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五話

「―――――はっ!」

 気付くと授業が終わっており――キーンコーンカンと音が鳴っていた。

「……あれ?起きたんですか?」

 隣の妙子が話し掛けてくる。

「……あれ?僕――てか今何時!?……というか僕はナニを……?」

「……えっと……どうしましょうか?偽らざる真実を告げるべきか、それとも虚飾されたフィクションを伝えるべきですか?それとも誇張された事実がいいですか?」

「……え?」

「あぁ、全く!凄かったよ!ですよ!まさに!天を駆け、地を這いずり回り!そしてさらに一回転!最早何が何だかわからないくらいビックンビックン動いてましたからね!」

「どゆこと!?」

「いやいや、そのまんまの意味ですって……全くぅもう……わ・す・れ・た、とは言わせないぞ?」

 ピン、とおでこを突かれる。

「え!?ってか香苗さん!?」


「……凄かった(ぽっ)」


 上気させた頬が……なんとも言えない。

「ナニが!?一体ナニをしたんですか!?僕は!?ねぇ!……どうしてクラスメイトの皆は目を合わせてくれないの!?なんで赤面しているの!?オカシイでしょ!?ホントに一体僕はナニをしたの!?」


「……わ、私の口からそれを言うんですか(てれっ)…………もぅ、……えっち……」


「え!?どゆこと!?なに!?なんなの、それ!?」

「なにってナニでしょ」

「ナニ、だよ?」

「なんで二人して赤面してそんな台詞を!?え!そんな少年誌ではやれないようななんかこうそう言ったピーやふにゃふにゃやまっくりくりがあっちゃったってこと!?」


「変態」「変態だな」「変態ですね」……


「ナニそれ!?てかなんでこういう時にクラスメイトの皆はそういう反応!?ちゃっかり見てんじゃん!?……知ってるなら――」


「知らない」「知らないんだな」「知らないんですよね……うふっ(じゅるるっ)……」


「知ってるよね!?そして田島さん!?完全にそのほっぺは誤魔化しようがないですよ!?見たんでしょ!?見たんですよね!?てかナニを!?ナニを見たんだ!?」

 僕は――僕は――何をしたんだ……!!!

「てかもみじさん、そろそろ支部壊滅に行かないと、夕飯に間に合わないですよ」

「夕飯!?」


「えぇ、私、七時半にはご飯食べたい『人間』!なんです」


 人間主張来たー……。


「となると――」


 と僕が時間を確認しようと頭の中をとりあえず整理しようとした瞬間――


「でも、今日そこの香苗ちゃんとお茶して帰りたいんで」


「……へ?」


「というわけで先に帰っておいて、晩ご飯!よろしくお願いしますね!」

「は?」

「じゃ、じゃあ、明日(いやちゃんと後で覗き見るんだけどね)」

「(ゾゾクゥ!……ナニ!?今の悪寒!)――てか、え?香苗まで!?」

「でわでわ、また後で~」

 教室に一人残された僕。


「―――ナニ!?この流れ!?可笑しくない!?可笑しくない?あれ?ていうか僕支部壊滅がどうちゃら――ってなにそれ!?あの気合い意味なし!?……いや、別にいれてないだろって……なんで皆知っているの!?チガウヨね!?え?知らない方がおかしい?ナニがあったの!?マジで!おかしいよ!オカシイよ!うちのクラス!」


「変態だ」「変態だね」「変態なんだな」……


「だから違う!」


 ――


 翌日。


「だからどうして僕が起きて出発した時もふよんふよん、だるんだるんしていた妙子が先に着いてるの!?」


「いやいや、これくらいは――異次元魔法を使えば一瞬です」


「それどんな魔法!?」

「ちょっと時間を弄ったりする魔法ですよ。この次元での魔法として使う、ということで異次元という名前がついてるんですよ……一光年を一秒にしたりとか……まぁその分、対価が大変なんですけどね」

