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第三の勇者編②

 檻の中で一晩を過ごした私達だったが翌朝、私達のいる檻が開けられる事となったのは衝撃的だった。


「……出ろ。魔王様がお前達をお呼びだ」


 檻を警備している魔族達にそう言われると私達は、手錠をかけられたまま魔族達を後ろから追いかけていくようにして歩いて行った。


 地上へ上がっていくために私達は、階段を沢山上った。皆、連日の疲れが残っているせいか、かなり疲弊した様子で階段を上る事も辛そうだった。


 特に普段、宙に浮いている事の方が多いルアさんなんかは、階段を上る事が本当に辛そうで、彼は息をゼーハーゼーハーと切らしていた。


「だ、大丈夫ですか……?」


 ルアさんは、顔面蒼白になりながらも答えてくれた。


「……僕、普段はこんなに歩かないから……こんなに歩き回ったのも久しぶり過ぎて……ヤ、ヤバイ……かも」


 そう言いながらルアさんは、必死そうに階段を駆け上がって行った。



 ――そうして、ようやく階段が終わって長い廊下を歩いて行き……私達は、1つの大きな部屋へと案内された。前を歩いていた鎧を身に纏った騎士がドアをノックして私達を部屋の中へ入れる。


 中に入ってみると、そこには玉座があった。大きな玉座で辺り一面には薔薇の花びらが舞っている。花びらが、地面へ落ちて行き、床一面を紅色に染め上げる。


 そんな部屋の奥で玉座に座っていた男が1人。その男は、とても威厳のある雰囲気を醸し出している。服の上からでも分かる位に強靭な筋肉が透けて見えており、大きな胸骨と肩幅がとても印象的だ。


 そんな威厳ある男が、玉座から立ち上がると彼は告げた。


「……いやぁ。すまなかったね。君達の事情も知らずにこんな事をしてしまって……まぁ、とりあえずそこに座ってくれ」


 そう言うと、その男は掌に出現させた魔法陣から大きなテーブルと椅子を出現させる。自分の座っている玉座の前にその大きなテーブルを置くと、彼は「どうぞ」と手を差し出して、告げた。


 すると、そんな彼のやり方にルリィさんとサレサさんは突然、膝を地面につけてしゃがみ、男に頭を下げた。


「お久しぶりです。魔王様。……会えて光栄ですわ」


 2人が頭を下げて挨拶をしていると、男は大きな声で大口開けて笑い出す。


「……はっはっはっ! そう言えば、久しぶりだな! 元気にしておったか? ルリィにサレサよ。今日までの長旅、ご苦労だったな。さっ、これから一緒に食事をしよう。そこに座るといい」


 だが、同じ魔族であるルリィさんとサレサさんは、とても恐れ多いと言った感じで緊張しており、彼女達は遠慮気味に発言するのだった。


「……陛下。私達……陛下と一緒に食事なんて……恐れ多い。……人間の臭いがする私達と食べたら……きっと陛下も美味しくご飯食べれない……」


 サレサさんは、そう告げるがしかし、魔王は……。


「だーはっはっはっ! 気にするでない! 俺は、魔王だ。……人間の臭いにビビるような男じゃない! それに昔、母から聞いたぞ! 飯と言うのは……大勢で食べるとその分美味しさも格段にパワーアップするとな! さっ、遠慮はいらん! そこに座って一緒にご飯を食べよう! な~に安心しろ。今日の為に特別なメニューを用意させたのだ。お前達とも久しぶりの再会だ。ぱーっとやろうではないか」


「……はっ……はぁ……その、それでは失礼いたしますわ」


 魔王が、そう言うので私達は、ひとまず椅子に座る事にした。ルリィさんとサレサさんは、普段の様子から想像もつかないくらい緊張した様子で椅子に座っていた。私も……魔王と会うのは初めてで……少し緊張する。


