~兜族の兄弟が繰り広げる魂の戦い!~
初書きでございます。
つたない文章、表現、および設定ですが、温かい目でお読みください。
「魔法」
それは禁忌の力。古代の残骸。忘却の彼方。
「よ~し!今日もあの木まで競争だ!」
「あの木って...いったいどの木だよ...」
「もたもたしてっと置いてくぞ!!」
「ったく、こりゃ飛ばないと追いつけない...かっと!」
「ひ、卑怯じゃねーか!自分の足で走れよ!」
「お前は飛べないけど速く走れる。僕は早く走れないけど飛べる。これのどこが卑怯だというんだい?」
「くそ~!」
森の中で兄弟が二人、遊んでいる。名は兄がキング、弟がライジ。
キングは絵にかいたようなバカで、破天荒で、とにかくうるさい。
対してライジは冷静で頭が良い。
「なんでここまで正反対に生まれちまったんだかなぁ~...」
そして私は二人の父、エンぺル。この森の守護者。
この森に住む我ら兜族は、代々この森で「魔」の力を封じてきた。
また、この森は結解としての力も同時に果たしている。と、父が言っていた。
「最近は魔の力も弱まってきてるし、あいつらの代で最後かなァ」
(バリッ)
ひずみがひとつ
(バリバリッ)
ひずみがふたつ
(バリバリバリッ)
あーあ。われちゃいそ
(ガシャン...)
__!?
寒気がした。今この瞬間。
(まさか、、、)
彼の顔がみるみる青ざめる。が、すぐに立ち直る。
「結解が、、、破られたか...なぜだ。」
考えている時間は無い。急いで向かわねば。
「親父。俺も感じたよ。」
「父さん、僕もだ。」
(ここに残して、、、いや、逆に危険か...仕方ない。)
「ここからは、修行とは違うぞ。命の戦いだ。それでも来るのか?」
「それは親父だって同じだろ。任しとけ、全員ぶっ飛ばす。」
「僕も同じです。僕たちは3人で”守護者”でしょう?_」
「...ついてこい。」
(これは...)
そこにふらふらと立っているのは謎の男。
「ん~、久しぶりだねェ、エンぺルッッッ!!!!」
「っああ~、まだ慣れないな。」
(誰だ!?この男を俺は知らない。だが、感じる力には覚えがある...)
「魔法使い...か。」
「ん~、ちょっとハズレ。正解教えよっか。」
直後、その男は闇に包まれる。
「うわぁ~!」「なんだあいつ」「わからん...だが用心しろ!」
「やっぱこれないとダメかな。」
そこに現れたのは、黒い帽子、黒いマント、とにかく黒い。
「改めて自己紹介しようか。おや、そちらの二人は息子さんたちかな?」
「はじめまして、私は「魔王」。」
「といっても、その一部だけどネ。」
「あと、ちょっとは危機感覚えたほうがいいよ~。」
「僕が一人で破ったんだから。この結解。結解の魔力は美味しかったなぁ~。なんていうの?昔人の古臭~い魔力から最新の麗しい魔力まで...全部♡」
何を言っているんだこいつは...「魔王」!?
かつての兜族の王とその臣下である九皇が多数の犠牲をかけてようやく倒したというあの...!?
(であれば...)
「キング、ライジ、逃げろ。」
「え!?なんでだよ、さっき言っただろ。俺たち3人で守護者だって。」
「もう、守護者は必要ない。」
「結解が破られた以上、もうここを守る必要はないんだ。」
「あいつは魔王、だが、その一部とも言っていた。だから俺が本気を出せば倒せるかもしれない。だが、それにはお前たちが邪魔なんだ...」
「もう一度言うぞ、逃げろ。」
「なんでだよ、なn...」
「父さん、こいつは俺が連れていきます。」
(たくましくなったな...ライジ。いい目だ、覚悟している。)
「...頼んだぞ。」
「絶対に死なないでくださいね。」
「当たり前だ。俺を誰だと思ってやがる。」
バッ!
(ごめんな...二人とも、最後まで良い親父でいれなくて。)