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七話


「―――――――はっ!?――ーてかこの展開やりすぎぃ!っていう声が聞こえたような気がしたけれど……あれ?……普通にゲームやってる?」

 なんだろう……今の声は……。

「そこのコーナーは――私んだぁ!」

「なんの――よっぴぃ!魅せろ!必殺――スレイトトゥヘェル!」

「な!?何て言う速度で……やりますね!!!香苗ちゃん!しかし!私のおひげは――その程度の障害――モノともしないわ!」

「なっ――!?そんなドリフトテクニックを!?――えぇい!」

 僕そっちのけで盛り上がっていた。

 やれやれ……てかなんで香苗がうちに?

「そういや香苗はなんで家に?」

「アレですよ、交換会の後にうちでご飯食べようという事になったんですよ」

「そうなんだ?」

「……いやぁなかなか美味しかったですよ!仕込みはバッチリでしたね」

「(ぼそっ)流石あたしの嫁……」

「ん?」

 ……何か……大事な記憶が抜けてる気がする……。

 ヒドイ目にもあったけど、いやぁ……使おう……みたいな。

 まぁそのうち思い出すだろう。

「それより一緒にやりましょうよ!次は――めろろむちゃくちゃバトゥルロワイヤルズェエエット!で行きましょう!」

「……負けたらなんでも言うことを聞くこと(ぶびゅぅうううううう!)」

 ……その鼻血は大丈夫か?香苗……。

「おいおい、妙子さん?そのゲームにおいて僕のめろろはコンボはハメワザれべるですぜ?はつみちゃんにだって勝っちゃうんだぜ?」

 めろろの箒を――舐めるなよ……?

「ふふん――私のムルルを舐めないことですね――このいやらしさ――他の追随を許さないトラップの数々!負けません!」

「えっへっへ――あたしのにろろだって負けない、ここ一番ではあたしが――決める!」

「てか一番に負けたヤツが全裸でよくないですか?」

「それもそうだね……ふふっ」

「ふふっ――違う!なんで二人して喜んでんの?おかしいよ!だしませんよ!?僕は!」

「いやいや、ナニを出すんですか?」

「う!」

「言ってくれないと解らな(びびゅん!つぶっ――ぶろろろん)いよ?」

 だから……香苗……真面目に大丈夫か?

「だから逆ぅ!この展開逆ぅ!てか絶対解ってるよね!?解ってて言ってるよね!?」


 譲歩して頂き、脱ぐのは一枚ずつになった。

「――なっ!?どんなコンボ!?てか超必殺技!?やばい!てかナニ!?二人してナニ!?どんだけ強いの!?オカシイでしょ!」

「いやいや、私にとってはこの程度」

「この程度」

「強っ!?浮かせてコンボ決めて終わり!?強っ!執事じゃあるまいし!」

「まぁこの隠れた名作をプレイする方は案外少ないですからね……ヴィーにでも移植して欲しいモノです。まぁムレステズラーでもいいんですけど」

「無理がある。その名前は無理があるよ?」

「じゃあグレテルボインラズラーですかね?」

「いや、もうすでに原型とどめてないよ?オヴェェよりひどい」

 翌日に急転直下な出来事が起こることも知らず、その日も極普通に過ぎた。

 悪の足音は――すぐそばに迫っていたのに……!!!!!


 翌日。


「――――はっ」

 夜の途中から記憶がないが、パジャマを着て布団に……うん、ごく普通に入って寝ている。ダイジョウブだ、モンダイナイ。なんか違和感が……あるけれど気にしない。記憶がないからと言ってそれは不味いのかも知れないが、まぁ珈琲とご飯を用意しておこう。それ大事。うん、マジで大事。(ぺろん)何故か僕のパジャマの下半身部分がずり下がり――ホットスポットがオープンザマイウェイしているけれども……(ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ――ずるん、ぴた)これでダイジョウブ。

 手早く朝御飯(トースト、オムレツ、ウインナー、かるいレタスサラダ、コーンスープ)を仕上げ――二人を起こす。

 ボケボケながらつやつやしている(僕は何故かげそってた)彼女達がもそもそ食べている間に色々と済ませ――まだぽやぽややっているので、

「先に行ってるよ?またあとでー行ってきまーす」

 と言いながら家を出る。まぁあの調子だと二人は休みかも知れない。

 

