一 夫婦の誕生
その国には、夫婦にして主従という、不思議な関係を持った者たちがいた、、
旦那は、最強にして鉄壁と称される騎士、、
妻は、最恐にして賢王と称される姫、、
その二人がそろえば適菜氏を称されるほどであった、、
これが英雄譚の始まりであった、、
その国には、かつて、最強にして鉄壁の騎士と最恐にして賢王の姫がいた、、、その二人は、夫婦にして主従の関係であった、、そうして、二人が一緒なら敵は存在せず、その強さはまさに「英雄」の領域であった、、
これは、二人の出会いと英雄譚の始まりである、、、
「おぎゃーー!!おぎゃーー!!」
「おぉ!!生まれたぞ!!」
「えぇ、、生まれたした、、」
「よくやった!!王妃よ!!お前は私の誇りだ!!」
「ありがとうございます、、エドリス王、、」
「お前の名前は、、マリンス・エドリスだ!!よろしくな、、マリス、、」
「おぎゃー!!おぎゃー!!」
その日、この国に最恐と呼ばれる姫が誕生した、、
それから、十年が経った、、
「お父様!!お母様!!」
「おぉ!!マリス!!元気か!!」
「えぇ!!私は元気いっぱいです!!」
「ふふふ、、どちらも元気ね、、」
「そう言えば、、マリス、お前に専属の騎士をつけることにしたぞ。」
「え、、!?本当ですか!?」
「あぁ!!今、中庭にいるぞ!!」
そうして、三人は中庭に歩いていく、、
そこに待っていたのは、全身を甲冑で覆った騎士であった、、
「、、あれが、、私専属の騎士?」
「あぁ、、お前!!王族の前では甲冑を脱げ!!」
「、、申し訳ありません、、ですが、騎士は常に主を守るもの、、いついかなる時も甲冑を外すことはございません、、」
「き、、貴様、、!?」
「、、お父様、、」
「なんだね?マリス、、」
「私、、このものを気に入りました、、ねぇ、あなたの名前は?」
「名前などどうでもいいこと、、騎士とでも呼んでください、、」
「むっ、、それでは、他の騎士と区別がつかない、私専属ならば名前で呼んだ方がわかりやすいでしょ?」
「そういうものでしょうか、、」
「そういうものよ、さぁ、名前は?」
「、、ギメルドです、、」
「ギメルドね、、いい名前ね、、」
「ありがとうございます。」
「なら、ギメルド、最初の命令よ。」
「はい、何なりと。」
「私と結婚しなさい!!」
「ん!?何を言っている!?マリス!!」
「あら~、、」
「ま、、マリス、、?ど、、どういう、、」
「どうしたの?お父様?」
「け、、結婚と、、いったか、、?」
「えぇ、結婚と言いました。」
「そ、、それは、、ど、、どうして、、」
「どうしてですか、、第一印象です。」
「だ、、第一、、印象、、そ、、それだけか、、、」
「えぇ、それだけです、それに、王族に向かって反論できる根性にも惚れました。」
「そ、、そうか、、ならば、、ギメルド、お前はどうしたい?」
「、、それが、主の命令ならば。」
「、、う~む、、」
「お父様、私は婚約者もいません、それに、お父様は言ったではありませんか、、私の幸せは私が決めろと、、」
「そうだな、、では、ギメルドとの結婚を認める!!」
「ありがとう!!お父様!!」
マリスはそう言いながらエドリス王に抱き着いた、、
そうして、マリスはギメルドの方に向き、手を出す、、
「これからよろしくね、ギメルド、、私の旦那になり、騎士になるというならば、敗北も、礼儀も欠いてはいけませんよ。」
「かしこまりました、これからよろしくお願いいたします、我が主よ。」
ギメルドはマリスの手を取り、跪き手を額に当て、誓いを立てた、、
それは、最強の騎士の誕生であり、歴史に残る英雄の夫婦の誕生である、、
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