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六話


「――――――はっ!?」


「……お昼ですよ?もみじさん、全く、仕方ないから私がちゃんと事情を説明しておいてあげたんで」

「……ちょっと聞くのも怖いけれど……聞くね?………………ナニを?」


「いや、オシャレでちょっと暴力的な茶目っ気も使う時は使っちゃう公務員の方々が『脱がされて喜んでいる変態がいると聞いて』来たんだけど、それを『あぁ、ごめんなさい。そういうプレイが好みなんです、申し訳ない。彼、私に脱がされると悦んじゃって、悦んじゃって、――あはっ』って言って引き下がって貰ったの。勿論、ちゃんと彼らはやることやって帰ったよ?指紋とか住所とか――」


「データベースに登録された!?てかナニそれ!?」


「『あぁ、特殊性癖って大変ですよね、はは』だって」


「かんっっぜんに誤解されたよね!?しかも望んでもいない方向に!ラブコメみたいな良い勘違いとか回収されるフラグとかそんなんじゃないよね!?しかも字がヤヴェエ!えくすぷろられーしょんんんんんぅ!?喜ぶでもなく、悦ぶ!?伝わっていないと思いたい!」

「ははは、ナニを言っているんです?愉快な人ですね、もみじさんは?良いことでも、あったのかな?」

「ないよね!?これっぽっちも一欠片もないよね!?流れぶった切って悪いけれどないよね!?」

「早くお弁当食べましょうよ、もみじさん」

「おぉう、シカトゥ!?シカト芸ですかぁ!?」

「――はい、というわけで作ってきました!お弁当!香苗ちゃん直伝!デンジャラスビート!『貴方の今夜は私のもの!』これを食べれば貴方の胃袋ガッツリハート!ゲトゥー・ザ・ラブ!ラブ・オブ・ザ・ダイナマイツ!」

「ちょっっと待てぇえええい!そのレシピはやばくないか!?朝僕がトんだのも――」

「トんだっていうか飛ばしてたっていうか?」

「ナニを!?ナニを飛ばしてたわけ!?」

「そ、それを私の口から言わすんですか……!?」

「……もみじのえっち……」

「だからナニがあったんだよぉ!?ナニが!?ナニが飛んでいたの!?」

「「…………………(ぽっ)」」


「変態だった」「ぱなかった」「脅威の六連弾」「あれこそ超弩級……(ぽっ)」……


 ……――ナニがあったんだ……!!!!!


 放課後。

 まぁ別に僕の評判が地に落ちようが、別にくすくす噂されようが気にしないわけで。

「――というわけで今日も情報交換ならびにさらなる物の交換をやってきます!」

「どういうわけだよ!……――って、香苗?」

「あれは最高だった……(ぼたぼた←鼻血の垂れる音)おっとっと、今日もフィーバーしちゃいそうだぜ」

「ダイジョウブ!?犯罪おかしてないよね!?なんかヤバイ事に首突っ込んだりしてるわけじゃないんだよね!?」


「「と、当然」」


「なんで二人して目を逸らしてるの!?」


「「ご、合意なら良いって……」」


「だからそれは男側の最低な意見だよ!女の子の台詞じゃないよね!?」

「なので、支部に行くのはまた明日ということでー」

「じゃ、また後で」

「ちょ、香苗!?てか妙子!?」

 どうすんだよー、という叫びがその日、クラスに響いた。


 家に帰り着き、ご飯の支度――ついでにネットサーフィンやらお風呂の用意やらをする。まぁ……アレだ。一人の時間は有効活用しなければならない。出ないと色んな意味で絶賛ブレイクフルなビッグバンがミーのスリーピングタイムにウインナーでバットゥマン……


「…………あれ?」


 パソコンをつけてみると何故か――デスクトップがキレイに整頓されている。

 脳内アルキメディッシュ!(?)状態が一旦ニュートラルに戻される。

 まぁいつでもドライブイン出来るようにエンジンはフル稼働


 ――地球になんとも優しくない仕様である。人類には優しいかもしれない。

 …………不審に思った僕は、まず、秘密ファイルを探す。表面上はプログラムファイルの一つに加工し、隠しファイルを入り口として隠しているアレである。ダイナマイツとアダルティッシュが弾け飛ぶ――まぁ花園だ。


 感謝せねばならん。


 彼女達と――インターネットのおかげで犯罪が低下しているという事実に……まぁそんなことより僕のギガリュウシホウがすでに臨界状態


 ――サードインパクトゥもかくや、という状態……なのだけれど……


 ――――――ない!