 教室に着く。

「もみじ……おはよ(ぽっ)」

「あぁ、おはよう香苗……――っておかしい!またか!一体ナニをどうやったわけ!?完全にポエポエだったよね!?確実にもうなんだか『今日って何曜日!?』『平日』『うわぁ』だったじゃん!?なんで!?」

「好きな人が学校にいれば学校に来るし、居ないなら来ない(きりっ)」

「理由になっていない!まるで応えていない!てかそれはバカテス!」

「ていうかもみじ、……またか……ってリアクションはちょっとえっちな気がする……」

「ちょ――香苗さん!?全開過ぎない!?朝だよね!?普通の女子高生はローテンションで『大人なんてあたいらをわかっちゃいねえ』『化粧が……』だよ!?いや、それとも全壊!?」

「それを言ったら男子高校生は『パンチラ』『ギャハハハハ』だよ」

「リアル過ぎるぅ!止めて!必要ない!リアルは要らない!要らなくも無いけれどモ!今はダイジョウブ!男はバカなの!仕方がないの!てかなんか自分が恥ずかしい!実際になんかこうそんな感じな自分がぱない!ダメだ!モテる男にならない――とぐらまぁぁ!?」

「――嫁は渡さない……!!」

「ちょ――香苗さんや!?いきなりチョップ!?ついでにハグ!?ナニそれ!?誰に!?てか嫁!?僕男!男だよ!嫁を貰う方!貰う方だって……!!ていうかなんで教壇で立ってるの!?ナニ宣言!?どこアピール!?」

「ダイジョウブ……あたしが開発する。男でも子供が産めるような薬……」

「危険だって!マジか!?なんだその腐女子の夢……!!みたいな!?あれ?夢でもないのか?あくまでフィクション?まぁそりゃそうだよね……」

「もみじ!?どうしたの!?もみじ!……なんでそんなどっかから電波受信したみたいなアホ毛たってるの!?もみじぃぃぃぃ――――……!!!!!」

「……てかそう言えば妙子は?」

「……(ぷー)」

「ほっぺがふくれて栗鼠みたいに!?いや、可愛いけれども!?」

「(びゅばっ)……おぐれでぐづっで……」

「……一秒以下でティッシュを用意して鼻に詰め込める女の子はオマエだけだよな……」

 遅れてくるらしい。珍しい事……まぁまだ三日ほどの付き合いしかないのだけれど。

 ……それより……なんか嫌な感じがする。

 誰かから見られているような……。

 香苗は『トイレ行ってくる』と言い、僕は席に戻る。岡島が『よう』と挨拶をしてくるので『ちす』と手をあげて返す。そろそろHRかぁ……と顔をあげた瞬間――


――がらっ


 という音がし、扉が開かれる。


――「ごきげんよう!門司間もみじ!」


 そこには――担任の教師ではなく、堕天使が居た。


 ビジュアル系バンドのようなゴスィック!な感じの格好に片翼――


 ――それも黒……まさに堕天使……


「あ、あんたは……!!」


「ふふ……私の名は――」


「(がらぁっ←扉が開く音)おはよう、皆……っておいおい!来ちまった、来ちまったぜ、おいおい!ぎっちょん!ぎっちょん!ところがぎっちょん!二次元!遂に俺は――次元の壁を越えたのか……!!!!」


