの家のすぐ近くなのね」
鈴音はお茶を飲みながら言った
「まぁ、幼なじみだからな」
「ふーん」
ピロリン
空歩のスマホが鳴った
黒崇からだ
黒崇に返信した
「今みんなで俺の家にいるぞ?」
「なに!?そんなイベント知らせないとは!ちょっと待ってろ!」
数分後…
ピンポーン
家のインターホンが鳴る
「よお!空歩!永遠のライバルの登場だぁ!」
「おお、いらっしゃい」
鈴音が自分の家であるかのようにくつろぎながら言った。
「この人生ゲームで勝負だ!空歩!」
いつもの調子で勝負を挑んできた
「面白そうね!」
鈴音が前のめりになって言った
五人は人生ゲームで夜遅くまで遊んだ