 ――おかしい!


 おかしい!検索にも引っ掛かって来ない。画像ファイル、動画ファイル――ともにダメだ!くっ――この事態は想定していなかった……!!!


 マイサンはすでにレディトゥファイトだと言うに……!!!


 ブレイクオンスルーしても構わない状態だと言うのに!ダンシングザフロア!夜の町を踊るのさ!くそぅ!チャンスは今だと言うのに……!!!!いや!ここは仕方がない!ないなら探せ!ダウンロードしろ!サンプルでもイける!ダイジョウブだ!問題ない!ドッグファイトだ!トリコロールをグラッップルしてランナウェイでワッフルキャップルニップル!パフドックルトルバトルフニクルクリクリ!


 良し――今だ!僕はクリックとともに――さっと――


「たっだいまぁ!」


 声が聞こえた瞬間――


「やっほーい!」


 スネイクケージをクローズ&シャッタウト!そしてさらにシャツやら服装をミラーによるチェ―ック!!加えてPCのサイトをタブで開いてホーム!今までの頁はクローズダウン!ついでに香水一拭き!これにてインハイでふぇてぃっしゅ!な香りはログアウト!――


「……おやぁ?(にんまり)」


「おかえり、妙子」


 さらにはささっと晩ご飯の支度をしているという完璧な工作を終えて、僕は台所に立っている。

 しかし……あの笑み……ごまかしきれたのだろうか……?


 ――僕は……!!!


「……ほほぅ、今日は煮物ですか……いやぁ、もみじさんの家事スキルはなかなかですなぁ」

「……まぁじゃないとお嫁さんに貰って貰えない、と育てられたからなぁ……」

 うちの母親の教育方針である。

「……………」

「てか、アレだ。風呂出来てるぜ」

「おぉ!左様で!……まぁ、とは言え、そんな居候の分際でそんな一番風呂を頂くわけには参りません、是非!お先にどうぞ?」

「あれ?昨日まで気にせずにガンガン入っていたような?」

 ……うん、間違いない。

「いやいや、男の子がそんなこまい所を気にしちゃぁ――いけません!というわけではい早速!そのちょっといか――いや、なんでもありませんよ?」

「……なんか物凄く恥ずかしい事実を掴まれた気がするんだけど?」

 いかって!いかって!烏賊!?

「もうご飯の準備はほぼ完璧ですね。後は、仕上げだけっぽいんでちゃっちゃと入っちゃってください」

「スルー!?」

「はいはい、行った行った」

「どわあ!?結構強引ですね!?妙子さん!?なんで!?(ぽぽいっ)――ってはや!?あんた本当に弱いの!?ウソじゃないの!一瞬で脱がされて風呂場に入れられたなんてありえないでしょ!?(ざばー、ざばー……ぽちゃん)え?あぁ……そりゃあ、良いお湯ですよ……変な声をあげてもいいくらい……」


 ――ぴんぽーん


 ――え?来客?

 湯船に浸かったまま、驚く。

 まぁでもそれは妙子に任せて。こういう時に一人じゃないというのは大変楽だと実感する。

 お風呂場に置いてある子供用のオモチャ――とは言え、かなり好きなもみじ命名

 

 『ダックスナンバーサーティーン』


 の潜行作業(ぶひーん!どどどど!ハッケン!敵艦を補足!てぇーっ!どどどどどどどど――ぼっかーん!)中だったので、とりあえずその恥ずかしい(一人だからこそ出来る)一人遊びは止めて、事の推移を見守ることにした。新聞の勧誘……英語教材……布団訪問……まぁ昨今、というかこのマンションに来るような営業ベタな人が来るはずもないが……聞こえてきたのは知っている声だった。


「お、お邪魔します……(ぽたぽた……)」


 続けて『うぉー!私服も可愛いじゃないでスカー!』という声も聞こえてくる。


 ……なんだろう?ナニかこう……仕組まれた気がしないでもない。

 一人だとそれはもう……なんて言うか、ちょっと冗談にならないけれど、二人ならダイジョウブ!ヤれます!オとせます!(指は卑猥な感じでグニグニ)みたいな!?

