映画、『小麦デカ』
…映画館
「うっは〜!映画だ〜!」
鈴音は大はしゃぎだ。こういう映画は鈴音は大好物なのだとか
「ありがとう黒崇、このご恩は」
拝む鈴音
「おほん、やめいやめい」
その気になる黒崇
「このバター醤油美味しい!」
麗羅はポップコーンを食べている
空歩は飲み物を飲みながら歩いている
「ねぇねぇ空歩!グッズ売ってるよ!」
麗羅と空歩の二人はグッズを見ている
「これ買おうよ!」
「いいよ」
二人はお揃いのキーホルダーを買った
鈴音はパンフレットを見ている
映画が始まるので四人は中へと入っていった。
そして映画は始まった
映画が終わり…
「はぁ〜、最高。」
「面白かった〜」
女性二人は満足気に声を出した
「まさか刑事の嫁を狙うとは」
「すぐ返り討ちだったね」
余韻に浸る二人
「フフッ」
それを見守る空歩
「なぁ空歩!帰ったらあの刑事のセリフどっちが似てるか勝負だ!」
「やらないよ」
歩きながら話している
「いやー、しかも警部補庇って打たれたあのシーン、もう一回見たい」
鈴音は止まらない
そして七月
学校は夏休みだ
空歩はというと、竜宮院の依頼の真っ最中だ。
今日は麗羅も一緒だ。
今回は前に行ったサンアワードのホテルの一室に飾られているらしい。
サンアワードの受付で話を通した。
すると支配人が出てきた。
「そうですか。それはそれは」
そう言うと、支配人はホテルの中を案内した。
その一室に案内されると確かに一際目立つ銀の杖のような物が飾られていた。
「これはドルマンという男が寄贈して行ったこのホテル唯一の品です。名を土瑠真一閃と言います。」
支配人はその杖をとって地面をコツンと突いた。すると幻想の世界が広がり、幻術の中に引き込まれるようだった。支配人がもう一度コツンとすると幻想は元に戻っていた。
「なぜこれを一室に?」
空歩は聞いた
支配人は答えた
「ドルマンはこのホテルを大層気に入ったそうで、自分が泊まったことを受け継いで欲しいとここに寄贈しました。」
支配人は続けた
「ですがこの杖も本望でしょう、持っていってください」
二人は杖を預かった
そのまま二人は家に帰ったのであった。
二人はバイトをしている。
「れ、い、ら、ちゃーん!」
鈴音が遊びに来た
「また来たのねー」
麗羅はいつものコーヒーを出す
麗羅と鈴音は二人で喋っている。
「でねでね!この前駅前にできたレストランがまた美味しいのよ!」
「へー、今度行ってみようかな」
「でね!その向かえにあるケーキビュッフェなんだけどー!」
二人は喋り合っている
それを見ながら微笑む空歩。
バイト終わり…
「じゃあまたねー!」
家へと帰っていく鈴音
「うん!またねー!」
見守る麗羅
「じゃあ帰ろっか」
電車に乗る二人
「今日は道場来る?」
「いや、明日竜宮院で修行の予定だから体休ませようかなって」
「じゃあ明日あたしも行くよ!」
「いいよ。」
「やった!」
「それと今日は宿題でもやろうかなって」
「ああー宿題かー」
麗羅は少し考えた
「なら、うちでしない?」
「道場で?」
「違うよ。あたしの部屋、二人の方が捗るでしょ?」
空歩はうーん、と考えた、そして
「わかった、そうしよう。じゃあ何持っていこうか?」
「うーん」
二人は夏休みの宿題をするようだ。
次の日
空歩と麗羅は竜宮院にいた。
「今日は何をするのっ?」
麗羅は身体を伸ばしながら言った。
「今日は居合の修行だよ」
「居合?」
「これと組み合わせようと思ってさ」
「?」
そういうと空歩は構えた
「動かないでね」
麗羅はその場に直立した
すると瞬く間もなく、一瞬で間合いを詰めた。
後に来た大きな風がブォンと吹いた。
「龍進、これと居合を組み合わせたらいいかなと思って」
空歩は元の位置に戻ると龍火一閃を取り出した。
「んじゃ、始めようか」
空歩は構えた
「いつでもどうぞ」
麗羅は烏澄一閃を取り出し、構えた。
両者構えて一瞬の時が流れた。
そして
修行は始まった
……
「よし、一旦休憩にしよっか」
「賛成。」
二人は休憩を取ることにした。
竜宮院のレストランで食事をしながら話す二人
「にしてもあんなにうねるのも技のひとつなの?」
「ああ。さっき使ってた龍進っていう技は龍が進むかのように動くことからそう名付けられた技なんだ。荒々しかったり物凄い勢いだったり驚異的スピードだったり」
「ふーん」
「他にも種類があって色々な面で役に立つ技のひとつなんだ」
麗羅はスープを飲みながら聞いていた
「そうだ!修行に戻ったらある技を見せてあげる」
「?」
修練場に戻ってきた二人
「今度は何?また龍進?」
「まあ見てて、麗羅にも目の引く技だから」
そう言うと何も構えずただ立っているだけだった。そして
「龍進…」
言葉を発した。またかと麗羅は思った。すると
「隠・おん・」
空歩の手刀が麗羅の首元を捉えていた
「な、なんで」
麗羅は驚いていた。龍進のスピードは何度も見て体が慣れていたから反応できないスピードではなかったからだ。だが反応どころか認識出来なかったのだ。
「スピードは龍進、パワーは極限まで削った技、龍進・隠・だ」
「?どういうこと?」
「この技はパワーを削ってある力に重点を置いたんだ」
「それは?」
「隠密移動」
麗羅は手をポンと叩いた
「なるほど!だから認識できなかったんだ」
「これを習得、会得出来れば忍者としての幅も広がるだろ?」
「なるほど?」
二人は修行を続けた
修行もだいたい終わり、
「ピロリン」
「ん?」
麗羅のスマホが鳴った
「あ、鈴音からだ。」
麗羅はスマホを確認した。
「明日昨日言ってたレストランとビュッフェ行かない?料理も絶品よ、だって」
麗羅は読み上げた
「だってって言われても」
「空歩も一緒に行かない?」
「そうだなー」
……