 すると、そんな私達が全員座り終わった後に魔王は、椅子が1つ空いている事に気付く。


「……ん? 1人足りていないぞ!」


 魔王が、近くに立っていた部下に事情を聞いてみると、彼は慌てた様子で魔王に告げる。


「……すっ、すいません! もう1人の男の方は……現在、こちらに向かっているみたいで……」


 すると、その時――魔王の玉座のある部屋のドアが勢いよく開けられて、外から鎧を着た鬼のような見た目をした魔族が入って来る。その魔族は、とても申し訳なさそうに告げるのだった。


「……申し訳ございません! 遅れてしまいました。……さぁ、入れ!」


 魔族の男が、そう言って連れてきたのは……私達がよく知るあの男だった。


「光矢……!」


 カウボーイハットを被り、頬に大きな傷の痕がある男こと、佐村光矢。彼も手錠をかけられた状態で魔王の玉座の前に姿を現した。彼は、辺りをキョロキョロ見渡していると、私達と目が合う。


「……マリア! それに……お前達!」


「光矢!」


 私は、昨日ぶりに会えた光矢の事について嬉しく思ったが……その後ろに座っていたルリィさんやサレサさん、ルアさんなんかは、少し残念そうに小声で呟いていた。


「……お前達って、私達3人を一括りにしましたわよ? 酷すぎますわ。殿方様……」


「ムー君。私……悲しい」


「……僕の方が、主ともっと長い事一緒にいたのに……」


 魔王に緊張していた事がまるで、嘘であったかのように彼女達は、落ち込み始めた。彼女達としては、魔王と食事よりも光矢に名前呼びされる事の方が重大らしい……。まぁ、気持ちは分かる。実際、私だけ名前呼びされて今、凄く気持ちいいし……。

 皆、さっきの光矢の呼び方には、それぞれ思う所があったみたいで彼女達が落ち込んでいる中、魔王は、待っていましたと言わんばかりに嬉しそうに彼をテーブルまで案内する。


「……良かった。ようやく来てくれたか。さて、じゃあ……こちらへ座ってくれたまえ。これから……ルリィとサレサとの再会と、君達と出会った事について祝おうと思っていてね。皆で食事をしようと思っていた所なんだ。……さぁ!」


 魔王は、私達にやった時と同じような態度で光矢の事も席へ案内する。光矢も最初こそ困惑した様子で本当に座ろうか否か迷っているみたいだったが、魔王のその裏表のない態度に光矢は、恐る恐る空いていた最後の席に座るのだった。


 そして、全員が席に座った事を確認すると、魔王は近くにいた部下達に命令し、グラスに液体を注がせた。ついでに、私達につけられていた手錠も解除してくれた。


「……ところで、この中でアルコールが苦手な者はいるかね?」


 魔王が、私達にそう尋ねると、光矢以外のメンバーが恐る恐る手を上げて、申し訳なさそうに魔王へお酒が飲めない事を伝える。……まぁ、私の場合は未成年だし……。一応、これでも教会の修道女ですからね。


 ルリィさんやサレサさんが飲まないのは、少し以外だった。特にルリィさんなんて……お酒強そうな

感じなのに……。案外、可愛い所があるというか……。もしかして、飲みの場とか苦手なタイプなのだろうか……。


 そんなこんなで私達の分は、ジュースを貰う事にした。そして、魔王は全員分のグラスに液体が注がれた事を確認すると、大きな声で告げた。


「さて、それでは……まぁ、お互いに色々誤解は、あったようだが……ひとまず今は、宴といこう。乾杯!」


「「か、かんぱ~い?」」


 いまいち、魔王のノリについて行けない私達もグラスを上に上げて一口飲む事にした。魔王は、豪快にグラスの中に入っていた酒を一気に飲み干すと、音を立てないようにグラスを置いて私達に告げた。