「先生!?せんせぇ!違います!いや、確かに超絶美男子なんかこう二次元ポイ人ですけれども!」


「人じゃない!堕天使だ!(ぷんぷん)」


「やかましいわ!(堕天使の片翼の羽を一部むしろ取る『あぁっ!?(びくん)』)だから先生!現実ですよ!ここは現実!」


「俺の嫁はどこに居る!?どこだ!?どこにも居ないじゃないか!なんで皆毛が生えているんだ!オカシイだろ!もっと無機質でのぺっとして――」


「すとっぷ!ストップ!もうヤヴァイ!教育者というか人類としてヤバイよ!先生!?てか先生?あんたホントに先生なのか!?」



「いや、今の俺は愛しい嫁を追いかけるただの勇者さ……」



「――ダメだ!格好いい!そして脳みそが腐ってヤガル!手の施しようがない!」


「……悪の手先め……!俺の嫁を何処へやった……!」


「ダメだ!また無駄に格好いい!どんだけ自宅で練習してきたんだ…………!!!!」


「ふあははははははは――人間!ならばこう応えよう――私こそが――」


「だからやかまわしいわ!(ぶっちん←片翼一部捻り取る『ふぉうぅ!?(びびくん)』)ていうか……(……あれ?)先生!正気に戻って下さい!」


「馬鹿な!俺の時間停止(ダグリエル)が効かない!?……ならば――惑星破砕滅亡弾(キャリオメルラ)――これでどうだ!見えない刃が一陣の風に乗り――悪を切り裂く!これなら――いけるはず!」


「ふっ――確かにやるな人間……だが!この程度!私の究極防御魔法(ダグリディウム)にかすり傷一つつけられん!この私――ミ――」


「ノるな!(ぶちぶち←片翼一部千切る『あふぉあっは!?(びっくんびくん)』)……つかなんという厨二……!!!」


「唸れ――俺の右手!日本壊滅(ラグストルメルバ)!オマエの妄想を――」


「だらぁ!(びっちゃあ←岡島が持っていたカ○ピスを振りかける『ごくごく……うぉ……あれ?ここは学園都会ではない?おかしいな……巨大ロボを動かすお姫様がすごく好きなんだけど……いや、司令官も好きだよ?』)ていうかナニ?この状況……」


「ふぅふぅ……と、とにかっく、門司間もみじ!この私――」



 ――「あ、そうだ!ミカエルだ!(手をぽんっと叩きながら)」



「この私、ミカ――っておいぃいいいいいいいいいいい!?なんで先に言っちゃうの!?さっきからちょいちょい被せて来て!見せ場だったのに!なんで!ヒドイよ!もう帰る!(じだんだじだんだ!)」


「えぇ!?」

「いや、帰らんけどな」


「いや―――――帰れよ!」


「マジでヒドイ!」

 泣き出した。堕天使!やわっ!精神よわっ!

「(ぐじぐじ)くそぅ!パパとママにもそんなにヒドイこと言われたこともないのに!くそう!偽装工作はここまでだ!目にモノを魅せてやれ!」


 ――「「「「「ははっ!」」」」」


 途端――業者の格好をしていた人達が突然脱ぎはじめる(もにょもにょ)。変態女子高生達の黄色い悲鳴……!!!……いいからちゃんと隠せ!目を!


「くははははは!門司間もみじ!見たか!貴様が我らを倒しにかかり――翌日に、我らはすでに包囲網を敷いていたということを!……っておいぃいいい!なんでこっち見てないの!?なんで!?なんで大貧民!?」


「ちがっ――!貴様ぁ!大貧民じゃない!大富豪だ!」


「知らないよ!トランプに夢中じゃないか!こっちの方が重要でしょ!?違うの!?……鼻ほじるな!ふざけてんの!?てかこのクラスなに!?そこ!盛り上がるな!ナニが嵐龍一分台討伐成功だ!羨ましいぞ!?くそぅ!なんだその優秀な狩友は!?この私ともカード交換しろ!てかギルドにいれ――べばっしゅ!」


「「「「「あぁ!?支部長!?」」」」」


「油断したなぁ!ミカエル!」


「卑怯な!――くっ、その上マウントポジションを取られるとは……!!!やるな!門司間もみじ……!しかし!その程度この私堕天使ミカ――めるば!」

「おらぁ!さぁその続きを吐いてみろよ!え!?(ぽかぽかどすどすごぐごぐどごどご)」

「うぅ……超ひどい……!てかオマエホントに主人公か!?卑怯なヤツ目!」


「卑怯、汚いは弱者の戯言だ!(めきょめきょ!ごすん!どがっ!)」


「……素敵ぽっ


「おかしい!?そこの女の子!その評価はオカシイ!どう考えてもイケメンで堕天使な私の方が女子中学生、女子高生からの圧倒的な支持があるはず……!!!くっ!えねぶっぷ!?えげつない!えげつないぞ!こいつ!」


