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エピソード01 対水上艦戦闘訓練1:短距離魚雷発射訓練

お読みいただきましてありがとうございます。


この話は、「 https://kakuyomu.jp/works/16817330650891495839 」にも掲載しております。そちらは不定期の午前に投稿させていただいております。

「メインタンク、注水開始! ダウントリム25(フタジュウゴ)


「ーーメインタンクに注水完了、潜航用意!」


 艦長の海馬(かいば)(みちる)は、操舵長の志田原(しだはら)歌音(かのん)に指示を出した。


 ゆっくりと艦内が前のめりになる中、立っている船員は身体の重心を後ろにそらして傾斜を耐え始めた。


歌音(かのん)。 (かじ)を水平に戻して、魚雷発射訓練開始だ」


 深度計が23という数字を示し始めた時、艦水平という指示を出した。


「舵、ただいま水平。 (みちる)、訓練開始判断を」


「分かった。 これより訓練を開始する、攻撃を受けた側という内容だ。敵は水上艦であり、700(トン)クラスの駆逐艦という仮の想定だ。 ヨシ・・・説明は以上、訓練開始!」


 副艦長の有野(ありの)河南(かなん)がすぐに赤いボタンを短く3回押すと、発令所内の電灯や艦内の電灯などが一斉に訓練開始を告げる黄色に変わった。


「対水上戦闘、訓練開始。総員、訓練配置に着け」


 艦内で(くつろ)いでいた女性士官達が慌ただしく動き回り、訓練と言えども実戦と変わりない配置に着き各計器類の確認作業の末に『確認完了』というボタンを押し始めた。


「各配置より、確認取れた」


「りょーかーい! みっ君、こっちも準備いいよ〜!」


 魚雷発射管や垂直発射装置を担当するのは、紫衣(しい)海夢(まりん)だ。言動から分かるはず、天真爛漫なこの(ふね)のムードメーカーだ。


「分かったよ、海夢(まりん)。 じゃあ、短距離魚雷(SRT)を1番に装填後、2番と3番に長距離魚雷(LRT)を2本装填して待機」


※短距離魚雷・・・SRT(Short Range Torpedo)主に対水上艦戦闘用魚雷


※長距離魚雷・・・LRT(Long Range Torpedo)主に対潜水艦戦闘用魚雷


「りょぅかーい!」


 指示された魚雷を発射管に装填させるのは、基本自動(オートマチック)だが非常時は手動装填になる。その為、訓練中は手動による人力装填になるが、艦首発射管と艦尾発射管付近に装填だけを行う士官達が居る。


『こちらは、発令所だよ〜。 SRT1本を1番に、LRT2本を2番と3番に装填して〜』


 紫衣(しい)の声が聞こえてくると彼女達は、魚雷棚に書かれた札を頼りにそれらの魚雷を見つけて手動クレーンで発射管装填口に運搬し魚雷を中に押し込んだ。


 そして、発射管の扉を閉めて安全ハンドルを右に回して『注水』と書かれている青いボタンを押した。


「ーー艦首発射管室より発令所へ、全魚雷。準備完了です」


『おっけぇい!』


 そして、発令所では紫衣(しい)がモニターを見ながら声を上げた。


「ーーみっ君、みっ君。全魚雷、オールクリアだよ〜!」


海夢(まりん)SRT(短距離魚雷)発射始め。 起爆まで7秒にセットだ」


「ーーカウントセット、SRT。 発射ぁ!」


 発射口の扉が内側に開き、中から短距離用の魚雷が飛び出してきっちり7秒後に起爆した。


「起爆音を確認したわ」


 そう言ったのは、水中測的(ソナー)員の綾野(あやの)夏織(かおり)だ。しっかり者でしかも自他共に認める水中の地獄耳だ。つまり、【彼女に見つかれば死を意味する】という訳だ。

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