「……さて、それでだ。まずは、自己紹介からだな? 俺は、この里の長。魔王アブシエードだ……。よろしく」


「俺は……ジャンゴ。そこにいるのは、俺の仲間達だ。ルリィとサレサの事は、知っているよな? 彼女は、マリアで、一番端に座っているのが、ルアだ」


 光矢が、私達の自己紹介を軽く済ませる。すると、魔王は私達1人1人の事をしっかり目で確認した後、改まった態度で告げてきた。


「ふむ。よろしく。……さて、自己紹介も済んだ所で早速だが、まずは俺の方から謝らねばならんな。部下に無実の君達を捕まえるように言ってしまった事を……」


 すると、魔王は、深く頭を下げて私達に「申し訳なかった。許してくれ」と謝罪をした。そんな態度に光矢は口につけていたグラスを置いて答えた。


「……いや、そんな……」


「……実は、君達を檻に入れた後……ある人物達から君達について話を聞いてね。どうやら、君達は……彼らの”命の恩人”らしいじゃないか? 私の里で戦っていたのも……侵入者を撃退するためだと聞いたよ。魔犬族を救ってくれた事、それから里のピンチに駆けつけてくれた事、改めて私の方からも礼を言いたい」


 魔王は、丁寧に頭を下げてくれた。彼のその姿から誠実さが、しっかり伝わって来る。何よりも……魔王が言っている”ある人物達”という言葉が、私には少しジーンとくるものがあった。


 そんな中、光矢は魔王に告げた。


「……礼を言われるような事をした覚えはない。俺達は……ただ、気に食わないものをぶっ潰しているに過ぎない……。自分の為に戦っているんだ」


「と、いうと?」


「……俺にとって、人間も魔族も味方ではないと言う事だ……」


「なるほど……。つまり、やはり君は、クリストロフの者ではない。”スパイ”の疑惑は、嘘だったという事だ……」


 魔王は、1人納得した素振りで食事を始める。彼の食事の取り方は、先程のお酒を飲んでいる時とは、全然違っており、優雅だった。見ていて、不快感のない美しい食べ方。こう言う所から魔王の育ちの良さを伺える。


 対して光矢の食べ方は……少しワイルドだった。彼は、魔王に向かってフォークの先を向けながら1つ、疑問を投げかけた。


「……貴方は、俺達の事をそんな簡単に信じるのか?」


「あぁ……。君達が私の大切な国民(かぞく)を守ってくれた事は、事実みたいだし。それに君達の場合は、ちゃんと魔犬族の方々が、許可証をとってくれていたみたいだからね。そもそも侵入者じゃない。それに……君のその目に嘘はないだろう。君と……そして、私の国民(かぞく)であるルリィとサレサの様子を見ていればな……」


 通行許可証……。トトさんとノノさんが、私達を里に入れるべく許可証を私達のために発行してくれたものだ。あれを発行するために私達は、魔族の里に入るまでに少し時間がかかってしまった。まぁ、その間は、ずっとサレサさんと光矢の特訓に時間を使ったから特に不満もない。


 と、魔王が一通り話を終えて、フォークとナイフをテーブルの上にきちんと置いた。そして、エプロンを取ると、彼は食事を一旦中断し、告げた。


「……さて、それで……私の方から1つだけ君達に尋ねたいのだが……”そこのカウボーイハットを被った君。君は……一体、何者なんだね? 君からは……この世界にいる人間達とは、少し違った匂いもしてくる。君は、一体どこからやって来たのかね?」


 光矢もナイフとフォークを止めて、魔王へ説明を始めた。


「魔王……。貴方が、思っている通りだ。俺は、この世界の人間じゃない。クリストロフの国王とその側近達の力で、この世界に飛ばされた。この世界では、俺のような人間の事を人々は、”勇者”と呼ぶらしいが……俺には、勇者の素質がなかった。そのせいで、国を追放され……今は、当てもなくあちこちを彷徨っている。ただの旅の者に過ぎない」