 てか一体ナニ企画!?……いやいや、ダイジョウブだ、ももじ……そんなラノベのきゃっきゃうふふ、実際にやったらまず確実に頸動脈をキュ……みたいな展開はないはずだ!ダイジョウブ!伏線は張れ!フラグを立てるな!このまま静かに『ダックスナンバーサーティーン』と『ジョルシュアマルベリー号』(普通の船)の血湧き肉躍る潜水艦対決を推し進めるんだ!


(ぎゅろろろろろろろろろろろろ)

「てか、アレですね?今、もみじさんお風呂なんですよ」


(ごごごごごごごごごごごごごご)

「――っ!?(ぶしゅらぁっっっ!!!)」


(ばぎゅーん!ずどどおおどどどおん!ぼしゅあーぼしゅあー!)

「あれ?目の色変わりましたよ?香苗ちゃん?」


(『補足!見つけました!ジョージのおかげです!』『良し!左舷展開!一斉射撃だぁ!ありったけの弾を撃ち込めぇ!』がががががが――――ずどどどどどどん!)

「確か……靴下は脱がせないのが流儀だったような」


(『な、なにぃ!?バリアだとぅ!?馬鹿な!この最新鋭の波動メーザーキャノンを持ってしても……!!!!』)

「――ってはやぁ!?香苗ちゃん半脱ぎ(過小表現)はやぁ!?え?……準備万端?決戦の時は来たれり?」


(つきゅーん!どかーん!どきゅきゅーん!『援軍……だとぅ!?』)

「いやいや、私だって……!じゃーん!スクール水着です!え?年を考えろ?いやいや、甘い、甘いですよ、香苗ちゃん!チョコレートケーキにバナナとホイップクリームより甘い!」


(『仕方がない!突撃だ!白兵戦に持ち込む!面舵いっっぱーい!』『おおおおおおぅ』)


 ――――ばたーん……


 艦隊戦の不利を悟ったジョルシュアマルベリー号が潜水艦形態に変形!ダックスナンバーサーティーンに潜行そして突貫!無理矢理に浮上させ最終決戦が始まろうと最高潮の瞬間――

(『うぉおおおおおお』『ジョージの仇ぃ!』『うてぇ!怯むな!撃つんだぁ!』)


「――いやいや、不味い!不味いよ!完全に○○○じゃん!見せらんないよ!××が△△で、いやいや、ワームホールがブラックホール?……ナニそれ!?アメリカンジョーク!違う!いいや、確かにそうだけれども!てか上がるなり突撃って一体僕の幼なじみは――っていかゴラァ!?天使!いや、つか妙子さん!?なんで貴方まで突撃!?え?萌える?いやいや、確かに好きだけれども!違う!そんなエロチックでマッシブでハイソサエティな展開は望んでいないぞ!?ていうか本題!本題はどうした!え?こういうところが重要?RPGはそれを見習うべき?……いやいや、そういう展開は別のゲームで補完……そんなことより――」


「ちょっとがっつきすぎですよ!?もみじさん!ガン見じゃないですか!言葉と裏腹に息は荒いし目は充血して変態!変態!変態さんですよ!?ちょ――いや、それも違う!ダメ!こっち!あ、ちょっと!うぅ……」


「(つつ……)こ、これが生腕……、生足……、生――」


「スト――――っぷ!弾けすぎ!弾けすぎだよ!?二人とも!広くない!ギュウギュウ詰めじゃん!うちのお風呂そんなに広くないよ!デンジャラス!デンジャラスビート!艶めかしい!フニクリがクリクリでニクニクしちゃってランボルニギーギ!どうしよう!ポールがエキサイトしてクリエイトダンスし始めたよ!レッツパーティじゃないよ!僕変態さん!?僕変態さん!?僕変態、変態、変態さん!?」


「へっへっへ、まさに最強コンビですね、私達」

「げっへっへ(ぼたたっ)まさに最強でフナ、あたし達」


「ちょ、なんで二人で熱い握手!?女子高生!もっとピュアで!いや、女性が怖いというのは知っているけれども!でも!……この一線は越えていいのか悪いのか……!いや、とにかくにも僕出るよ!?だから――」


