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五月五日の……

作者: 紡里
掲載日:2026/05/03

 去年の四月末は、葬式をしていた。

 今年は、連休に合わせて一周忌の法事をすることになった。都会に出ている親族も顔を出せるようにだ。


 法要の後のお斎(食事)で、「惜しい人を亡くした」という話が繰り返される。

 本家の跡取りで、好青年。

 俺たち年下の従兄弟の面倒も見てくれた、優しい人だった。


 酒が入って、大人たちは妙な盛り上がりを見せ始めた。

 本家の養子に誰を出すか。自分の子どもがどれだけ優れているか。


 そこまでは――まあ、いい。

 次第に「兄様よりもここが優れている」という話に変わり、兄様を貶す者も出てきた。


 酌をして回る伯母さんの顔が固まっていくのに、酔っぱらいたちは気付かない。



 俺はそっと席を立ち、神棚が祀られている部屋に行った。

 心なしかひんやりしている。

 神棚には白い紙がかけられていた。詳しくは知らないが、葬儀関連を黒不浄とかいうやつだろう。


 柱には、一昨年従兄弟が測ってくれた身長の線がある。

 俺はこんなに背が低かったのか。背伸びをして、兄様に「ズルは駄目だぞ」とデコピンされた。

 その勢いで柱に頭の後ろを打ち付けて、頭を抱えてうずくまったんだよ。


 そういえば、大爺様にものすごく叱られたっけ。


 御柱様に傷をつけるとは何事かと――


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― 新着の感想 ―
何気ない5月5日の風景が、まさか……ですね。最後まで拝見してゾッといたしました。
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