「なるほど……。君から魔力を感じない理由は、だいたい分かった。……しかし、君から感じる魔力とは、別の強者としてのオーラ……。それが、偽りとも思えんな。本当に……君は、勇者の素質がなかったのかな?」


 魔王のその問いに最初に席を立って答えたのは、他でもないルアさんだった。


「……話しを遮ってしまって申し訳ないが、魔王! それについては、僕から説明させてくれ。主は……勇者の素質がなかったわけじゃないんだ!」


「ん? 君は……確か、ルアくん……だったかな?」


「はい! くん付けありがとうございます! ……じゃなくて、主は……ちゃんと勇者の素質を持っています! 現に僕が、ここにいる。僕は、主の神具(アーティファクト)の中に眠っていた精霊。銃の精霊です。主は、ちゃんと神具(アーティファクト)である僕を呼ぶ事ができた。……ただ、主が王国から認められなかった理由は、(あるじ)に魔力がなかったからなんだ! 他に必要なものを主は、全て持っている! そうじゃなかったら、ここまでの戦いをいくら不死の心臓を持っているとはいえ……乗り越えていけるはずがないんだ!」


 魔王は、ルアの強い主張に納得した様子で相槌を打った。


「……なるほど。つまり、君が……ジャンゴくんの勇者としての証であり……彼には、その素質はあれど、魔力を持たないという理由で、国に認められなかった。……そして、ルアくんの話から察するに……ジャンゴ? 君が与えられた勇者の力と言うのは……精霊の宿りし黒鉄の杖と、もう1つ。……”神の子の遺体”の1つである鋼の心臓……で合っているかね?」


 光矢は、真っ直ぐ魔王を見つめて答えた。


「あぁ……。俺を今日まで支えてくれた銃と……そして、俺を今日まで生かしてくれた命だ。……しかし、まさか魔族の国の王である貴方が……人間の世界についてそこまで詳しいとは思わなかった。それに……その”神の子の遺体”という単語は、初めて聞くぜ? 一体、何なんだ?」


 魔王は、両手を組んで気難しそうな顔をする。彼は、何かを考えている様子だった。……そして、やがて魔王は考え事を済ませた様子で語り始めるのだった。


「……うむ。当然だ。俺は、お前達が ”聖書”と呼んでいる本が書き記されるよりも前の時代から生きているからな。この世界に人間がやって来た頃の事からある程度の歴史は知っている。しかし……それを君達に言うべきか、否か……。うむ……まぁ仕方ない。俺の里と家族を守ってくれた者達だ。褒美として教えてやろう。……お前達、人間の世界で言う所の”神話の時代”の事について。そして、先代の勇者達の事について。ジャンゴ? 君が、これから勇者としてこの世界で生きていく中で歩む事になるかもしれない運命についても……」


 空気が引き締まった感じだ。私達は、魔王の顔を真剣に見つめて、これから語られる事によく耳を澄ませた。魔王は、真剣だが……何処か懐かしそうな顔で語り始める。


「あれは……今から1万年くらい前になるんだろうか……。当時、俺はまだガキだった。魔王も当時は、まだ俺の親父がやっていた頃だ……ずっと昔の話だ」


                     *


 ――その昔、この土地には魔族しか住んでいなかった。広大な大陸の上で様々な魔族達が、生活しており、彼らは争いもなく平和に過ごしていた。


 ところが、ある時……大陸の向こうから木で作られた一隻の大きな大きな方舟が魔族達の住む大陸へやって来た。その船の中には、おおよそ8人の人間達が乗っており、彼らは子供の妻たちを除いて全員が血縁者だった。彼らは長い船旅を終えてこの大陸に到達したらしく、全員が腹を空かせており、疲れ切っていた。また、船には人間の他に動物も乗っており、様々な動物がオスとメス一匹ずつ乗っていた。