「「「「「支部長を離せぇ!」」」」」


 工事業者に化けていた支部員が一斉に飛びかかる。

「うわぁ!?ずるい!卑怯だ!多勢に無勢だ!正々堂々と戦え!ミカエル!(ずびしぃ!と指を指す)」

「オマエが言うのか?!なんか違う!くそぅ……結構ダメージを受けてしまった……見た目と裏腹に貧弱なんだからもっと優しく扱えよな!えぇい!トドメを刺せ……え?そういうことは不味い?世間の目があるから……?……まぁ確かにそうだな。良し、身動きを出来ない状態にしてしまえ!」


「「「「「ははっ!」」」」」


「くっ――一瞬で!?なんて動き!……!!てか僕、今ただの一般人だし!――ってちょっとなんで香苗が参加!?僕の味方――ってか友人じゃないの?『……脱がすのはあたしの役目ぐっ』じゃないよ!ナニ考えてんの!てか一人弾き出されちゃってるじゃん!そこの化けていた人!『いやぁこの娘強いッすわ、隊長』ってかどんだけ!?どんだけ弱いの!?……いやそれとも強いのか?『ナニやってんだうまじ!?』てかあんたらか!あん時の!」

「支部長!早く例の作戦を発動させましょう!何のために此処まで来たんですか!?――っておぃ!?あんたナニしてんの!?」



 ――「……ナニって狩りだけど?」


 

「ナニホクホク満面笑顔でゲーム!?いや解ってたけれどね!?四百時間軽く突破してるモンね!てか仕事しろぉ!」

「ははははは――この堕天使ミカエルの実力を持ってすれば――容易い!力を貸してくれ!宮古、夛田島、岡崎!行くぞ!覚悟しろぉ!アルバイノキン(裏ボス:強烈なプロレス技が売り)!(ずだだだだだ、ぎゃおーん!ごがががん!どーん!ちょっぷぅ!ちょっぷぅ!まっしぶどろっぷぅうう!)――っておいぃいいいいいいい!?隊長!?ナニしてくれんだ!?角も破壊出来たのに!?あぁ!没収!?ひどい!あんまりだ!」

「ひどいのはあんただ!ていうか堕天使!?あんた堕天使だったの!?てか堕天使ってナニ!?」


「「「「「『(この隊長って……)』」」」」」


 クラスの心が一つになった瞬間だった。


「わかった!わかったから!返せ!ふー、やれやれ。仕方ないな――さて、門司間もみじ……貴様に我が平和維持団体のまぁ目的とアレだな……使命というかそう、モットー……じゃないな。うん。とにかく我が組織の沿革と企業情報を……要らない?いやいや、照れなくていいんだぜ?照れる理由が分からない?……ふむ、まぁアレだ。そんなことはあまり気にしないでもダイジョウブだ。私の話は無駄に長くてかつ中身がないと大変好評であり、挙げ句、果てしなく眠くなるので『睡眠用CDミカエル・ザ・ボルシモウサ!~これで眠れる!不眠症対策としても抜群の効果あり!~』が発売されるレベルだからな……売上?あぁ上々だよ『スゴイです!さっきまでギンギンだった目が一瞬で重くなりました!』とか『むつ病でまるで眠れなかったのですが、このCDを聞いた瞬間――一瞬でした。自分のサボり心にびっくりです!』とか『なんでしょうこの抗えない眠気……今度社長のも録音してみたいと思います(笑)』と言った評判が――」


「本題に入れぇ!」

 僕は思わず叫んだ。


「ちっ――では――本題に入ろう……の前に!貴様!彼奴をどこへやった!」


「へ?……彼奴?」


「シラを切る気か?――いや、ならばこう聞こう!真霧――妙子はどこへやった!俺の妹はどこへ行った!?」


「あぁ……多分遅れてくるはずですけど?」

「……どういうことだ?オマエは『契約者(コントラクター)』だろう?」

「コントラクター?なんすか、それ?」

「……まぁいい……アレを使われる前に勝負を決められたのだから良しとしよう」

「?」


「秘儀――それは我らが追い求めし世界を征服する力……妙子を封印し、その力を抽出魔法で取り出そうとしていたが……失敗に終わっちゃって……その力……とは言えまぁ発動前に仕留めればそこまでの欠陥品……――初めて……!!初めて妹に勝った……………………(うるうる)!!!」


