感性の牢獄
本棚を開きもしない参考書で埋めた
鞄に勉強したくもない単位を詰めた
口に当たり障りのない言葉を集め
枕にかつて抱いていた夢達をうずめた
存在価値に満たされた部屋は
知識を求める主を待つ
首吊り自殺の現場には
数式とサッカーボールが転がっていた
綴られた物語の上には
薄汚い赤インクが零れていた
僕に似た形をした化物が
口から吐き出したものだった
命の価値を塗り潰す有毒物質を浴び続けて殻は毀れ頭はショートして脚は錆び付いた
今なお止まぬ雑音に耳は犯され続けて飲み込んだ怒りで喉をつまらせた
齧っては吐き出した現実の欠片を再び口に戻しては嗚咽を繰り返し
流した涙に溺れて深く深く沈みながら水面にきらめく明かりに手を伸ばした
言葉 に枯葉剤が効いたのなら
僕は