 魔族達は、そんな人間達の為に彼らを自分達の住んでいる里へ連れていき、彼らに食事と宿を与えた。人間達は、大喜びで魔族達に感謝した。


 人間と魔族は、すぐに仲良くなった。魔族は、人間に魔法を教えて、彼らの日々の生活を支えてあげたり、大陸中の様々な場所へ案内してあげた。


 ――やがて、人間達は子供を産み……少しずつ人間の数も増えていった……。


 やがて、人々は自分達だけの小さな集落を大陸の北東部へ作っていった。その集落は、時間と共に人口も増していき、人間達は更に住む場所を広げていった。そうやって人間達の輪が広がって行く中で、やがて人々の中でリーダーとなる者が現れて、彼を中心に人間達は徐々に魔族へ反抗するようになった。


 人間達は、魔族から教わった魔法を使って魔族達を殺したり、彼らから食料を奪ったりした。人間の知恵はとんでもなく、彼らは魔力を応用した道具を次々作り出し、魔族達を次第に無差別に殺したり、奴隷にしたりして魔族達から恐れられるようになった。


 気付けば人間達は、自分達の国を作り、リーダーはやがて王となり、大陸の北東部の一帯は少しずつ人間だけの場所となっていた。



 危機感を感じた魔族達は、人間から領地を奪い返すために戦いを始め、人間達も魔族と戦い始める。


 はじめこそ、魔力の量や質で劣る人間達が不利ではあったが、人間は物凄いスピードで数を増やし、次第に数の暴力で魔族達と渡り合うようになる。


 更に人々の開発技術は凄まじく、様々な武器や独自の魔法、そして奴隷として使役した魔族を使って戦争に勝つようになる。


 しかし、戦いの中で傷ついていった両者は、次第に消耗しきってしまう――。


 そんな時、人々が最後に頼ったのは女神の降臨とそれを守護する勇者の存在だった。


 人間達は、全ての魔力を結集させ、女神を降臨させる。そして、女神を守るために必要な3人の勇者を異界から呼び寄せた。


 3人の勇者……それは、女神を守護し、魔族を殺すために戦い続ける運命を背負った存在。たとえ、己の身が孤独に苛まれようと……。


 聖書によれば……その昔、魔族と人間、争い続けるこの世界に舞い降りし女神。人々は、救いを求めて女神に祈りを捧げる。女神を守るは……”異界から現れた勇者達。1人は、鋼の心臓を持ち、その強靭な精神力と硬い意志で守り抜く。もう1人は、万能の肉体を持つ……。そして……女神を守るため時を超えて戦い続ける。最後の1人は、“創造の知恵”を持つ。


 彼らに与えられた鋼の心臓、万能肉体、創造の知恵は、それぞれ神の子の遺体と呼ばれており、元々は1つだったものが体、脳みそ、心臓と3つに分かれた。この遺体は、誰の遺体であるか……それは分からない。しかし、人々が大陸へやってくる前から棺桶の中に保管されており、その神聖さ故に腐らない。


 遺体は、召喚された勇者達の体の中に入っていき、彼らに神具を操る力とそれ以外にもう1つだけ能力を授ける。


 最後の聖戦。人間は、魔族を滅ぼすために女神と勇者の力を使った……。


 こうして、大多数の魔族が滅んでしまったが……同時に人間もこれまでの戦争によってその数を大きく減らしてしまった。3人の勇者達もそれぞれ何処かへ消えてしまった。


 両者は再び長い停戦期間に入った。現魔王アブシエードが即位したのもこの空白の期間での事だった。


 両者は、停戦期間中は特にお互い干渉しあう事も少なかったが、しかし数千年後に再び人と魔の争いは、再会された。この戦いの中で人間は「杖」を開発し、魔族を次々と殺していった。


 そして、魔族と人間の争いの歴史は、300年前の南北大戦争で人間が勝利を収めた事によって終戦した。人間は、広大な土地を得て、魔族は南の端に追いやられてしまった。


 こうして……現代へと繋がるのだった。

 

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