「「「「「やりましたね!ミカエル支部長!」」」」」」


「……うん……ぐすっ……ありがどう……だっであいづさ、魔法は優秀で体術も飛び抜けててあだまばいいじ……ぐすんぐすん……おでずっどがてながっだ……んだ……」


 まぁさもありなん……。


 もみじはちょっと同情した。そもそも妹――というより女性に勝てる男なんて皆無だ。オカマは別として。かの御大――ディランだって『褒められるために音楽をやった』……なんて言うまぁ多少のリップサービスがないにしもあらず、けれどもそんな名言を残している位である。例えば――もにょもにょやにゃんにゃんにしたって――征服した!と思うのは大抵男の勘違いが殆どである。世間は――絶望――と書いて絶望(リアル)と読むのである。現実=絶望……ひどい現実である。つまり――そもそも女性が居なければもにょもにょだろうがにゃんにゃんだろうが表現は自由だけれども――行為自体が成り立たないのだ!なんという現実!勝負の前に負けている!ハードが無ければそもそものゲームが成り立たない……!!!

「というわけで『ぽちっ』とな……」

 そんなもみじのどうでもいい考察とは関係なく――ミカエルはボタンを押した。

 うぃぃぃぃぃん――――ガシャン。

 ひどく立派なスクリーンが降りてくる。


「くくく――これこそ業者の振りをし――我らが仕上げた作品!今日!この日のために!そこでおののき鑑賞するが良い!」


 ぱっと映像がつく。


 商店街の一角――裏通りに入り少し先へ行った箇所――誰でも知っているような市の中心部近くが撮されているのが一瞬でわかる。そこに――


「ふはははははははははははははは!見よ!貴様等人類への革命の息吹!我らがつくりし天界兵器が一つ!巨大砲台!『まずは平等、ついでに平等(ダグラロリウム)』だ!遂に!遂に!私は名実ともに堕天使となる!長かった……!!!ひれ伏せ!人類よ!この『ダグラロリウム』さえあれば――世界の何処にいようが即消滅させることが出来るのだ!くくくくくく……天界の奴らの驚く顔が思い浮かぶ……!!!まさかこんな辺鄙な所に作られるなんて思いもしなかったに違いない!さぁ!門司間もみじ!頭を地に着け跪け!そして捧げよ!貴様の纏いしその秘儀を――!!!!」











 ――ごっぱ――――――――――――――――――――ん!











「―――――なっ…………!!!???」


「「「「「――支、支部長!?ば、爆発しました……!!!」」」」」


 映像で映し出されていた『ダグラロリウム』が木っ端微塵に吹き飛んだのだ。僕にはナニがなんだかわからない。捕まえられたまま「???」だ。


「ひ、ひぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?――いや、てか見えてたけどね……でもやっぱりひぎぃいい!?一体ナニが起きたんだ!?一頁!一話も保っていないじゃないか!どこからも攻撃を受けていないだろ!?仮に遠距離射撃を受けたとしても、核兵器二百発に耐えられる防御結界に――最強の(イージス)級の錬魔金属を用いた天界兵器だぞ!?例え神殺しの(グングニル)を用いたって破れない、かすり傷一つつかないチート級の防御力だぞ!そんな馬鹿な事があるわけが……!!」


 粉々に吹き飛んだその巨大砲台の映像がスクリーンに流れる中――

 がらっと扉が開かれる音が響く。




 ――――「ふー、やれやれ……ってヤツですかね?まぁ多少苦労はしましたけれど、あれだけ粉微塵に破壊すれば何の影響もでませんよ、もみじさん。そう気にしなくてもあれが町に降り注ぐことはありません」




「やはり……!きっ!……きっ……貴様!妙子ぉおおおおおおおおお!オマエえぇえええええええ!なんてことをぉおおお!?」


「まぁまぁ兄さん……作戦自体は悪くなかったんですけどね?あの程度でこの私を出し抜けるなんて思わないで欲しいです。てかそもそもの立案時点で気付くべきです……まぁ教室に魔法を使えない結界を張っておくという作戦はいいとこをついてますがね」