「「ナニを出すんです?」」


「ナニ!?その興味津々な表情!『あたし知りたいな?』違う!目覚めちゃうだろ!?変な方向に!これ以上僕の純情なDTパワーを辱めないで!?ていうか腕をどけようと踏ん張るな!違うだろ!『じゃあ私は後ろから……!』なんでアイコンタクト!?そんな格好いい手段をこんなお風呂なんかで!?え……行ってみなければわからない世界……それが、あたしは見たい……!!違う!なんか格好良い台詞だけれどなんか違う!回り込むな!羽交い締めするな!腕が――」


 ばったんばったん……ぱちゃぱちゃ……


「――――――お嫁に行けない……」


「あれぐらい普通ですよ、もみじさん、それに――」

「お嫁になら、貰ってあげるよ?(ぽっ)」


「香苗さんに妙子さん!?なんかチガウヨね!?僕完全にヤバイじゃん!一体ナニがどうなって……!!…………………………やっぱりお嫁に行けない……」


「まぁまぁとりあえず折角仕上げたんですし、晩ご飯を食べましょう!もうそろそろ七時半になっちゃうんで」

「……あれ?でも僕仕上げてないような?」

「ですよね?お風呂場で『やっぱり……脱がすべきじゃない。これは……僕の偽らざる思いだ』って呟いてましたモンね」

「つぶやいてない――!つびゃいてらいろぼきゅは!?」


「いや、噛みすぎ」


「そういう香苗は鼻血を――ってか、あれ?そうか、なんか香苗が仕上げてくれてたよな?確か。いやぁ、ありがとう」

「(ぽっ)……そんなんよゆー、よゆー」

「てかそのカメラは……なに?」

「あぁ、気にしない気にしない」

 部屋に何故か大量に積み上げられた映像機材が物凄く気になったが、気にしないでと言われたので気にしない事にした。

 ……ごめん。気になる。

「もみじさんはホントにチョロいですよね?」

「馬鹿な!?この難攻不落、むっつりにおいて並ぶモノなし、果ては『ちょっと……キモイよね』と言われて傷ついたほどの純情ピュアなボーイを捕まえて!?」

「(それがチョロいってことなんじゃ?)……まぁそれはそれとしてご飯を頂きましょう!いやぁ、旨そうですねぇ!これ!」


「「「――頂きます」」」


 三人で食事――一緒にご飯を食べれるというのは大変幸せである。それも、仲の良い友人と……確かにまぁちょっともうお嫁に……もといお婿にいけないような体験をしてしまったがまぁそれはそれとして――

「はい、あーん」

「え?香苗さん?」

「あーん」

「いや、てか、ちょ、ハズイ、じゃなくて、え?マジで!?いいの!?こんなストロゥベリィな展開良いの!?サンデー読者の九割が殺意を覚えたシーンみたいなことをやって……てか何回かやって毎回のように記憶が無くなったような記憶があるのだけれど――気の性だよね?」


「「気の性気の性」」


 いや、前にも述べたような記憶がある!確かにある!小さい頃から彼女が作った料理の数々によりなんだか錯乱したり、襲い掛かったり……気付いたら……マッパだったり……母親が『吸われるっていいわよね』というわけのわからない台詞を吐いちゃったり……うん、そう、何故か香苗が隣で裸で寝ていたような……


「てか、身体事寄せてきてる!近いぞ!これは――!え!?ヘッドロック!?ガッツリヘッドロック?『これでもう逃げ場はない……大人しくつままれな、坊や』ってなんか違う!どゆこと!?なんで洋画のB級字幕みたいな台詞!?君らは一体どんなアニメやら映画やら――うぉっ!?(もぎゅもぎゅ)うん――確かにぱない!旨い!旨いよ!なんだこれ!どこまでも食べれそうだ!知性編、もとい地平線の向こう側までアイキャンフライトゥーザポティトゥ!英語もマジでやらないと逆に恥ずかしくなるよね!身体の震えが止まらない!というか――なんか身体が火照ってきた!たぎる!滾るぞ!(ずごごごごごごご)これはぁああああ!なんだ!?力がわき上がってくる!(どぎゃーーん!ずどどどどど!)ポールがバーニングファイアでブロッサムゥぅぅぅぅう!?(ごしゅっごしゅっ)人生には必要だけれど!なんだこのご飯!ダメだ!止まらない!食べないと止まらない!食べたら止まらない!――海賊王に俺は――なる!これはあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――」


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