6話
書き方変えてみます!
スクランブル交差点の奥で爆発が見える。
多くの人がワラワラと駅に押し寄せているのだ。
「はやく! 道を開けろ!!」
「どいて!!」
「押すなクソ!」
「バグが出た!!」
バグが出た?
目視をズームして確認する。
遠くの方からワイヤーの音がする。
ベルトウデ族で間違いない。
ビルをつたってこちらに向かってくるオートメイトの異形。
マキコ
「おい、お前たち! 逃げるぞ!」
マキコ達から不安の感情を検知する。
もう周りには人がおらず、僕達5人だけになっていた。
ゲンキ
「なんでこうなるの…! 誰か助けて誰か助けて」
ゲンキの命令に従ってCPUの最適解を実行する。
まず近くの石粒をバグのワイヤーに照準を合わせて投げる。
—風を切る音
遠くの方でバグが落ちた。
バット
「おい! バグが落ちたぞ!!」
続いてバグは反対の腕を使ってこちらに急接近してくる。
バグの進行方向にはドンキから出てきた成金達がいる。
レオザ
「ふぁっ…え?! やだやだやだやだ!」
バグの頭は機械なのか獣なのか、肥大化した口でレオザに噛みつく素振りを見せた。
レオザとバグの間に割り込み、バグの口を止める。
このまま爆発するのが最適解だった。
—ワイヤーの音
「なんでここにバグが出てんだよ」
「おい、お前ら無事か!」
先生たちはぐるぐるバグをぐるぐる巻きにして捉えた。
僕は爆発することなく、チームは無事に帰ることができた。
♢
スピンズ
「みんな無事でよかったです。まさかバグが本当に出るとは」
泣いている生徒もいる。
スピンズ
「教師との話し合いにより、昨今のバグ増加に対して異例ではありますが、あなた達には学期の終わりを待たずにオートメイトになってもらいます」
急な事態に歓喜するものや困惑するものがいた。
不思議な木の実、いや小さな機械の塊を渡される。
スピンズ
「授業で習った通りに、それを飲み込むのです」
これを飲み込むことでオートメイトになれる。
この世界は非科学文明だった。
しかし、いつの日か、この実が発見された時からオートメイトは現れた。
そして急速に文明が発展したようだ。
だから街も文化も少々出鱈目な箇所がある。
生徒達は飲み込む。
僕も飲み込んだが、体が異物として咀嚼し、粉々になったくず鉄が口から出てしまった。
生徒
「うわ! おれ目が! 目が機械化されていくよ!!」
生徒
「やった! ワタシ脚だわ! 足が機械化されていく!」
各々、自分に合ったオートメイトへと変わっていく。
理想の姿になれたもの、理想の姿になれなかったもの、さまざまだ。
バット
「みてくれ! おれベルトウデ族だった!」
ゲンキ
「ぼくネジメ族だったよ!! 目が見えるようになった!!」
タタ
「おれもベルトウデ族!」
マキコは唖然としている。
彼女だけ姿形が変わっていない。
なんだか悲しそうだ。
スピンズ
「はい、じゃあ各々オートメイトになったということで…ん? 2人は食べてないのか?」
いや、食べましたよ。
食べたけど何もならなかったんです。
僕はロボットだからわかるけどマキコは謎だ。
スピンズ
「多分お前達はカラダギア族だな、体内がどこか機械化されたんだろう。そんな気に病むな」
レオザ
「だっさ、役立たずじゃん」
周囲がくすくすと笑いだす。
マキコ
「もういい、ナッツ行こ」
教室を飛び出した。
マキコの後をついていく。
「マキコ、僕も何もない」
マキコ
「ありがと、大丈夫。ワタシ体が強いことだけが取り柄だから…禁断の果実も消化しちゃうんじゃないのかって、前々から思ってたの」
感謝されたことでレベルが上がってしまった。
脳内にアナウンスが鳴り響く。
「機能解放、リモートソード、獲得」
腕の中に不思議な白い棒を握っていた。
ボクの周りには刀が浮かんでいる。
棒を振ると浮いている刀も同じ方向に連動して動いた。
マキコ
「ちょっと! あんたなんなの?! あんたもベルトウデ族なの?! でもそんな形態見たことない…」
「いや! 僕もわからないんだ!! なんだこれ!!」
マキコ
「先生に報告よ!! 見せに行きましょ!」
教室に戻ると、生徒全員は白目をむいて倒れていた。
そこに先生の姿はなかった。