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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

親友と異世界 SS

SS 調教師、ブラグラスト。

作者: 黒柳浪


わいはブラグラスト。


ベルモア家に仕える飛竜の調教師じゃ。


ベルモア家の仲間にゃあブラドとか、ブラッドとか呼ばれとる。


飛竜の調教師になるにゃあ長い下積みがいるんじゃけぇど、わいは若うして飛竜の調教師になるためん国家試験に受かってしもうた。


試験後に受けた講習会じゃあわい以外皆おっさんばぁでどえれぇういとった。


わいは調教師んなったあと、ベルモア家に声をかけられた。


ベルモア家ってったら、国境沿いん辺境伯の家じゃ。


ほんで領地にゃあ飛竜の縄張りがある。


この国ん中じゃあ飛竜がいっちゃんおるんがベルモア家じゃ。


そっから声をかけられるんは調教師としてごっつう名誉なことじゃった。


わいはベルモア家の調教師んなった。


今じゃあ調教師の筆頭として国ん中じゃあ結構知られるようんなった。


飛竜の頭のレオルとも仲ようしてもろうてわい自身、調教師としての自信がついてきたとこじゃった。


じゃけど、最近そんなわいの自信を打ち砕くことがあったんじゃ。


異世界からきたゆう恵梨香っちゅう女の子。


わいがまだ飛び籠の準備をしょおるときんレオルに触ったらしい。


レオルは飛竜の頭としてプライドが高うて、わいは側によるだけでも1年以上かかった。


それがいきなり触るなんかあり得んことじゃった。


それも、飛竜が一番触るんを嫌う頭をレオルから差し出した言うんが信じられんかった。


わいが駆けつけたあとも、レオル自ら飛び籠をひくし、いつもより揺れんように気いつこうてとびょうるし、いつものレオルからは考えれんことばっかりじゃ。


王都に着いてから飛竜を竜舎に連れてって世話をする。


レオルが飛び籠ひいたんも初めてやったから、こうしてベルモア家以外の場所で世話をするんは新鮮な気分やった。


「今日はおつかれさんなぁ」


レオルに声かけながら身体をブラシで撫でてやる。


いつもはこうしょおる時にゃあこっちをじいっと見ようるんじゃけど、今日はずっと城ん方を見つめとる。


「……そねぇに恵梨香言うんが気になっとるんか?」


わいも城の方を見ながら呟いた。


「ゴガァウゥ……」


レオルは答えるように鳴いた。






それから城のメイドさんがわいんとこに来て、今日は泊まれえ言うてきた。


城の使用人が使う部屋をあててくれたんじゃけど、わいは知らんもんとはよう一緒にゃあ寝れん。


レオルんとこに毛布を持ってって寝ることにした。


やっぱり初めての場所で落ち着かんのか、レオルはずっと落ち着きがなかった。


じゃけど夜おそうなって、心配じゃったけど疲れもあってかわいはうとうととしだした。


「グルルアァァ!」


いきなりレオルの大きな鳴き声がしたんでわいは飛び起きた。


何かあったんかと辺りを見渡すと、竜舎の闇に溶けるように大きな狼がそこにおった。


狼とレオルがにらみおうとる。


2匹は唸るように鳴いとって、何かしゃべりょおる様にも聞こえた。


最後に狼がひと鳴きすると、レオルはふて腐れたような感じで地にふせってしもうた。


狼はそれを見て城の方へ帰っていった。


「なんじゃったんじゃ、ありゃあ?」


「グルルゥゥ。グギャア……」


そういってレオルは寝てしもうた。


ようわからんが、きっとさっきの狼も恵梨香絡みなんじゃろうなとおもった。


わいはそんなレオルをみて、恵梨香んことがちょっとだけ嫌いになった。


ブクマ、評価ありがとうございます!

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