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選挙についての雑感と若者の投票率の低さ

私は大学生なので、周りにいるのはほとんど二十歳を越えている。

超えていない知り合いもいるが、大半が18歳以上である。


18歳以上というと、まず思い浮かぶのが、“選挙”である。


知り合いや友人と話していても、“選挙”というと面倒なイメージを持っている者が多くいる。


「行くのが面倒」「行っても変わらない」「どの政党がいいのかわからない」「どうでもいい」

そんな意見をよく耳にする。


若者の大半、6割以上がそう考えている現状で、若者向けの政策など出てくるはずもない。



年金問題、介護問題、その他もろもろの問題…ほとんどが高齢者向けの政策である。

これはなぜか、“高齢者の投票率が高い”ためである。


ここまでは誰でも、少し社会科を学んで考えたことのある者ならだれでも分かることだろう。

今の政治形態は、選挙で選ばれなければ、政治家にはなれない。選挙に落選した政治家は“無職”なのである。


もちろん、別の仕事をしている中で立候補しようとする人もいるし、スポーツ選手が立候補するとなった場合はもし落選してもタレントだのコーチだの、何かしら別の仕事が見つかるわけだが、そうでない者は須らく無職である。


選ばれるためには、選ばれやすい公約、政策を挙げざるを得ない。つまり、投票率の高い年代をターゲットにした政策ばかりになるのは必然なのである。



もちろん、選挙に行くから何かが絶対変わる、などということはあり得ない。

一人増えたところで、確かに無駄に見える。


しかし、それは短期的に観た観測である。少なくとも、無効票が増えているという状況になれば、その無効票にも意識を向けねばならないはずである。一定以上の割合の得票率がないと当選できないどころか、下手をすると、立候補時に支払ったお金(詳細は割愛、立候補するために必要なお金。立候補者を厳選するための制度)が返還されない。特に得票率が低そうな場合、それ以上に下がると損失が出てしまう候補も現れるだろう。


だから、政党が分からないだとか、だれでもいい、と思う人は、白紙で投票してほしいものである。

行かないことが反抗にはならない。むしろ「行く」人たちの追い風、特に現状多数派にある人々のサポートをしていることになる。反対しているはずが、賛成派の手伝いをしていることになってしまう。



いちばん理想的なのは、「せーので」行かなかった人も皆選挙に行くことである。

フィリピンなどでは、選挙に行くことが義務化されており、行かない場合に罰則がある国もある。

しかし、日本は義務ではなく権利としての保証をしている。この差は大きい。


ただ、「行きたくない」から行かない、そんな子供のような理由で行かないのは、自分の国を、くらしを、軽んじているようにしか見えない。少なくとも現状暮らす中で、様々な行政のサポートを、住民は受けているはずである。



若者の投票率の低さが、最終的にこの国にどのような影響を与えるのか、私はよく考える。

そして、行かない人にどう言う言葉をかけると、少しは選挙に興味を持つのか、と思ったときに、私はこんな話をする。


例えば一番強い力をもつ政党が、大半の議席を占めたとする。

その政党が、例えばニートをすべて粛清する、という法案を提出したとする。

この法案が衆議院で一度2/3以上の可決を得たとすると、ほぼ確実にこの法案が通ってしまうことになる。

その結果、ニートは殺されるか、捕まるかしかなくなってしまう…。


このように極端な事例が実際に起こるような国になっていたら、もはやその国はおしまいである。

今の日本がそうなるとしても、すぐにそうはならないだろう。しかし、今のままでは、そうなってしまってもおかしくはないのだ。


ひと言でいうと、あなたが選ばなかった結果、「死ね」と国から言われても、あなたは納得できるのか、という話である。直接的に言うことは無くとも、例えば「徴兵で前線に送る」だとか「生産性のない国民は強制労働」だとか、そんなことになる可能性が、0だとは言えない。


しかし、投票に行く高齢者は守られている。

「子どももいないし関係ないわ」「俺たちは楽に暮らしていけるし」

これでは中世の絶対王政、貴族主義となんら変わりがない。


話は変わるが、世界情勢を見ていると、トランプ大統領に代表される多くの国の指導者が、“個人主義”的な発言、政策の推進を行なっている。富裕層は自分の“財”力があるので問題はない。しかし、貧者は?社会的な弱者は踏みつぶされておしまいなのだろうか?

アメリカの投票者はトランプを選んだ。彼は選挙前に示した公約のほとんどを実現している。

メキシコとの国境に壁をつくる?正しい移民は入れるようにしたところで、である。

確かに不法移民問題はあるし、一つの手として考えられることではあろう。しかし、しかしだ。

ただ「臭い物に蓋をする」政策をするだけで、本当にその国は、国として成長することができるのだろうか?


自分が選んだ政党が選挙で勝つならいい。しかし、勝てないからと言って最初から投げ出していいのか?

1票の差で、少なくともその差を、政治家は考えなければならない。そうでないと、次の選挙に勝てる見込みはほとんどない。


あなたの一票が、政治に与える影響は、投票に行った選挙に関してはほとんどないかもしれない。しかし、私は若者の投票率が上がってほしい。少なくとも5割、もちろん理想を言うと100%になってほしい。

だから、選挙に行くことでよくなると思われることを書いた方が、おそらく効果的なのだと思う。

しかし、絶対でもないことをうそぶくほど、わたしは器用ではないし融通が効く方でもない。


直接的に効果がなくとも、続けることに意義がある…私はこのことが、どんなものにも通用する考え方だと信じている。できることなら選挙に行ったことのない人には選挙に行ってほしいし、行かない友人がいたら一緒に行こうと誘ってやってほしい。

説得できるかはともかく、その話をするだけで何かが変わると私は信じる。

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