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魔法陣

閲覧して良かったらお気に入り宜しくお願いします。

兄さんは魔法陣に右手を近づけて魔法陣を右手で(つか)んで広げるような仕草(しぐさ)をした。



すると魔法陣がググッと1メートルぐらいに広がった。



「龍よ。

俺に接するように近づいて魔法陣の中に入れよ」



兄さんに指図されて僕は、何だろうと思いながらドキドキしながら近づいた。



魔法陣の中に入ると、プーンと僕の好きなライラックの花の香りがした。



魔法陣の中は余り居心地が良くない。



頭が半分痺れたようにジーンとするし、心臓がバクバクと暴れている。



兄さんに聞いたら、魔方陣の中も外も同じだよ。


ライラックの香りなどしないし気のせいだ。

と笑われた。



「そろそろ行くぞ」



兄さんが

『瞬間移動』

と呪文を唱えた。



魔法陣が、急にぐにゃりと歪む。



『な、何これ!』



僕は思わず声を上げてしまった。



目眩とも吐き気とも知れない感覚が急激に込み上げてくる。


そして目の前が真っ暗になった。


その刹那(せつな)、僕は深い井戸の底へ吸い込まれるような感覚を覚えた。



突然、身体が軽くなった。



そして身体を(おお)っていた不快な感覚が消滅した。


暗闇から明るい場所に急に出たような(まぶ)しさに、僕は右手で目を(おお)った。



「龍よ。どうした?」



兄さんが肩を叩いた。



「うん。 どうもしないよ」



僕は、ゆっくりと体を動かしながら回りを見回した。



眼前の景色は一変していた。



200メートル先には深い森が広がっていた。



「す、凄い!

本当に魔法で瞬間移動したんだね。


兄さん。魔法でどこでも移動できるの?」



「もちろん出来るよ」



兄さんが、そう言いながら足元を指差す。



そして(かが)んで、親指よりも大きい緑石を手に取った。



兄さんが手に取った緑石には小さな幾何学的な紋様が刻まれていた。



「龍よ。瞬間移動はこの緑石を置いた場所まで移動出来るんだ」



「そうなんだ。もし緑石が無くなっていたら瞬間移動出来ないの?」



「緑石が無くなっても大丈夫だよ。

緑石を置いた時点で魔法書に刻まれるからね」


兄さんは笑いながら僕に言った。



「瞬間移動って凄いな。

他にどんな魔法があるの?」



「そんなにたくさんは無いけどね。

龍を強くする魔法をかけてあげよう」



「本当!?」



僕は思わず喜びの声をあげた。



兄さんは魔法書の上で右手の人差し指を軽く叩くような仕草をした。



僕は魔法書を覗いたが何故か白紙に見える。


でも兄さんには見えるらしい。


兄さんの人差し指に絡み付くように緑の炎がチロチロと現れた。



兄さんは人差し指を自分の額の辺りに当てて、その人差し指を僕の額に当ててきた。



その感触はヒンヤリした物だった。



その瞬間、緑の炎が全身に広がった。



「す、凄い!」


僕の服がキラキラと輝きだした。



「魔法の書を覗き込んでいたけど白紙だっただろう。


俺には「?」の全てが見えるんだよ」



そう言いながら兄さんは、また魔法の書を右手の人差し指でチョンとタッチした。



急に目の前に幅70センチ縦1メートル50センチの鏡が現れた。



「に、兄さん凄い!?」



僕は魔法で出現した鏡を見て、ビックリして口を半開きにして閉じるのを忘れていた。



「龍よ。そんなに驚かなくてもいいよ。


これは収納している物を出しただけだよ。


収納ケースには100キロまで入れられる。


これが一番簡単な収納の魔法だ」



兄さんは得意気に笑いながら言った。








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