五月五日の……
去年の四月末は、葬式をしていた。
今年は、連休に合わせて一周忌の法事をすることになった。都会に出ている親族も顔を出せるようにだ。
法要の後のお斎(食事)で、「惜しい人を亡くした」という話が繰り返される。
本家の跡取りで、好青年。
俺たち年下の従兄弟の面倒も見てくれた、優しい人だった。
酒が入って、大人たちは妙な盛り上がりを見せ始めた。
本家の養子に誰を出すか。自分の子どもがどれだけ優れているか。
そこまでは――まあ、いい。
次第に「兄様よりもここが優れている」という話に変わり、兄様を貶す者も出てきた。
酌をして回る伯母さんの顔が固まっていくのに、酔っぱらいたちは気付かない。
俺はそっと席を立ち、神棚が祀られている部屋に行った。
心なしかひんやりしている。
神棚には白い紙がかけられていた。詳しくは知らないが、葬儀関連を黒不浄とかいうやつだろう。
柱には、一昨年従兄弟が測ってくれた身長の線がある。
俺はこんなに背が低かったのか。背伸びをして、兄様に「ズルは駄目だぞ」とデコピンされた。
その勢いで柱に頭の後ろを打ち付けて、頭を抱えてうずくまったんだよ。
そういえば、大爺様にものすごく叱られたっけ。
御柱様に傷をつけるとは何事かと――




