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右腕始動

よろしく

 「お前右腕なくなってから本当に使えないよな。」


 滞在先の宿で、傭兵団のリーダーであるイヤミンゴから放たれた言葉は、薄情でありいとも簡単にリョウマの心を傷つけた。


「俺は確かに戦闘はできないけど、その分他の傭兵のサポートや斥候をしてきた!俺は俺なりにできることをしたじゃないか!」


 リョウマは椅子から立ち上がり大きな声でイヤミンゴの言葉を否定した。


「できることをするだぁ?んなもんあたりまえじゃねえか。こっちは給料はらってるんだぜ。」



(自分がなにしたかわかってんのかイヤミンゴ!!!)



「もとはといえばきみのせいで右腕がなくなったんじゃないか。」



「えぇ?そうだったっけ。まっ傭兵稼業にはケガが付きもんだろ。書類上はてんめぇのプライベートで腕なくなったことになってるから。労災申請しなかったてんめぇが悪いンだわ。」


(は?)


「労災隠しは君の指示だろ!!」




「うっせえな。けっこうつええ新人もはいってくるし、てんめぇ雇うの金のむだなンだわ。」



すぅぅぅぅ



「荷物まとめて出ていきやがれ!!!!!!!!!」





(ふざけるなこのクソミンゴがっ!!!!!!)




すべてが無駄だった。いくら懇願してもクビは確定していた。


「チッ!もういい!こんなとこ抜けてやる!」


俺は荷物を持って宿屋を飛び出した。


「じゃあな!使えないくそリョーマくん!」


 宿屋からそんな声が聞こえたが俺は無視してひたすら走った。


その後俺は再就職を果たそうとしたが右腕を失った俺を雇ってくれるところはなかった。そして俺は乞食に転落し、道行く人にひたすら金や食べ物をねだりに行く日々であった。


 しかし、そんな生活が続くわけがなく、とても寒い冬の日暖もなく、食べ物がなく、凍え死ぬか餓死するかの2択に迫られた。


視界がかすみとても眠くなっていく・・・


(ああ、腹減ったなー、、ステーキが腹いっぱい食べたい。あったかいスープも飲みたい、、、)


 目の前に映るのはまだ右腕があった頃、傭兵団の仲間とドラゴン討伐の成功を祝っての宴会の憧憬、、だあった。


 (おい!お前肉ばっかり取んじゃねー!俺のさらに野菜しか乗ってねーじゃねーか!)


 (ははは、ワリィワリィ。)


 (ほんとに反省してんのか、まあいい、今日のお前は英雄だからな!)


 「おい!起きろ!やばいなかなり危険な状態だ!おいっおいっ!」


 消えていく意識の中で、何かの声が聞こえる。




ありがとう

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