見えるもの
赤く光る信号機、交差点では車が何台も横を通りすぎていくのをただジッと少年は黒いランドセルをからい、青に変わるまで歩道で待つ。
茶色い髪に少し天パ強めな短い髪に、キリッとした目の中の赤黒く光る瞳には、不気味にどこかを見つめており、目には光がなかった。
交差点には二三台の車が泊まり、横断歩道は赤から青に。
少年が一歩足を踏み外すと、十字車線の真っ直ぐ一台の白いベンツの車がこちらに猛スピードでこちらに近ずいてくる。
運転席に乗っている男性はどこか様子がおかしいことに気づいた人々は、ベンツの車がこちらに向かって来ることに気づいて、急いで逃げていく。
ただ、少年はその赤い瞳でベンツをジッと見ていて、動かなかった。
人々は少年を一生懸命に呼んでみんな―「逃げろ!」と口を揃えて声をかけるが、誰も少年を抱えて逃げようとはせず遠くから声をかける。
だが、そんな声は届かずこちらに真っ直ぐ向かってくる車に少年はただただ立ち止まるだけ。
ただ、少年は自分の目で見える物をジッと見ている。
少年が見えているものは、黒いモヤのようなもので運転している男性の助手席には誰かが乗っていることがハッキリと見えていた。
焦げたような赤黒く血が滲んでおり、体全体が火傷の痕を残しており、顔なんて目ん玉がギョロリと飛び出して、誰もが見てしまったら発狂してしまうかの様な、この世のものではない子供の姿をした化け物。
ただそれは、この少年にしか見えていない。
少年はジッとハンドルを狂わそうとする子供に、男性が反抗してハンドルを右と左に操作して前を見ない姿。
このままでは、少年は跳ねられてしまう。みな―逃げろ!と喉に力を入れて大声でみんな声をかける。
車はどんどん近ずいて来て、誰もが―「あぁ」と声を漏らした。
車と少年との間は、たったの50cmの距離に縮まった。
が、誰もが予想外のことが起こった。
車は少年を避けて右に右折した。そして、その方向は避難した人々がいる方向。
えっ、と声を漏らした時には遅かった。その瞬間、避難した老人、若い男性や女性、赤子を抱えた母親がぐしゃりと一気に轢かれた。
車の運転席に座っていた人は即死だろう。避難していた人々は全員死んだ。
ただ、あれだけの大事故なのに助手席は何故か無事だった。
少年は、避難して死んでいった人々を悔やむことはなく、助手席に向かって近ずいいく。
助手席の車のドアを開けると、ビンゴだ。
助手席には、ダンボールが置いてあり中身はなんなのか分からないが、少年はそのダンボールを持って何もなかったように少年は、学校に向かった。
△▼△▼
学校帰り、少年はこのダンボールの中身はなんなのかを考えていた。 何となくだが少年は、この中身は【訳あり商品】だろうと考えた。
そして、あの助手席に座って運転を狂わせ大事故を起こした子供に着いて考えた。
まぁ、幽霊が考えている事なんてたかが知れている。
自分一人よりも、大勢で固まって避難しているやつらの方が、多く人を殺せるのだから。
僕の名前は、鎌取 長可小学六年生。ある戦国時代の将軍の名前から取った名前。 自分はこの名前は気に入っている。何となく強そうだから。
さて、僕はこのダンボールの中身をどうするかと言うと、それは中身を家で開けてから考える。
真っ直ぐ坂を上がり、住宅街が並ぶ一つの普通の一軒家に長可は玄関までの階段を上り、ドアを開ける。
「ただいまー。」
誰もいない玄関に返事をすると、ドタドタと2階から降りてくる大きな足音に長可は目を向けると、一人の小さな男の子が懐に抱きついてきた。
「おかえり! お兄ちゃん。今日も学校の話聞かせて!」
この活発的な小さな少年は僕の弟の鎌取 幸村。
長可と同じ茶色い天パに、瞳は自分と違い美しい青色の瞳には曇りなき眼の目をしていた。
正直長可は、あまり学校が好きではなかった。自分の瞳は人とは違い赤色。
クラスの人々はみんな黒や茶色、珍しい時は茶色と緑が混ざったような瞳を持つ人が多く、クラスの多くは気味が悪がられていた。
ただ、自分の弟には嘘をつき、常に「学校は楽しいよ」と嘘の話を作り、来年に小学生として学校を不安がらないように優しい言葉をかける。
この時間の時だけは、一番普通らしい会話をしているようで、僕にとっては、とても大事な時間でもある。
「お兄ちゃん! 早く早く!」
「わかったから、少し待って。部屋に戻ってランドセル下ろすから。」
「……はーい。」
早く話が聞きたいのか、しょんぼりと顔を伏せる幸村。なんとも可愛らしい反応なのかと、思ってしまう。
幸村の柔らかい髪の毛を撫で、満足したのかリビングに向かってどこかに行ってしまった。
「さてと、幸村の機嫌を損なわないように早く終わらせなければ。」
長可は、ダンボールを両手に持って階段を登る前に、1階の父親の仕事スペースの部屋に入り、ハンマーと釘を持って階段を上がり、自分の部屋に向かった。
△▼△▼
ランドセルを床にほおり投げ、急いで自分の勉強机に置き、ペン立てに立てていたカッターをダンボールに刺し、中を開ける。
中は新聞紙などが敷き詰められて、大事に保管されていたかのように思えた。
長可は、その新聞紙を貪るように中身を雑に開けていく。
全ての新聞紙を破り捨てると、子供用の小さな車のおもちゃが入っていた。
少し焦げた様な痕がある為、長可はすぐにあの事故の原因はこのおもちゃの車だとゆうのもわかった。
車のおもちゃの中から、何かしらヤバそうな雰囲気が漂っているが、長可は父の部屋から持ってきた釘とハンマーを出し、釘を車の中心部分に当てて、ハンマーを振り叩いた。
釘は車を貫通して、おもちゃはもう使えなくなるようなボロボロの状態になった。
すると―ぎゃぁぁぁぁ! と大きな奇声が部屋中に響き渡り、おもちゃからさっきの助手席に座っていた子供が、腹に釘が刺さったまま、こちらにち向かって襲いかかってきた。
覆い被さるように子供が飛びかかってくると、釘が刺された腹部から真っ二つに子供が切れていった。
唸り声をあげながら苦しそうに踠きながらも、夜空にそって消えていった。
「あーぁ、残念だな。結局こいつは殺せないかぁー。見込みあると思ったのに。」
残念そうにする長可に、後ろには黒いローブをきた骸骨が鎌を持って、消えていった子供の残骸のおもちゃを鎌で突き刺した。
「さてと、明日の準備してから今日はゆっくり弟とお話しますか。」