「なんか鋼的な話だなぁ」


 対価的な部分がである。


「とりあえず、渡しておきましょう。もしかするともみじさんも使うかも知れないですからね」


 と言って一枚の写真が――


「っておい!?これ完全僕の寝相の写真じゃん!」

 ヨダレがちょー良い感じに流れ出てる。

 ……幸せそうだなぁ……此奴……。

「えぇ、それで問題ないですよ」


「マジで!?」


 安いなぁ……異次元魔法……。

「もしこれじゃなかったら、どんな対価が必要なわけ?」


「えっと……そうですね……資源的に言えば……どうでしょうね?まぁ軽く国が一つ消滅するくらい――ですかね?まぁ日本全域だと大体ちょうど妥当な値段でしょうか?」


「……写真?」


「まぁまぁ、そういうもんなんですって」

 よくわからない説明はとりあえず放棄することにして――

「というか、妙子、此処に入るのに賄賂使ったって言ってたよね?」

「……そんな事言いましたっけ?」

「出たよ!なんて都合の良い!まぁ別に机を一つ増やすのは造作もないし、そりゃ別に問題ないとも言えるけどね!?」

「まぁまぁ――そんなことより、香苗ちゃん遅いデスね……」

「ていうかいつの間に仲良くなったの?」

「ふっ――魂の波長が合えば――そこに言い訳なんて必要ないのさ……」

「……………」

「まぁ昨日帰りに色々と情報交換に物物交換しましたからね……昨日の夜とかはかなりフィーバーしたんじゃないですかね……まぁ私も似たようなもんですけど」

 おかげで寝不足です……と目をこする彼女……。

「まぁ今日は――その、支部壊滅、行くんだよね?」


 僕としては出来れば回避したいイベントですが。


「当然ですよ」

「ていうか朝ちゃんと起きろよ。なんでこんな確認を教室でやらなきゃなんないんだ?」

「いやいや起きてちゃんと学校に来ているじゃないですか……てか朝御飯の二日目のカレー……美味しかったぁ……二,三回宙返りしましたからね。いやいや、まさかじゃがいもなしでもあの味とは……感動しました!」

「ルーがいいだけでしょ」


「またまたぁ、照れちゃって――変態さん」


「なんでその呼び名!?なんで!さっきまでちゃんと名前で呼んでいたのに!?」

「どうしたんです?どこかおかしな点ありますかね?変態さん?」


「変態」「変態」「変態さん」……


「これ解るヤツ居るのか!?てか皆わかっているのか!?マニアックだな!」

「化けですよ、化け」

 マァアッッゥドゥ!と教室の誰かが叫んだ。

 オマエはどこかのラクダか!と、自分のオタクさを発揮して心の中で突っ込む。

「てかそんなことよりさ、支部壊滅、とか襲撃とか言うけど、どうすんの?てかどうやるの?」


「いやぁ……まぁ出たとこ勝負かなぁって――」


「おはよー、も・み・じぃいいいいいいいいいいいいいいい!」


「エウロッペ!?(ぐるんっ!)」


「首が!もみじさんの首があらぬ感じで一回転!?」


「どんなだよ!?おかしいよな!?そんな状況になったら生きてないよ!?人間!……あれ?てか香苗、なんか顔色悪くない?」


「そう?……ちょっとやり過ぎたかな?昨日スゴイネタが入って来て!まぁ二年前の七月六日の画像に比べると――あぁ、でもでもぱないの!ホント!ちょっと興奮しちゃって夜中過ぎまでちょっと……」


「……妙子、なんかこいつにあげたの?」

「いやぁ、知らないですよ?別に寝相の写真とかなんかこうお風呂場の写真とか『アッーーーーーー』な写真とか持ってたりするわけないじゃないですか!」

「……?どゆこと?」


「……まさか誤魔化す必要もないとは……妙子、驚きです!」


「?????」


――「というわけで脱いで貰っていいかな?もみじ?(ぽっ)」


「……あぁ、それくらいなら……――っていいわけないよ!?てかなんで!?僕の幼なじみは教室に来るなりそんなセクハラ!?てかこれセクハラ!?セクハラだよね!?あれ?でも、セクハラって普通男性がすんじゃない!?いや、まぁ美醜の面が色濃くでるのはわかるけれど……ってかおい!またか!また強引に脱がしに来るのか!?なんで!?『今日のあたしは昨日のあたしより――脱がす!』ってなんだその台詞は!無駄に格好いいけれど!なんか違う!なんかチガウヨ!?オカシイ!てかヤバイよ!?ちょ――待って!待ってってば!(バタバタ)」

「いやいや、アレだよ、もみじ?その……別にやましい気持ちがあったりするわけじゃ……なくて……さ、ただ単純に無性に脱がしたくなって……見たくなっちゃったから脱がすんであって、既成事実を繕うだのそのまま音楽室に持っていこうだの、保健室を予約とかしてないいんだ・か・ら!」

「考え得る限りとにかくなんらかの犯罪行為を演じさせ、僕をどうにかしようとしているのはわかった!一体なんの目的で!?アレか!ちっちゃい頃のアレか!でもアレは先に脱がそうとしてきたのは香苗の方であって……だから、待って!脱がさないで!てか逆でしょ!男が脱がすモンでしょ!?ねえ!?僕間違ったこと言ってる!?いやらしいのは男のハズじゃん!」


