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竹内大和の場合


「というわけで、夜の学校よ」


何が「というわで」なのか

全然分からない。


美由紀は大和を

放課後に呼び出したと思えば


芽衣の「当たって砕けろ!バレンタイン作戦」の

概要を急に話しだしたのだ。


「何だよ、美由紀。

 俺に告白を見守れとか言うのかよ」


口をとがらせる。

冗談じゃねえぞ、と。


すると

意外なことに美由紀は


「逆よ、阻止するのよ」


と力強く言った。


あれ、

こいつ芽衣のこと応援してねぇのか。


「あんたの万年片思いも

 今年のバレンタインで終わるのよ」


と俺を励ましてくれる。

なんだ、なんだ?


「美由紀は俺を応援してるのか?」


「あったりまえでしょ」


「何で?」


美由紀は困ったような顔をして

何かを思い出したように


わぁ、違う。絶対違うんだから。

と独り語を言う。


それから

こう言った。


「直人くんに一泡吹かせるのよ!」


そうか、

美由紀は直人が嫌いなんだな。

と大和は勝手に納得すると


「美由紀、お前はと気が合いそうだな!」


ハグを求めた。


「ば、ばかっ!」


断られる。


「そういうわけだから

 夜の学校怖い、とか逃げないでよね」


そう言い残すと

颯爽と逃げるように走って行った。


そうか、夜か。


それはヤバいな。

暗所恐怖症があるから、俺。


ペンライトでも

持っていくか。


大和はそれから考えた。


美由紀は告白を阻止する、と言った。

俺を応援している、と。


でも、16年間ほど

ずっと鈍感な芽衣に急に告白しても

俺も当たって砕けるだけじゃねぇか?


阻止ってどういうことだろう。


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