「貴様……!それもわかっていて……!!!」

「ところでかずた……ミカエル……兄さん……ちょっと言い難いですね?」

「「「妙子さん!そこ触れないであげて!」」」

「くそぅ!貴様等ナニをしてる襲い掛かれぇ!」


「「「「「は――ー」」」」」


「――ぽちっとな」

 妙子がそんな台詞を言う。

 僕の身体が一気に――


「な!?一行だとぅ!?てか手抜きするなぁあああああああああ!?どんだけ!?一撃!?どこの宇宙戦闘民族だぁ!?てかナニ彼奴!?暴走スイッチ……?結界をモノともしないなんて……!あれがオマエの魔法……!?首をかしげ――ひっ!?」


「に・い・さ・ん?」


「その笑みは……!!!天界公園でひたすら嬲り続けられたあの日の笑顔……!!!(ぶるんぶるん)嫌だ!ダメだ!もうそんな格好はしたくない!俺は……僕は…………!あぁお隣のミクちゃんまでそんな目で見て……ぐぅぅぅ!!!違う!違うんだ!僕は――変態じゃない!ただ、そう、ただヤバイ妹が――彼奴が僕の――」


――ガシィッ!


「ひぎぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!!」


 肩を掴まれた堕天使――が泣いている。

 気持ちは……――なんとなくわかる。

 ……一言も喋らずに縄を取り出しもくもくと縛りはじめる妙子。


「(きゅっきゅきゅと手慣れた様子でガンガン縛りながら)兄さん?……これくらいダイジョウブですよね?うん、ダイジョウブ、モンダイナイよ、もっと強くても良いくらいだ……ははっ」

「それはダイジョウブじゃない時の台詞だよ!妙子さん!?てかアテレコじゃん!お兄さんはさっきから『ひぎぃいぃぃ』しか言ってないよ!?」

「止めてくれ!妙子!そういうつもりは全くなかったんだ!だからこんなことしないで!?だってこれはアレでしょ!?天界拷問秘術が六十二――かの大天使様でさえ裸で逃げ出したと言われる『縛り殺し旦那様は今日も犬』ぅぅぅううう!!!」


 よくわからない秘術を習得しているなぁ……。


「だからそんな!ぁああ!そんな縛り方は――!!?うわぁああああああああ!?こすれる!こすれちゃう!(びっくんびくん)ぐわぁ!?痛みの中に快楽がぁ!?どうして!?ぁぁぁあああああああっ!(ぐるぐるぐるぐるびくくん)ひぐぅぅ―――――放置されているのに!放置されているのにぃいいいいいいいいいいいい!!!???食い込む!なんだこの縄は!?食い込んでくるぅぅぅうううう!!!(びったんびったん)」

「……完全な変態になっちゃってますけれどいいんですか?」

「ダイジョウブ、モンダイナイ」

「気に入っちゃったよ」

 そんなこんなで世界の平和は守られたらしい。




 あとのはなし




 また翌日。

「――でなんで妙子の兄ちゃんが此処に!?」

「あぁ、新しいクラスメイトの真霧数太郎だ。みんな仲良くしてあげるように」


「「「「「『はーい』」」」」」


「……順応力が高過ぎるぅ……!!!!!」

 クラスの皆の空気を読むスキルに脱帽。

「……どうしたんです?もみじさん?そんな机の上でダルシムやってもわかる人って少ないんじゃありませんか?」

「やっってない!なんだよダルシムを『やる』って―――ってこうって!?見せなくていい!ダイジョウブ!てかパンツ!パンツ見えちゃう!見せないかんな!ダメだ!今すぐストップ――ってなんで香苗まで!?てか皆も!?なんなのこのクラス!?なにその無駄なスキル!?クラスの女子がダルシム『やれる』ってわかんないよ!?岡島!?岡島はどこだ!?」