「……嫌いじゃないく・せ・に?」


「(でれ……――はっ!?)確かにそうだけれどもぉ!やめろぉ!特殊性癖を晒すなぁ!そういう場合じゃないでしょ!?てかさり気なくなんで妙子まで!?『いやぁ、どちらかと言えば私も抵抗される方が好きなんで』って違う!なんか違う!」


「今よ!(きらーん!)」

「承知!(しゃっきーん!)」


「――じゃねえよ!すとっぷ!ストッピ!らめぇ!やめれぇ!だからなんか違う!てか脱がすな!捕まるだろ!オシャレな公務員に捕縛されるよ!?なんで朝からこんなノンストップでデンジャーゾーンに突入!?どこのトップガンですかぁああ!?」


「(がらっ←扉が開く音)……………………あれ?次元間違えた?いや、正解か……ついに俺も次元減らしに成功するように……俺が……――勇者だ!」


「せんせぃ!だからあんたもまともになって!いや、確かにある意味勇者だけれども!てか目合ったじゃん!どうして嫌そうな顔!?傷つくよ!そのリアクション!教師は自分の言動が意外と人を傷つけることをもっと理解するべき!てか教師!慈愛に満ちた表情で――」


「(警察でも呼んでおけば納得するよな)あれ?可笑しいな。俺の嫁がどこにも居ない?いやいや、そんな馬鹿な……折角勇者になったって言うのに……困ったもんだ……どこに居るんだ?子猫ちゃん……?」


「しない!納得しない!呼ぶな!ていうか本音も建て前もなくない!?ひどい!あんたホントに教師か!?てかあんたの脳みそダイジョウブなのか!?」


「(世襲制だからな)俺は三次元の女に興味はねえ!淫行教師よりマシだろが!……あ、業者の方々……今日も設置お願いしますね」


 業者の方も面食らったようだが、極普通に作業を始めた。

 スルースキルの高さが素晴らしい……。

 ていうか何の設置作業?

 それより――


「ホントにひどい!てかあんたそれでダイジョウブなのか!?」



「……リアルの女怖い………………」



「本音そっちか!――てか妙子!つか香苗!(びりびりぎゅぼぅ!)――って、ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?リアルに脱がされた!絶対冗談だと思っていたのにぃぃいいいいいいいい!?真面目に!?なんで!?」


「昨日のもみじさんの砲が凄かった癖に(いやんいやんと首を振りながら)」

「ビックリした……(ぽっ)」

「だから僕はナニをしたんだ!?てか、妙子さん!?その砲ってナニ!?方じゃないの!?砲なの!?中華キャノンなの!?」


「うわぁ……先行者ネタですかぁ……いや、私、アレ、大好きですけど……どきゅーん!ばっきゅーん!ビームビームビーム……てか砲ってそりゃキャノン砲以外にナニがあるんです?」

「あぁ、そうだよな、砲は方……じゃない!完全に違う思い込んでたのに!違うのか!!微妙になんかそんな感じを演出していたけれど、違う!ナニそれ!僕は一体ナニを出したわけ!?ナニ!?ナニなんですか!?ナニを出しちゃったんですか!?」


「はい、あーん」


「また唐突だな!?なんで!?危険だから!?青少年向けじゃないから!?てか朝だよ!早弁にも速過ぎるよ!?てかなにそれ!?『食べると危険!今日の夜はデッドヒートの唐揚げ……コンビニで売ってた』マジで!?そんなもんまで売っちゃうの!?恐ろしいな!コンビニ!もうコンビニなしじゃちょっと考えられないよってレベルじゃん!東京都から排斥……違う!そんなつもりは全くないんだ!そりゃ少しはあったかも知れない!でもそれは出来心です!そんな!……これは――!確かにぱない!なんだこれ!身体の震えが止まらない!(がくがくがくぅ←生まれたての子鹿のように)というかなんか身体が火照ってきた!熱い!熱いぞ!(←燃え上がれ俺のビーイングハート)これはぁああああ!なんだ!?力がわき上がってくる!学業にまるで関係ない部分が元気だ!(どぎゃーーん!)デッドヒートだ!ニーニングアタックだ!人生には必要だけれど!(ぐももももも!)なんだこのご飯!ダメだ!止まらない!食べないと止まらない!食べたら止まらない!(びかびかびかー!)――海賊王に俺は――これはあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――」



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