『爆』初デート・前編
いよいよ初デートです!
どんな展開になるのかご期待ください!
「さあ、どれから乗りましょうか、いろいろありますよ!」
あの騒動から数日が経ち本当にデートをする事になってしまった。
デートと言われて思い浮かぶところといえば、ショッピングモールや遊園地が定番だ。
そしておれは今、その定番の遊園地に来ている。
やけにテンション高いな?、まあいい。
「そうだな〜、やっぱり遊園地といえば観覧車」
思いつきでそう言ってみると…
「ダ、ダメです!!」
いきなり否定された。
「え?! どうして?」
一応、聞きなおしてみた。
「そ、それは…」
何か言いかけようとすると、カメラを持った坊主頭の男が近寄ってきた。
よく見ると見覚えがある。
「あれ亮太じゃん」
「石川!?」
思わず声をだしてしまう。
『なんでこんなところに』
「おいおい、なんでそんなに驚くんだよ…って」
「ん、どっどうした‥」
「あれ、そこにいるのは三枝様?」
「様??ナニ言ってんの石川?」
「バカかお前は!!」
バカと言われて少し頭にきたが、
石川の勢いに圧倒され言葉もでなかった。
「三枝様といえば、転校して間もないのにお前以外の全員が告った、伝説的なお方だぞ」
「ああ〜そういえばお前も告ってたな」
クラスのほぼ全員、というかおれを除いた全員は告白しただけで
返事は全員「すみません」とか「ごめんなさい」の一言だった。
「あれは傑作だったぞ」
皮肉をこめて言ってみる
「そ、それはどうでもいい」
話を戻せれる。
「そんなことよりも、なんで、お前が三枝様と一緒にいるかだ」
「それは〜」
言葉に迷っていると横から声が聞こえてきた。
「私達、許婚同士なんです」
一瞬、間が空いたが直ぐにおれがフォローに入る。
「い、いやー・えーと・これはだなぁ」
言葉が片言になってしまう。
ヤバイ、全然フォローできてない。
口を開けたまま、ぽかーっと立っていた石川が正気に戻る。
「許婚って・あの・許婚か」
「はい、あの許婚です。まあでも許婚でなくても私から告白していたと思います!」
優梨は屈託のない、満面な笑みを浮かべて言った。
『は!!??』
石川の顔がそう言っていた
「バカ!余計なことを言うな優梨」
「優梨?優梨!?優梨ですと〜!?」
もう一度、正気に戻った石川が反応する。
『ヤバイ』
あの騒動の後、
親父からは「許婚同士なのだから名前で呼べよ!!」
と言われていたためおれはできる限り名前で呼ぶように心がけるていたが、
なかなか呼ぶことはできなかった。
今日こそ!!と思って意識していたのが裏目にでてしまった。
「お、お前 クラス全員を敵に回したな」
「ちょっと待っ…」
おれが反論する前に石川はポケットから
《情報収集専用》と書かれたテープを貼った携帯電話を取り出すと電話かけ始める。
「もしもし、部長ですか? ビックニュースがあります」
電話をしたまま石川は人混みのなかに紛れていった。
「や、やられた」
「なにをですか?」
「あいつは新聞部なんだよ!」
「しかも、あいつが書いた記事はいつも人気でその内容は次の日には校内中に広まっている」
おれが通う、国立不動学園は古くからある名門高校である。
部活動の数は100を超えおり、運動部は全国大会レベルであった。
しかし、我が不動高校一番人気新聞部であった。
理由はよく知られていないが、この新聞部には何故か人が集まる。
そのためか新聞部が毎月張り出している壁新聞の前にはいつも人が集まっていた。
その中でも石川の記事は特に人気があり、
石川が書いた内容は、直ぐに校舎中に広まるというわけだ。
「いいじゃないですか」
「いいわけないだろ…」
そう言いかけると優梨の声は急に冷たくなった。
「嫌なんですか?」
「ふぇ」
つい変な声を出す。
「いっ嫌じゃない…」
「ならいいじゃありませんか!!」
最後まで言う前に優梨が割り込んできた。
あと声が元に戻った。
「さあ、デートの続きですよ!!!!! 亮太さん…」
恥ずかしがりながらおれの名前を呼んできた。
なんだかんだ言って優梨に名前を呼ばれたのは初めてじゃないか?
そう考えるとおれも恥ずかしくなってしまい、
「お・おう・行こ・うか」
また片言になってしまった。
デートはまだまだ続く。
読んでいただきありがとうございました。
次回は話が急展開しますので是非読んでください。