「個性的だよな」

「ダメだ!すでになにかこう別世界に飛んでいる!――くそぅ!先生!先生は――」

「まぁアレだよ、数太郎……その次元減らしの魔法……教えてくれないか?」

「諦めてなかったのか……!!!」

「……内申点……あげてやるから、さ?(と俺はキメ顔で言ってみた)」

「そしてリアル!生臭い!?てかホントに先生!?先生なの!?」


「勇者だっつってんだろうが!」


「勇者過ぎるぉ!?ナニがどうなって――」

 ぽんぽん、と肩を叩かれる。

 ん?と思い、振り返るとそこには縛られた数太郎が――


「――っておい!?え!?ナニ!?『目覚めちゃった……』――じゃねえよ!?どこの変態だ!てかあんた年上でしょう!?それこそ半端無いレベルの!……え?大事なのは見た目?……どっかで聞いた頃のあるような台詞だな……『そんなことより……もっと……』――っ!僕じゃない!縛ったのは僕じゃないよ!?……ってうわぁ……見られてる!クラスの皆から僕見られてるよ!……縛ってない!縛っていないってば!だからその視線を止めて!なぁ妙子――って……」

「うわぁ……ももじさん……それは……」

「オマエだろ!?縛ったのはオマエだろぅううう!?言わせて貰うけれど妙子でしょ!なんで僕がにこにこ縛ったような『ゲスめ……』みたいな視線を投げかけてきてんの!?……え?『目覚めるかなぁって』…………目覚めないぃ!目覚めちゃってるのはオマエの兄貴!僕じゃない!」

「そういうもみじはあたしにニーソを強要した……ぽっ(ざわわとどよめくクラス)」

「していない!して……いないよね?なんで疑いの目!?(ぽん←もう片方の肩に手を置かれる音)岡島!?」

「……いや、その性癖はわかるけどウソはいけない(ふるふる)」

「え!?ウソ!?」

「そうですよ!ももじさん!ももじさんは私にも半脱ぎを強要しましたからね!『知ってるか?いかがわしい感じって……半脱ぎなんだぜ?』ってキメ顔!もといキモ顔で!」

「無駄に上手いこと言うな!てか真実か!?それが真実というヤツなのか!?」

「(がっ!←肩の手が力を入れた音)門司間……君も同志だったか……!!」

「違う!数太郎さん!もといミカエルさん!あんたとは違う!違うと思いたい!」

「くぁあああああああああっ……!蔑まれてしまった……(びくびくびくん)!」

「ダメだ……!ホンモノだ!こいつはホンモノだ……!」




 ――その日――教室に変態男子高校生(?)が増えた。




「――っで……ここどこ?」

「おはようございます、もみじさん」

「妙子……?なんで僕パジャマでこんな寒風吹き荒ぶ中を歩かされてるの……?寒くてどうにかなっちゃいそうだよ……へっぷちょいぃ!」

「いや、なんか地球壊滅ミサイルとかいうものをどっかの組織が南極に設置しちゃったらしいので」

「そんな情報で!?てかなんで妙子は制服!?寒くないの!?……僕は眠りたいよ」

「あ!?えっと……さ、さぶぅぅぅうう!」

「ウソくせえよ!ていうかウソだろ!なんで寒いと言いながら胸元をはだけてんだよ!サービスシーンか!ナニを勘違いしたの!?」

「いや、生まれたての子鹿のようなもみじさんの様子に興奮しちゃって……(ぽっ)」

「あながち間違ってなかった!」

「てかアレですよ……なになにか!ってギャグとして寒くないですか?」

「帰りたいぃ!あの時に!帰りたいよ、ままん!あのぬくぬくとした時代にぃいい!」

「あ?見えましたね――ーぽちっとな」

「ってうわぁ!?バトルモノ!?(ちゅどどどどど)どうして僕が妙子をお姫様だっこ!?(ひょいっとな)つかこんな終わり方でダイジョウブ!?というか向こうは一体ナニを考えて……ロケラン!?(ずっがーん!)RPG!?(ぼがぼがぼがぼがーん!)いいの!?ぶっ放してくるよ!?……倒せ?マジですか!?妙子を抱えたまま!?『それが……萌える(ぽっ)……これがやりたかった……』ナニ!?(ちゅん!どどどどどど!)そのためにわざわざこんなところまで出張!?バカじゃないの!?――あぁ!?ひぎぃ!やめれぇ!?ち○びを握らないで!?ちょっと!……握ったんじゃなくて挟んだだけですぅ?知らんわ!邪魔ぁ!(どかかか←敵を蹴り飛ばす音)うわぁ……真面目に基地があって真面目に超巨大な下ネタアームストロング砲が……」


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