第弐話 儂が作ってやる!
「うい、到着だぜ。」
「わー!おっきい家!」
家に着いた。正直一人増えたところで元は一人暮らしだったので、窮屈になることはない。
ただ、そのなぁ…小傘女の子だからなぁ。まぁいいか。
ガチャリと鍵を開け中に入る。それに続き小傘も中に入る。
構造は、一回にリビングと風呂にトイレ。そして二階には元両親の部屋と俺の部屋がある。
「小傘、二階の空いてる部屋のどっちか使っていいからな。」
「うん♪分かったぁ♪」グゥゥゥゥゥ「あ///」
「腹減ったなぁ、そりゃそうか。今10時だもんな。」
とはいえ、冷蔵庫は空。
買ってきた物を小傘にあげてもいいが、俺の分がねぇんだよなぁ…
そのとき…
「ピーンポーン」
こんな真夜中に誰だ?
「は~い。」ガチャ
「ヤッホー、作りに来たぞい♪」
「作りに来たってお前なぁ…今度って言ってたじゃん!」
「おや?そんな事言ったかの?(すっとぼけ)」
「ねぇねぇ、ひびき~だれ~?」
おっとこれはまずい。
小傘を見られてしまった。
「あら?響輝君このこだぁれ?」
「っ!ったく紹介するよ。小傘だ。」
「おねぇちゃんよろしく~」
「ウフフ、よろしくー」
こいつなぁ…
まぁいいや。この際作ってもらうか。帰ってないみたいだし。
なぜ帰ってないと分かったか。それはコンビニの袋に食料いっぱいのスーパーの袋を持っていたからだ。
「まぁいいや、作ってくれ。」
「あれぇ?響輝君もうちょっと丁寧に言えないのぉ?」
「~~~っ!作ってくださいマミさん!」
「よろしい。」
ったく何なんだこいつ。
「えへへ~マミさんの料理楽しみ~♪」
まぁ小傘も喜んでるし、いっか。
少女料理中…
「今日はカレーです!」
「今日ってお前…毎日来るのか?」
「だって一人じゃ寂しいもん。」
「じゃあ…」
「「「いただきまーす!」」」
そういや、カレーなんてレトルトしか食べたことなかったな。
手作りは…母親のが最後か。ムグッ
「上手い!」
「マミさん美味しい!」
「えへへ、マミでいいよぉ。それよりも響輝くん。小傘ちゃんの事聞かせてくれる?」
「あぁ、実はなぁ…」
少女説明中…
「妖怪!?それはびっくり!私の友達にねぇ、そういうの好きな子がいるんだぁ」
「あいつか。それより、いつまでその話し方でいくんだ?」
「そうじゃな。しんどくなってきたわい。」
「「!?」」
いきなり話し方を変えるんじゃない!
ほら、小傘もびっくりしてるだろ!
「マミ姉ちゃん…カッコいい!」
どうしてそうなる。
「そうか?それで明日なんじゃが…みんなでデパートに行かぬか?」
「あぁ、着替えとかもあるしな。何より明日から長期休みだっけ?」
うちの学校は、結構緩い学校で五月のこの頃になると学校長が「勉強ジャー!」
とか言って、強制的に休みになる。とはいえ、たいていの奴は遊んでるが。
「ということで今日は儂泊まっていくぞい。」
「おいおい、マジかよ!着替えは!?」
「下着以外、借りるぞい。」
「やったぁ♪マミ姉ちゃんと寝る~♪」
「なんてこったい…」
「「ごちそうさまでした」」
「お粗末さまでした」
ジャー
リビングに、シャワーの音が鳴り響く。
小傘とマミはお風呂。俺は一人でテレビを見ていた。
「あぁ、明日どうすっかなぁ。」
小傘用の家具に飯かぁ。金はあるから問題ないが、飯だなぁ。
一応作れるには作れる。ただ、今日のマミのカレーで自信を無くしてしまったのだ。
いっそのことマミに…いやいや!ダメだ。
「仕方ねぇ。教えてもらうかぁ。」
そう考えていると、マミと小傘が上がってきた。
「風呂空いたぞい。」ホカホカ
「わー、この服ぶかぶか~♪」
「明日買いに行かねぇとなぁ。」
風呂に入ると、いい匂いがした。
おっと、そんな事考えちゃあだめだ。
青年、バスタイム中…
「ふう、やっぱりお風呂はいいなぁ。」ホカホカ
「あれ?みんな寝てる?」
リビングに行くとリビングの電気は消えており、響輝も寝ることにした。
そして自分の部屋のドアを開けると…
「…へ?」
俺のベッドにマミと小傘が寝ていた。
「…つまり、男は下で寝ろって事かぁ…」
仕方ないので、マミが持ってきた寝袋で寝ることにした。
前書き後書き等は、次回書きます。